2014年06月25日

底上げ

 木造住宅専業の設計者や施工者の技術レベルの底上げが必要である。
全体を一様にレベルアップすることは難しいので、指導者として働いているトップの人たちのレベルを上げると効果的だろう。

 中途採用の多い業界なので、経験者として転職する人も少なくないが、年数だけは経験者並みだか、内容の伴わない人も少なくない。
 昨日の午後はリフォームの打合せが2件あった。午前中はゼネコンとマンションの耐震改修の打合せを行ったが、それも含めると合計4件のリフォームの打合せである。
午後の前半は障害の復旧だが、後半の打合せは店舗の内装であり、長年つき合いのあるインテリアコーディネーターと施工会社の代表を伴って現地を拝見した。
製作や施工を考えてデザインするのである。

 注目すべきは午後の前半の打合せである。
木造住宅の業界の縮図と思える内容であった。
プロが不在で、家のようなものが造られていたのである。
芸能人の自宅の改修工事の設計を手伝ったことがあるが、大道具としてなら通用する工事である。
ビルダーは大道具屋とは違うだろう。

posted by TASS設計室 at 07:22| 木造住宅

2014年06月21日

木造の設計者が設計のスキル上げる方法

 木造の設計者が設計のスキル上げる方法はあるだろうか。
木造住宅専門の設計者の横のつながりを広げ、情報交換を行うことが必要だが、その内容如何である。

 中小の会社に限らず、ハウスメーカーの支店においても、課長の能力が低下している。
その結果として、ヘッドハンティングで部長を連れてくる会社も出て来ている。
しかし、課長以下が仕事を指示されても対応できなくては、ヘッドハンティングの意味がない。

 できないことに罪悪感を抱かないのだろうか。
自分が主体的に判断せず右から左に仕事を振り分けているだけでは、仕事を覚えることはできないだろう。
やってみる、ということが必要だ。それに尽きる。

 施主の人は、木造住宅専業の設計者と打合せを行って、物足りなさを感じるにちがいない。
設計者に質問しても、質問に対して的確に答えることのできない設計者に呆れたことはないだろうか。
住宅とは、そんなものかとあきらめる人もいるかもしれないが、完成してから疑心暗鬼に陥り、不安を抱える人も少なくない。
その解決策の一つとして、オブザーバーとして施主側に構造設計者を付けるという方法がある。
施主の疑問や質問を代弁する人を介すると、ハウスメーカーに話が通じるのである。

 インターネットの情報は氾濫しているが、使える情報は少ないものである。
私が嫌いな建築関係のNPO法人も宣伝している。
仕事を受注したいなら、正々堂々と会社として受注したら良い。

posted by TASS設計室 at 14:46| 木造住宅

2014年06月20日

木造の設計は手間がかかる

 木造の設計は手間がかかる。
ほんの一部の設計者を除き、木造専業の設計者はスキルが低いからである。
頭が悪いことは分かるが、悪すぎるのは困る。
監理もできず、右往左往している。

 さて、どうするか。
設計料を値上げし、何でもやってあげるしかない。
必ず監理料を請求するという方法もある。
木造以外で規模の大きな建物は、設計監理を行っている。
面倒見きれない意匠設計者の場合は、面倒見の良い施工会社を紹介したこともある。

posted by TASS設計室 at 17:38| 木造住宅

2014年06月19日

杭が折れても、そのまま工事を継続

 地盤改良のための小口径鋼管杭が折れても、そのまま工事を継続していた会社があった。
大手ハウスメーカーの設計施工である。

 鋼管杭を打設した後に根切りを行ったので、ユンボで引っ掛けてしまったのだろう。
そんな時は、ユンボで杭を圧入することもできる。
精度は劣るが、本数を増やすことで安全性を担保することもできる。
何もせず、そのまま工事を進めるとは、さすが住宅産業である。

posted by TASS設計室 at 08:38| 木造住宅

2014年06月10日

基礎と地盤

 木造住宅の設計者が苦手としているのは、基礎と地盤に関することだろう。
どちらも、最初に建物の荷重を拾い出すことから始めるが、その段階でつまづいている人が多いようだ。
構造計算の中で最も単純な作業が荷重拾いだが、次の段階で応力を求めるので、その前段階であることを意識して作業すると効率的である。

 地盤に関しては、スウェーデン式サウンディングを基にした判断基準を学ぶと良い。
エクセルで計算してみると、結果を実感することができるが、その作業を地盤調査会社が行うこともあるだろう。しかし、地盤調査会社は建築設計事務所を登録していない会社が多いので、設計図書とするためには設計者の記名捺印が必要である。
内容を理解できない書類に記名捺印することに抵抗があるかもしれないが、建築設計者は良く勉強し、内容を理解して記名捺印する。

 杭の設計に関しても同様で、杭の施工業者は建築設計事務所登録している会社は少なく、建築設計者が杭の設計内容を理解して記名捺印することになる。

 木造の構造図はプレカット会社が作成してくれるが、基礎梁や基礎スラブの設計は建築設計者が自ら行うことになる。そこで作業がストップしてしまう人も少なくない。
結局、地盤に関する考察や躯体工事に関する判断を行うことのできない設計者は、いつまでも自力で判断できない状態が続くのである。

posted by TASS設計室 at 00:00| 木造住宅

2014年06月06日

杭や柱状改良の目的は何か

 擁壁の底盤が障害になるからと言って、小口径鋼管杭や柱状改良を底盤を避けて施工することがある。
それは好ましい判断なのだろうか。
20〜30cm のズレなら、それも良いだろう。しかし、1〜2m も杭の位置を移動したら、何のために杭や柱状改良を施工するか分からなくなる。

posted by TASS設計室 at 07:21| 木造住宅

2014年06月05日

無知が原因で生じる障害

 無知が原因で生ずる障害に注目しよう。
知っているようで知らないこと、分かっているようで分かっていないことがある。

posted by TASS設計室 at 15:17| 木造住宅

2014年06月04日

基礎の立上り15cm

 木造住宅で、地盤面から基礎の立上りが 15cm しかない建物がある。
10cm という建物も見たことがある。
外壁のモルタルを地盤面まで塗ると、一見して鉄筋コンクリート造のように見える建物である。
こんな設計は白蟻にエサを供給しているようなものではないだろうか。
 どうしても1階の床を下げたい場合は、内部の基礎の立上りは 15cm でも良いが、外周部の基礎の立上りは 30cm とし、幅木のディテールを工夫したほうが良いと小生は考える。

 デザインには、施主が望むデザインと意匠設計者がやりたいデザインがある。
耐久力を犠牲にしたデザインは、施主にとって好ましいことなのだろうか。

posted by TASS設計室 at 13:35| 木造住宅

2014年06月01日

木造住宅の設計者はRC造を学ぼう

 木造住宅の設計者はRC造を学ぼう。
基礎はRC造である。
構造設計を学ぶだけではなく、施工に関しても学ぶことが必要である。構造力学も勉強しよう。
 そのためには、設計したら、原寸で配筋図や施工図を描いてみると実感として理解できるようになる。
時々現場に行き、現場を体感することも必要だ。
鉄筋を見たことがない人に、RC造の設計ができるわけがない。

 相変わらず、何となく地盤から建物が生えているような断面図を描いている木造住宅の設計者が多い。
基礎は基礎屋さんに丸投げで、現場の管理は予算の管理だけしか行っていないのでは、いつになっても鉄筋コンクリート造とは無縁の世界である。

 何にでも認定工法に頼る木造住宅の業界は、建物の設計を行っていないことに等しい。
設計できる人材を集めることが必要だが、中途半端な構造知識を振りかざして、社内を混乱させている管理職もいるようだ。その結果として、部長職がヘッドハンティングされはじめている。

 木造住宅の設計者に構造知識を備えさせることは永遠の課題だが、その永遠の課題に手を付けることが必要だ。4号建築の特例の廃止が、その第一歩である。
その第一歩が踏み出せないのが木造住宅の業界である。何故だろう。
 ある意匠設計者が作成した構造図を拝見したことがあるが、不安定構造になっている所があった。
片持ち梁を金物で受ければ剛接合になると思っていたのかもしれない。
そもそも剛接合という概念を理解しているのか疑問がある。

posted by TASS設計室 at 13:03| 木造住宅

2014年05月28日

プレカット工場に材料について質問

プレカット工場に材料について問い合わせてもらったら、分かる人が戻ってから答えてくれるそうだ。
漠然とホワイトウッド集成材 E95 と言われても、材料強度が特定できない。
F270 もあれば、F315 もある。
営業担当者は値段で分類しているが、当方は材料強度とヤング係数が知りたいのである。

同じプレカット工場でも、使用材料が変わることがある。

posted by TASS設計室 at 15:06| 木造住宅

ハウスメーカーは施主に対して説明不足

 大手ハウスメーカーで住宅を建てた人から相談をいただくことがある。
構造に関して説明を求めても、満足のできる回答を得ることができないと言う。
ハウスメーカーにも構造設計者がいるので、引張り出したら良いと私は答えている。

 特に基礎や地盤に対する疑問や質問に対する説明が不足している。
地盤調査結果と構造計算書の基礎の設計の所を見れば分かることだが、ハウスメーカーの担当者は説明できない。それもそのはず、構造設計は下請け任せで、ハウスメーカーの担当者は業務の割り振りをやっているだけである。

 ハウスメーカーを退社して独立して設計事務所を開く人も少なくないが、1人で判断することに慣れていないため、効率的に設計を進めることができず、外注費が嵩み、経済的に行き詰まる人もいる。
木造住宅なら、基本設計から意匠設計、構造設計、監理を1人で行うことができるようになってほしいものである。


posted by TASS設計室 at 07:27| 木造住宅

2014年05月24日

布基礎とベタ基礎

 直接基礎で設計する場合、ベタ基礎で設計する人が多いようだが、地盤改良を行う場合は布基礎で設計するほうが経済的である。
1階床は 10kN/u 程度の地耐力があれば十分なので、防湿コンクリートの厚さを 10cm 程度にし、鋼製の束立てとして設計すれば良い。

 1階に大きな部屋があり、基礎スラブの面積が大きい場合は、基礎スラブの設計が難しくなる。
大きな基礎スラブを2分する基礎梁を入れると、基礎梁の設計が難しい場合がある。
そんな時は、ベタ基礎を採用せず、布基礎にするのである。

 単なる慣れの問題と思うが、木造住宅の設計者は、ベタ基礎しか設計できない人、布基礎だけしか設計できない人がいる。
工場や倉庫を考えてみよう。ベタ基礎で設計することはないだろう。

 ベタ基礎の設計に慣れている人は、布基礎の設計を避ける傾向にあるようだ。布基礎をベタ基礎より劣ると思っているような気がする。
地盤改良が必要な場合に、小口径鋼管杭を採用することがあるが、そんな時は布基礎が経済的である。
荷重を拾い出すと理解しやすいと思う。

posted by TASS設計室 at 09:48| 木造住宅

2014年05月16日

設計のできる施工会社を選ぶ

 実施設計が苦手な意匠設計者は、設計のできる施工会社を選ぶと平和が訪れる。
施主の要望を伝達して、意に沿った設計を提案してもらい、同時に見積りの調整も行ってもらうのである。
施工会社に図面を作成してもらうこともあるに違いない。
『施工図を施工会社に描かせて、自分は設計者としてチェックした』と言えば、施主に対する面目は保てるだろう。

 意匠設計者は間取りを決め、キッチンやユニットバスの型番を決め、内外装の色を決めることに専念するだけで良い。
詳細設計や構造図の作成は業者に任せることである。
構造設計事務所に頼むと、設計料の中から、それなりの費用を出さなくてはならないが、施工業者に頼むと、その費用は経費に含まれるのである。

posted by TASS設計室 at 19:49| 木造住宅

2014年05月07日

カタログをまとめて請求

カタログをまとめて請求
http://suumo.jp/chumon/lp/hm2/index.html?vos=ek11opadpcr00n140325049957

ハウスメーカーは打率3割程度らしい。

posted by TASS設計室 at 20:49| 木造住宅

2014年05月01日

腕の良い職人には知恵がある

 予算調整に難航している建物がある。
業者を選定する際には、職人の腕に着目する。
安い所を探すのではなく、腕の良い所を探すのである。
腕の良い職人には知恵があり、難しい仕事も簡単に済ませてしまうことがある。

 施工会社と打合せを行う場合、担当者の技術レベルを見極めると良い。
右から左の仕事しかできない人は、数分間話しただけで分かるものである。

posted by TASS設計室 at 07:30| 木造住宅

2014年04月29日

これからは基礎と鉄筋

 木造住宅の基礎工事を行っている会社は、鉄筋工事のスキルを高めると発展すると思う。
ハウスメーカーの下請けで、メタルフォームを使った住宅の基礎だけを施工していたのでは、技術的に面白くないのではないだろうか。
徹底的に鉄筋に関する知識を詰め込み、作業訓練を行うことを勧める。

 躯体工事を専門に行っている会社の中には、土木出身の人も多く、鉄筋やコンクリート、地盤に関する豊富な知識を持つ人も少なくない。
擁壁・地下車庫・地下室・特殊な基礎を専門に設計施工で行っている会社もある。

 木造住宅の設計者は躯体の設計に弱いので、躯体の設計施工のできる協力会社がパートナーとして必要である。小規模な土木のコンサルタント会社は擁壁・地下車庫・地下室・特殊な基礎の設計も行っている。

 これからは鉄筋に注目すると良いだろう。
ゼネコンでも、鉄筋工事の管理ができる現場監督は少ないものである。

posted by TASS設計室 at 20:19| 木造住宅

2014年04月27日

家づくりで重視したいポイント

あるハウスメーカーのHP に、家づくりで重視したいポイントが載っていた。
(A)外観デザイン
(B)間取り
(C)インテリア
(D)エクステリア
(E)建物の構造
(F)充実した設備
(G)日照・通風等の環境
(H)建設会社・担当者の信頼性
(I)家相
(J)価格

(A)〜(G)を一言で言えば設計である。

設計スケジュールや工事工程も重視したいポイントに含め、(K)工程 も入れたほうが良いと思う。

この中の(H)の表現方法がハウスメーカー特有に思える。
信頼性の低い営業担当者が多いことが世間に知れ渡っているので、このような記述になったのかもしれない。
時には設計者や構造設計者を営業の最前線に引張り出すことも必要ではないだろうか。

posted by TASS設計室 at 17:40| 木造住宅

2014年04月26日

4号建築の基礎の略算

 4号建築の基礎の略算を行った。
上部建物の総重量は、ベタ基礎の建物を 20kN/m2 として計算した。
 その際、電卓代わりに使うのが、東京デンコーのRC二次部材の計算ソフトである。
スラブの計算では、様々な支持条件に対応していることが有難い。
梁の計算では、複数の荷重条件に対して計算できるので、荷重を拾い出す手間が省ける。
計算結果がコンパクトにまとまっている。(製品リスト参照)
http://www.denco.co.jp/
 電卓やエクセルも使うが、スマートフォンにプリンターを接続すると、このような計算に便利かもしれない。木造住宅の設計に、スマートフォンを利用することを考えたらどうだろう。
http://www.star-m.jp/products/s_print/sp09.html

 略算とはいえ、上部の木造を詳細に荷重を拾い出せば、もう少し経済的な設計が可能になる。
その値をを基にし、固定荷重を加減して高基礎の計算を行う。
計算は簡単にできるが、図面を描き始めると気になるところが出てくる。
地盤改良的な杭を用いるが、杭の業者が計画してきた 96本を 73本 に減らすことができた。

 壁式構造の構造計算プログラム(HOUSE-WLおよび壁麻呂)を使って基礎の構造計算を行った。
手計算による結果とほぼ同様の結果になった。
傾斜地の基礎の場合は、節点を移動して基礎の深さを変えることができる。
当然のことだが、一貫計算なので、地震時の応力も計算できる。

 骨組み応力解析の場合は、FAP-3 と MED-3 で計算する。
BUS基礎を併用することで、杭基礎の計算も可能である。
手計算を含め、同じ形状の構造を異なる方法で計算してみると、プログラムの特徴がつかめるが、同じ結果になることは求めない。
電卓をたたいて検証できるなら、多少の誤差は気にしないことにする。

 木造の簡易計算プログラムを基本にした基礎の簡易計算プログラムを計画している組織があるが、完成したかどうか分からない。
機能的には、許容応力度計算未満、スパン表以上というところだろう。

posted by TASS設計室 at 19:35| 木造住宅

2014年04月25日

見積りも技術のうち

 見積りもを行うにも技術が必要である。
何の工夫もなく、言われたままに見積もっていたのでは、無駄をそぎ落とすことができない。
安くやるのではなく、効率よく作業するのである。

posted by TASS設計室 at 10:07| 木造住宅

2014年04月24日

地盤を平らにしてから設計する

 木造住宅の設計者は、地盤を平らにしてから設計することに慣れすぎている。
宅地造成を行ってから家を建てると、建物の設計は楽にできる。
しかし、地形を生かした設計はできないのだろうか。

posted by TASS設計室 at 20:17| 木造住宅