2016年04月03日

木造建築の外部鉄骨階段

木造専業の構造設計者は、外部鉄骨階段を分離して計算することが多いようだ。
独立させたほうが良い場合もあるが、一体化したほうが良い場合もある。
木造建築の外部鉄骨階段の設計では、鉛直荷重のみを鉄骨部材が受け持ち、水平力を建物本体が負担することができる。木造に類した一部の構造計算プログラムでは、外部鉄骨階段の計算を行うことができるよう、機能を追加することを考えている。現状の木造の構造計算プログラムでも、工夫すれば計算できる。

木造建築の業界では、3,000u程度の木造建築を勧めているが、設計者の技量を上げることと、そのための道具を整備することが必要ではないだろうか。
大規模木造建築を選択する理由は、躯体コストの安さにある。特に2x4工法に有利である。それ以外のメリットはない。
エコだとか、低炭素だとか、取って付けたような理由を並べる人もいるが、だからどうした、と言いたい。
技術的に追及する時期がきた。
告示1540号が改定されるらしいが、スチールハウスの告示1641号と比較して読んでいる。
後者は鉄骨造の範疇で考えられており、応力は類似しているが、細部の検討方法が異なることが興味深い。
薄い部材を使うことに関しては、アルミニウム合金造技術基準が参考になる。局部座屈に対する考え方が参考になる。そもそも鉄骨造は、細い部材を、座屈や塑性変形を心配しながら、無理やり使うことを目的としている。それらの考え方を踏まえて、2x4工法やスチールハウスの設計を行うことになるのではないだろうか。
木造の構造設計者は、木造の前に鉄骨造を経験することが必要ではなかっただろうか。
posted by TASS設計室 at 16:29| 木造の構造計算

2016年03月29日

木造アパートの外部鉄骨階段の設計

木造アパートの外部鉄骨階段の設計は、次のように行う。
木造専業の構造設計者は、できる範囲で設計しているにすぎません。
何でもエキスパンションをとって、分離するだけが設計方法ではない。
東京都の建築構造設計指針を厳密に採用すると、エキスパンションの間隔は、両者の層間変形の合計の2倍の間隔にしなければなりません。
この規定を厳密に適用しているとは言えませんが、少なくとも両者の層間変形の合計は間隔をあけないと、振動の位相のズレから、両者が当たる可能性があります。
建物は2階建て、階段は平屋ですから、明らかに振動周期が2分の1程度になることからも分かります。
RCのマンションの外部階段は、RCであろうと、鉄骨であろうと、建物と接続しています。
自立することが不可能だからです。

2階建てアパートの外部鉄骨階段は、何となく設計されているのが現状です。外部鉄骨階段がある、という程度の設計が行われているにすぎません。
自立するはずもない柱と梁で構成し、床面で接続しているのです。
木造の場合は、胴差の部分で、貫通ボルトあるいはコーチスクリューで接合しています。

外部鉄骨階段に生ずる水平力を、建物本体が受け持つと、当然のことながら、偏心率に影響があります。
壁が少ない側の重量が増えるので、偏心率は悪化します。そのことを、きちんと考慮した設計にすべきです。
木造の構造設計者は、小難しいことを考えずに、鉄骨階段は現場に任せたいと思うのかもしれませんが、
それでは、設計になっていません。

私が設計する場合は、外部鉄骨階段を節点重量に置き換えて計算し、鉛直荷重は階段の柱が受け持ち、水平力は建物全体で支持する計算を行います。
鉄骨階段をラーメンで構成する場合は、主体の建物と比較して、鉄骨階段の水平剛性が低いので、鉄骨階段は建物から強制変形を与えられるものとなります。
その検討方法は、『評定・評価を踏まえた 構造建築物の構造設計実務』に紹介されています。
以上、構造計算適合性判定員として書きました。
posted by TASS設計室 at 09:45| 木造の構造計算

2016年03月26日

平面的な異種構造

平面的な異種構造も取り入れて設計する。
木造でも大きな軸力を負担する部位には、軸力を負担する柱に鉄骨を採用し、鉄骨あるいは集成材の梁を組合わせる。今日の午後は、そのような設計を行った現場で確認作業を行った。鉄骨は現場で実測して製作したため、誤差のない施工ができた。
posted by TASS設計室 at 20:04| 木造の構造計算

2016年03月09日

スチールハウスの構造計算に2x4壁式を使う

スチールハウスの構造計算に2x4壁式を使うことができる。
荷重や耐力壁の耐力を調整することで、2x4工法用の構造計算プログラムを、スチールハウスに適用することができる。荷重と外力、応力計算までは、計算要領が同じなら、どのような構造計算プログラムを用いても良い。基礎の計算は、そのまま使う。断面算定は応力計算を行った後に、エクセルで計算する。

現在使われているスチールハウスの構造計算プログラムは、kizukuri-2x4 に類似した機能であるため、平面的な斜め軸の計算をはじめ、自分としては計算機能に不満がある。

posted by TASS設計室 at 22:09| 木造の構造計算

2016年03月08日

大規模木造建築が勢いづいてきた

大規模木造建築が勢いづいてきた。
引抜力 150kN や 200kN と言っても、鉄筋で考えれば、507x345=175kN だから、D25 SD345 と大差ない。
PC鋼棒を使えば、更に耐力が上がる。
鉄骨造のアンカーボルトも、かなり強度の高い材料を使っている。
posted by TASS設計室 at 03:00| 木造の構造計算

2016年03月05日

2x4工法の保有水平耐力計算

2,000u程度の2x4工法の保有水平耐力計算は、1日で計算できる。
企画の段階で、可能性をチェックする。
1階をRC造にする場合、上部の木造部分のAi分布は、RC造部分の層重量を考慮して割増し率を考慮する。大雑把に計算し、当たらずと言えども遠からずの答えを出す。
posted by TASS設計室 at 19:53| 木造の構造計算

2016年02月19日

木造建築の杭の設計

木造建築の設計者は、杭の設計に慣れたほうが良い。
地盤改良的な杭ではなく、支持杭あるいは摩擦杭で、杭頭モーメントを基礎梁で処理する計算方法の杭のことである。この計算方法は、木造の構造計算に関する参考書には紹介されていないものであり、RC造やS造など、普通の構造設計を行っている人は計算できるが、木造の人たちで設計できる人を見たことがない。
4階建てや5階建て、あるいは6階建ての木造建築を建てることが可能になった現在、杭基礎の設計を習得することが、木造建築の設計者に必要な時期となった。
posted by TASS設計室 at 19:24| 木造の構造計算

2016年02月12日

2x4工法の地上6階の計算

『2x4壁式』は、2x4工法の地上6階の計算ができるようになった。
http://www.denco.co.jp/
ユーザーが増えると、審査機関の方々も計算書を見慣れてくるので、構造設計者としても仕事がやりやすくなる。
基本プログラム  定価¥400,000(税別)
基礎(べた、布、杭)  定価¥100,000(税別)
保有水平耐力  定価¥100,000(税別)
WRC3層(地下1階含む)  定価¥300,000(税別)
専用CAD  定価¥300,000(税別)
合計120万になるが、基本プログラムと保有水平耐力だけなら50万である。
計算結果をCAD出力すると、チェック用に便利なので、専用CAD は有っても良い。
うちの事務所では、2本の 2x4壁式 を使っている。
軸組工法を含む木造の構造計算プログラムの中では、最も優れた機能を持つプログラムである。その反面、使いこなすことが難しい。
posted by TASS設計室 at 12:37| 木造の構造計算

2016年02月11日

基礎の設計

皆さんは設計していて、何が苦手だろう。
基礎の設計を学びたいということを耳にするが、ひとまとめに基礎と言っても、次の要素がある。
ベタ基礎は設計できるが、布基礎の設計が苦手という人もいる。

基礎梁とは、どこからどこまでの断面のことなのか、良く分かっていない人もいる。基礎の立上りと表現すると分かりやすいようで、立ち上がっている部分だけを基礎梁と思っている人を見かけた。
図面を見る時は、平面図を見る時にも断面図を頭に描くと良い。頭に描けなくてはならない。物事は細分化することで、思考を単純化することができる。ひと口に基礎と言っても、基礎梁、基礎スラブ、地盤という要素がある。お馴染みの地耐力が 20kN/u、30kN/u、50kN/u だからと言って、どんな場合でも50kN/u以内に納まるものでもない。
荷重を拾い出して応力を求める訓練が必要だ。
その部分をパスして、形状から自動的に配筋を求めることができるようスパン表を整備するしかないのだろうか。私には関係のない世界なので、好きにしてもらおう。

杭基礎の計算になると、ほとんど全ての木造住宅の設計者には難しい。地盤改良的な杭ではなく、地震時の水平力を杭が負担し、杭頭のモーメントを基礎梁が負担する計算を行う杭のことである。
中規模以上の木造建築の設計を行う場合、杭基礎の計算を行うことが増えるので、マスターしておきたい項目の一つである。
posted by TASS設計室 at 11:38| 木造の構造計算

2016年02月07日

基礎の設計で腕前が分かる

木造住宅等の設計では、基礎の設計で腕前が分かる。
皆さんがお使いのサブプログラムの範囲から抜け出せず、深基礎や高基礎になると、全く手が出ない人がいる。『 特殊な基礎の設計を依頼したい 』というので、内容を伺ったところ、単なる片持ちスラブの計算であった。深基礎の計算も時々依頼される。
サブプログラムにデータを入力することができる形式は計算できるが、そこから逸脱した場合は、電卓で計算すれば良いが、その程度の計算ができないようである。
そのための参考書が出版されているが、長ったらしい本を読む必要はなく、鉄筋コンクリート造のスラブと小梁の計算方法を習得するだけで十分である。A4 の用紙、1〜2枚で表現できる程度の内容である。
住宅の基礎に関しては、1日がかりの講習会も行われているようだが、荷重拾いや応力計算のトレーニングこそ重要であることに気づいていないようだ。できないから講習を受講すると思うが、できない人を、できるようにすることが、講習会の目的に違いない。
posted by TASS設計室 at 13:11| 木造の構造計算

2016年02月06日

基礎の計算における安全率

木造軸組工法・2x4工法・スチールハウスの構造計算を行っている人は、有名なサブプログラムを使って計算している人が多いが、安全率の根拠が示されていない計算書を拝見する。
ベタ基礎の計算では、各スラブ単位に接地圧を求める方法と、全体の平均接地圧を求める方法の2つの計算方法がある。後者の場合は基礎を剛体として計算しているが、重心と図心のズレを考慮し、接地圧の増加を考慮する。接地面積は、芯〜芯の面積ではなく、芯からの出の寸法を考慮し、基礎の外面の面積としても良い。
このくらいのことは、一貫計算に含めることは容易だろう。
posted by TASS設計室 at 13:02| 木造の構造計算

2016年02月04日

新しい2x4工法の構造計算プログラム

新しい2x4工法の構造計算プログラムとして有望なのは、東京デンコーの『 2x4壁式 』の計算機能で、入力画面が構造システムの『 HOUSE-WL 』のようなものである。
『 2x4壁式 』には、多くのデータが用意されているが、普段使うものだけを残し、余計なものを削除してしまうとスッキリする。使い込んでくると、今まで欠点と思っていたことも、問題なく使えるようになる。

今後どこかの会社が、2x4工法の構造計算プログラムを開発するなら、『 2x4壁式 』くらいの機能は取り揃えてほしいものである。しかし、開発者がターゲットとするプログラムを使ってみなければ始まらない。
自分ではプログラミングできないが、構想を書いてみたくなった。
木造の耐震診断だが、構造システムの『 HOUSE-DOC 』のデータの入力方法が面白い。

今日は、多角形の平面形状の壁式構造の計算を、エクセルで行っている。
直交座標に対して45°の傾斜の壁の耐力は、X方向とY方向に配分するが、36°や54°に傾斜した壁の耐力もX方向とY方向に配分したい。
立面的にも、壁が僅か 3.6°ほど傾斜しているものもあり、1枚の壁の形状が三角形のところもある。
面外の倒れを考慮し、鉛直部材だけで軸力を伝達し、壁の耐力や剛性は、倍率によらない計算を行う。
こんなことをやっていると、コンピュータを使うよりも、手計算のほうが分かりやすい。
いや、コンピュータでは計算できない。
posted by TASS設計室 at 23:59| 木造の構造計算

2016年02月03日

難しい構造計画

難しい構造計画の試算を行っている。
意匠設計の素案を受け取り、一貫計算のプログラムで計算している。
一貫計算だけでは完結しないので、部分的に補足することになるが、先ずは大雑把に検討する。
ここで見当をつけないと、意匠設計に支障が出る。
posted by TASS設計室 at 22:04| 木造の構造計算

2016年02月02日

地下車庫の計算は、手計算で行う

木造の戸建住宅を設計している人の多くは、2階建ての4号建築の設計が多数を占めていると思うが、時々、3階建てや混構造、斜面地の建物、深基礎、高基礎、地下車庫、擁壁の設計も行うと思う。
建物の設計に関連するこれらの設計ができると、設計のレパートリーが増えるだろう。
いきなり木造住宅の構造設計から、構造設計を始めた人は、RC造やS造の設計の経験が皆無に等しく、基本的な構造設計の手順と言うものを理解せずに構造計算プログラムを使っている。
初期のころの木造の構造計算プログラムは、基礎の設計を分離しているものがあり、そのためか、基礎の計算が別枠になってしまっているようだ。
プレカット工場で木造の構造計算を行うことが増えており、彼らは基礎の設計を行わないことが多い。
3階建ての構造計算の次に習得する項目は、混構造、斜面地の建物、深基礎、高基礎、地下車庫、擁壁の設計ではないだろうか。
そこで、地下車庫の計算を昔ながらの手計算で行ってみると良いだろう。固定法やD値法を使って応力計算を行い、断面算定を行うので、ひと通りは理解できるはずである。
固定法が使えると、連続梁の計算もできるようになる。
構造設計の基本は、力や変形が見えることである。自分の頭の中で可視化することができれば、しめたものだ。
posted by TASS設計室 at 09:46| 木造の構造計算

深基礎の設計を学ぶなら、先ず擁壁の計算を行う

木造住宅を専門に設計されている人は、基礎の設計が苦手なようだ。
土圧に関する知識を深めるなら、擁壁の計算を行ってみると良い。もちろん、手計算で行うのである。
土圧には、主働土圧・受働土圧・静止土圧があるが、建物の設計の場合は静止土圧で考えればよい。
小難しいクーロンの式を持ち出す必要はなく 0.5 とする。
『宅地造成の手引』平成27年5月 横浜市建築局 をダウンロードし、その後半にある計算例を見れば、計算要領が分かる。
posted by TASS設計室 at 09:38| 木造の構造計算

2016年01月31日

この本、人気があるようだ 『ひとりで学べる住宅基礎の構造設計演習帳』

この本、人気があるようだ。
好光, 大橋 "ひとりで学べる住宅基礎の構造設計演習帳 (BCJ BOOKS)"
壁量計算やスパン表だけで木造住宅の設計を行っている人が、基礎の設計について興味を持ち始めたのだろう。
基礎の計算を分離している構造計算プログラムもあり、木造の人たちは、基礎を何と思っているのか。
多くの人が利用しているサブプログラムに依存しすぎていないだろうか。
何となく地面とつながっている断面図を見て、カルチャーショックを受けたことがある。
posted by TASS設計室 at 11:37| 木造の構造計算

2016年01月28日

軸組工法に2x4工法で増築

軸組工法に2x4工法で増築、2x4工法に軸組工法で増築することを考えても良いのではないだろうか。
許容応力度計算を行わず、壁量計算だけで設計可能な2階建ての場合にも適用可能と考えている。
スジカイや耐力壁の耐力は、軸組工法も2x4工法も似たようなもので、層間変形に関しても壁長1mで1倍の壁に 1.96kN の水平力を加えたときに 1/150ラジアンの変形としているのだから、両者を混ぜても同じようなものである。
もともと 200kgf の水平力であったものを SI単位に変わった時に 1.96kN とされたものである。
一方、鉄筋コンクリートの単位体積重量は 24kN/m3 とし、積載荷重 180kg/m2 は 1800N/m2 にしている。どちらも適当な数値なので、細かく考えなくても良さそうに思う。
posted by TASS設計室 at 00:38| 木造の構造計算

2016年01月26日

地耐力が高いと、ベタ基礎のスラブの配筋が減るか

地耐力が高いと、ベタ基礎のスラブの配筋が減るか、という質問をいただいたことがある。
確かに、地耐力が高ければ、ベタ基礎のスラブなんか、無くても良い場合もある。
しかし、スラブ単位の平均接地圧で計算しているのだから、いくら地耐力が高くても、スラブの計算に変わりがない。
地盤をバネに置き換え、弾性支承上の梁の理論を用いて FEM で計算すると、質問者の目的とする答えが得られると思う。基礎スラブを 910/3 程度の間隔でメッシュに切り、地盤をバネに置き換えると、Super Build FEM で計算できる。
そうは言っても、RC規準の計算外の規定があるので、鉄筋の間隔を規定を超えて広げることはできない。
posted by TASS設計室 at 12:41| 木造の構造計算

2016年01月17日

面材の詳細設計を行うと、大幅な強度アップ

面材の詳細設計を行うと、大幅に強度が上がるという。
構造用合板の壁倍率が2.5倍の場合、詳細に計算すると倍率が4.17倍になるとのことである。
こんなに差があると、本来の倍率計算の信頼性が揺らぐ。壁倍率による壁量計算を見直しても良いのではないだろうか。
軸組工法・2x4工法・スチールハウスの3つは、同じようなものだが、それぞれが独立して研究されている。
スチールハウスは鉄骨造だと言う人がいるが、あれは2x4工法だろう。

実験で求める耐力壁の耐力を上げたいなら、24mm の合板を CN75 で釘打ちすれば良いが、釘打ちの縁あきの寸法が気になる。2面剪断という手もある。
posted by TASS設計室 at 21:50| 木造の構造計算

手計算の要領

木造の構造設計者から、手計算のコツを教えてほしいと言われた。
決まりきった構造計算プログラムのオペレーションを行っている人であり、紙と電卓で計算した経験のない人である。木造の構造計算に関する本をお持ちで、読まれてはいるものの、その本を拝見して驚いた。A4の紙に2〜3枚書けば間に合う程度の内容が1冊の本になっている。読むことが面倒になってしまう。
ひとつひとつ計算してみるしかないので、面倒がらずに、電卓を片手に計算してみることである。
木造の構造設計のみ行っている人は、このくらいの人たちが多く、4階建て以上の木造建築物を普及させるためには、木造専業の構造設計者の底上げが必要で、公文式のような構造計算塾が必要だ。
posted by TASS設計室 at 13:21| 木造の構造計算