木造の「制振装置」の業界も実は、“闇”がある
こんなメールニュースが届いた。
制振装置はしっかりしていたとしても、それが接続されている部位は脆弱だったりしませんか?
そもそも剛性の低い木造住宅に制振装置を付けても、気休めでしかないことは感覚的に分かる。
2〜3%は効果があるという解析結果もあるが、その程度では実感として分からない。
2022年07月05日
「制振装置」の“闇”
posted by TASS設計室 at 23:43| 木造住宅
2022年06月28日
必要壁量を増やす見直し
・延べ面積300m2超の木造建築物に構造設計を義務化
・平屋建て、床面積200m2以下は建築確認の構造審査を省略《こんな計画は滅多にない》
・2階建ての木造戸建て住宅は構造審査が必要
原則は許容応力度計算を行うことだ。
そんなこともできないなら、一級建築士は『構造設計を除く』という限定免許にしたほうがよい。
壁量計算すら満足にできない建築士も少なくない。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02102/062200003/?fbclid=IwAR15oet6kDtvEoM1rNb2eqxawJuh76enbjVrHyWyU6GbdhdeXay5urLjv3I
・平屋建て、床面積200m2以下は建築確認の構造審査を省略《こんな計画は滅多にない》
・2階建ての木造戸建て住宅は構造審査が必要
原則は許容応力度計算を行うことだ。
そんなこともできないなら、一級建築士は『構造設計を除く』という限定免許にしたほうがよい。
壁量計算すら満足にできない建築士も少なくない。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02102/062200003/?fbclid=IwAR15oet6kDtvEoM1rNb2eqxawJuh76enbjVrHyWyU6GbdhdeXay5urLjv3I
posted by TASS設計室 at 11:55| 木造住宅
2022年06月26日
構造計画に関する相談
木造専業の設計者は、構造設計に関して相談する相手がいない。
プレカット業者やコンポーネント会社に問合わせる人が多いと聞く。
難しい計画は相談しても満足な答えが得られない。kizukuri あるいは kizukuri-2x4 のオペレーションで仕事をしている人が大半だからである。
木造3階建てなら、そのくらいのところに依頼するほうがよいだろう。
混構造や木造4階以上になると、極端に構造設計者が少なくなる。その理由は、構造設計者は木造住宅の設計を積極的に引き受けないからである。
その理由の1つは、木造専業の意匠設計者の技量の低さにある。断面図もロクに描けない意匠設計者も少なくない。平たい土地に建てるなら、断面図がなくても分かるが、敷地に高低差がある場合は、立体的に考え、それを図面化する必要がある。
総じて座標の概念が希薄で立体表現が下手である。立体幾何が苦手だったのだろう。
基本計画では、幾何学的直観力が試される。
客と一緒になってお絵描きしている設計者も少なくない。1階に大きなリビングがほしいと言って、柱のない大空間をつくり、無意識でその上に2階や屋根の荷重が集中する計画をする。それで梁成を小さくしたいと言う。
相談の相手をしていると、意匠設計者の技量が分かる。
プレカット業者やコンポーネント会社に問合わせる人が多いと聞く。
難しい計画は相談しても満足な答えが得られない。kizukuri あるいは kizukuri-2x4 のオペレーションで仕事をしている人が大半だからである。
木造3階建てなら、そのくらいのところに依頼するほうがよいだろう。
混構造や木造4階以上になると、極端に構造設計者が少なくなる。その理由は、構造設計者は木造住宅の設計を積極的に引き受けないからである。
その理由の1つは、木造専業の意匠設計者の技量の低さにある。断面図もロクに描けない意匠設計者も少なくない。平たい土地に建てるなら、断面図がなくても分かるが、敷地に高低差がある場合は、立体的に考え、それを図面化する必要がある。
総じて座標の概念が希薄で立体表現が下手である。立体幾何が苦手だったのだろう。
基本計画では、幾何学的直観力が試される。
客と一緒になってお絵描きしている設計者も少なくない。1階に大きなリビングがほしいと言って、柱のない大空間をつくり、無意識でその上に2階や屋根の荷重が集中する計画をする。それで梁成を小さくしたいと言う。
相談の相手をしていると、意匠設計者の技量が分かる。
posted by TASS設計室 at 13:27| 木造住宅
まだ2x4工法の設計が苦手な人がいる
意匠設計者の中には、まだ2x4工法の設計が苦手な人がいる。
木造住宅と言っても、斜面に建てたり、地下室を設けることもあるので、混構造に慣れると守備範囲が広がる。
@RC造・WRC造・S造
A軸組工法・2x4工法
の組合せしかないが、S造と組合わせることは希なので、4通りしかない。
お勧めは WRC造と2x4工法の組合せで、どちらも壁構造で理にかなっている。
東京デンコーの「2x4壁式」で計算することで一発で計算できる。
木造住宅と言っても、斜面に建てたり、地下室を設けることもあるので、混構造に慣れると守備範囲が広がる。
@RC造・WRC造・S造
A軸組工法・2x4工法
の組合せしかないが、S造と組合わせることは希なので、4通りしかない。
お勧めは WRC造と2x4工法の組合せで、どちらも壁構造で理にかなっている。
東京デンコーの「2x4壁式」で計算することで一発で計算できる。
posted by TASS設計室 at 10:24| 木造住宅
2022年06月14日
4号特例を廃止するなら、今でしょ
4号特例を廃止するなら、今でしょ
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00176/?fbclid=IwAR0WCZsfPdtLFgxNuyJ-aoNBRXsCJBvCiMqTupC7BXOU1GELhaMK_ZhpI7w
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00176/?fbclid=IwAR0WCZsfPdtLFgxNuyJ-aoNBRXsCJBvCiMqTupC7BXOU1GELhaMK_ZhpI7w
posted by TASS設計室 at 12:10| 木造住宅
2022年06月07日
2022年06月04日
木造の設計者に両刀使いが少ないのは何故だろう
木造の設計者は「軸組工法」と「2x4工法」に分かれ、両刀使いが少ないのは何故だろう。
「軸組工法」は「軽量鉄骨ブレース構造」、「2x4工法」は「壁式鉄筋コンクリート造」のようなものだから、構造設計者なら、どちらも応用問題だ。基礎は「鉄筋コンクリート造」である。
「軸組工法」から始めた人は「2x4工法」、「2x4工法」から始めた人は「軸組工法」の設計を行うことだが、意匠設計者も2分されていることは意味が分からない。「軸組工法」の設計者は「2x4工法」が分からないという。どうせ構造はプレカット屋に丸投げで、基礎の設計はやっていないではないか。
4号建築で壁量計算を行うだけなので、両者に大した違いはない。
だから、両刀使いは難しいものではないことが分かる。
「軸組工法」は「軽量鉄骨ブレース構造」、「2x4工法」は「壁式鉄筋コンクリート造」のようなものだから、構造設計者なら、どちらも応用問題だ。基礎は「鉄筋コンクリート造」である。
「軸組工法」から始めた人は「2x4工法」、「2x4工法」から始めた人は「軸組工法」の設計を行うことだが、意匠設計者も2分されていることは意味が分からない。「軸組工法」の設計者は「2x4工法」が分からないという。どうせ構造はプレカット屋に丸投げで、基礎の設計はやっていないではないか。
4号建築で壁量計算を行うだけなので、両者に大した違いはない。
だから、両刀使いは難しいものではないことが分かる。
posted by TASS設計室 at 21:30| 木造住宅
2022年05月25日
リフォームの構造計画
リフォームの構造計画の相談を受けるが、勘違いしている意匠設計者が少なくない。
僕は勧めないが、1階の柱を抜いてリビングルームを広くしたいと言う計画が多い。
既存の梁の下に梁を加えれば梁成が大きくなると思っているようだ。梁成150の梁の下に梁成150の梁を追加したところで梁成300の梁にはならない。
この程度の理解で客と打合せを行っている意匠設計者がいることが分かった。このようなリフォームこそ、構造設計者が出て行く必要がある。スパンの大きな梁を金物で受けることはやめたほうがよい。半柱でも良いから既存の柱に沿わせ、支点の反力に耐える部材で受けることだ。木造の現場は、大工の棟梁と話しをするほうが間違いがない。
僕は勧めないが、1階の柱を抜いてリビングルームを広くしたいと言う計画が多い。
既存の梁の下に梁を加えれば梁成が大きくなると思っているようだ。梁成150の梁の下に梁成150の梁を追加したところで梁成300の梁にはならない。
この程度の理解で客と打合せを行っている意匠設計者がいることが分かった。このようなリフォームこそ、構造設計者が出て行く必要がある。スパンの大きな梁を金物で受けることはやめたほうがよい。半柱でも良いから既存の柱に沿わせ、支点の反力に耐える部材で受けることだ。木造の現場は、大工の棟梁と話しをするほうが間違いがない。
posted by TASS設計室 at 04:57| 木造住宅
2022年04月11日
2020年02月26日
木造軸組工法の屋根・床に枠組壁工法構造用製材を用いるための評定を取得
木造軸組工法の屋根・床に枠組壁工法構造用製材を用いるための評定を取得
2014年の記事だが、今まで気づかなかった。
と言うことだが、軸組工法も枠組壁工法も、どちらも木造なのだから、好きに組み合わせたら良いのではないだろうか。
https://www.cofi.or.jp/news/%E6%9C%A8%E9%80%A0%E8%BB%B8%E7%B5%84%E5%B7%A5%E6%B3%95%E3%81%AE%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%83%BB%E5%BA%8A%E3%81%AB%E6%9E%A0%E7%B5%84%E5%A3%81%E5%B7%A5%E6%B3%95%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%94%A8%E8%A3%BD%E6%9D%90%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E8%A9%95%E5%AE%9A%E3%82%92%E5%8F%96%E5%BE%97
2014年の記事だが、今まで気づかなかった。
と言うことだが、軸組工法も枠組壁工法も、どちらも木造なのだから、好きに組み合わせたら良いのではないだろうか。
https://www.cofi.or.jp/news/%E6%9C%A8%E9%80%A0%E8%BB%B8%E7%B5%84%E5%B7%A5%E6%B3%95%E3%81%AE%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%83%BB%E5%BA%8A%E3%81%AB%E6%9E%A0%E7%B5%84%E5%A3%81%E5%B7%A5%E6%B3%95%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%94%A8%E8%A3%BD%E6%9D%90%E3%82%92%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E8%A9%95%E5%AE%9A%E3%82%92%E5%8F%96%E5%BE%97
posted by TASS設計室 at 11:43| 木造住宅
2019年06月18日
N値計算
https://jutaku.homeskun.com/assets/media/contents/yokuwakaru/nchi.pdf
今までN値計算というものを実務で使っていなかったが、エクセルのシートを作って計算してみた。
柱の左右の耐力壁の倍率の差に着目して計算する。
いくつかのフリーソフトを使ってみたが、自分で作った計算シートのほうが、数値を追えるので安心だった。
今までN値計算というものを実務で使っていなかったが、エクセルのシートを作って計算してみた。
柱の左右の耐力壁の倍率の差に着目して計算する。
いくつかのフリーソフトを使ってみたが、自分で作った計算シートのほうが、数値を追えるので安心だった。
posted by TASS設計室 at 08:52| 木造住宅
2018年03月02日
木造建築用の金物
日付が変わったので昨日ということになるが、大阪から金物メーカーの営業担当が来られた。
以前にも会っているが記憶になかった。共通の知人が何人もいることが分かった。
なるべく金物を使わない設計が、無理のない良い設計だと思うが、金物をうまく使うことも設計のうちである。
計算書のアウトプットを渡すから、それで金物の選定を行い、構造図に記載してくれないかとお願いした。
積算や発注にも使える。
横着しているようだが、実際に横着しているが、そのほうが間違いが少なく、無駄な発注や、発注ミスも防ぐことができると思う。金物に合わせて、アンカーボルトの位置も決めてもらえたら申し分ない。
上記のことは、今までの金物の話しだが、新たなアイディアも考えている。
目的は構造躯体の施工の効率化である。大きな耐力の金物を使わないことが、良い構造計画であることに変わりはない。金物メーカーに金物を少なくするような提案をしてしまうことになってしまう。
以前にも会っているが記憶になかった。共通の知人が何人もいることが分かった。
なるべく金物を使わない設計が、無理のない良い設計だと思うが、金物をうまく使うことも設計のうちである。
計算書のアウトプットを渡すから、それで金物の選定を行い、構造図に記載してくれないかとお願いした。
積算や発注にも使える。
横着しているようだが、実際に横着しているが、そのほうが間違いが少なく、無駄な発注や、発注ミスも防ぐことができると思う。金物に合わせて、アンカーボルトの位置も決めてもらえたら申し分ない。
上記のことは、今までの金物の話しだが、新たなアイディアも考えている。
目的は構造躯体の施工の効率化である。大きな耐力の金物を使わないことが、良い構造計画であることに変わりはない。金物メーカーに金物を少なくするような提案をしてしまうことになってしまう。
posted by TASS設計室 at 01:11| 木造住宅
2018年03月01日
アパートから福祉系建物へ
アパートから福祉系建物に移行している。
木造の場合、準耐火構造で建設可能な規模が経済的だ。
木造でも耐火構造の建築が可能だが、準耐火構造で建築可能な方法を考える。
木造は準耐火構造に限る。コストを比較すると一目瞭然、経済効果を考えよう。
木造の場合、準耐火構造で建設可能な規模が経済的だ。
木造でも耐火構造の建築が可能だが、準耐火構造で建築可能な方法を考える。
木造は準耐火構造に限る。コストを比較すると一目瞭然、経済効果を考えよう。
posted by TASS設計室 at 22:20| 木造住宅
2018年02月04日
木造2階建ての壁量計算
木造2階建ての壁量計算で、2階の床面積が大きくても小さくても、1階の床面積に係数を乗ずるので地震時の1階の必要壁量は変わらない。2階の床面積を考慮して1階の必要壁量を決めても良いのではないだろうか。
壁量計算は、許容応力度計算の結果と比較すると、必要壁量が少ないので、壁量を求める際の係数を改めたほうが良いのではないだろうか。
そうすると、今までの建物が、既存不適格になると騒ぐ人たちがいる。
壁量計算は、許容応力度計算の結果と比較すると、必要壁量が少ないので、壁量を求める際の係数を改めたほうが良いのではないだろうか。
そうすると、今までの建物が、既存不適格になると騒ぐ人たちがいる。
posted by TASS設計室 at 19:25| 木造住宅
2017年11月20日
2016年01月22日
2015年12月12日
原理原則を学ぶ
普段は非木造の設計を行っている人でも、木造の設計を行うことがある。一方では、木造専業の設計者も、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を設計することがある。
基本設計は意匠設計者が行うので、構造の考え方を学ばないと、基本設計ができない。例えば、どのような計画でも、基礎はベタ基礎しか思い浮かばないようでは、設計者として不勉強としか言いようがない。
基本は、原理原則を学ぶことであり、原理原則が理解できれば、何にでも応用できるようになる。
地盤調査計画に関しても、スウェーデン式サウンディングだけではなく、標準貫入試験や平板載荷試験も視野に入れて予算を確保するくらいの知識はほしいものである。施主と接する時間が最も長く、建築計画の全てに着いて窓口になっているのが意匠設計者である。
構造設計者は構造だけ設計していても良いが、意匠設計者は広範な知識が要求されているのである。
週末は本屋に行こう。
基本設計は意匠設計者が行うので、構造の考え方を学ばないと、基本設計ができない。例えば、どのような計画でも、基礎はベタ基礎しか思い浮かばないようでは、設計者として不勉強としか言いようがない。
基本は、原理原則を学ぶことであり、原理原則が理解できれば、何にでも応用できるようになる。
地盤調査計画に関しても、スウェーデン式サウンディングだけではなく、標準貫入試験や平板載荷試験も視野に入れて予算を確保するくらいの知識はほしいものである。施主と接する時間が最も長く、建築計画の全てに着いて窓口になっているのが意匠設計者である。
構造設計者は構造だけ設計していても良いが、意匠設計者は広範な知識が要求されているのである。
週末は本屋に行こう。
posted by TASS設計室 at 10:47| 木造住宅
2015年11月29日
認定工法 2階建て 500u以下
木造や軽量鉄骨造の認定工法では、500u以下という認定条件が付いている建物がある。
その建物に増築するという相談が入ったが、建物単体で 500uなら良いと解釈する人もいるが、行政と相談するよう回答した。
構造的に分離し、500u以下を3つ並べると、1500uの建物になる。これを許すと、1棟の建物としての規模の制限が無いに等しくなる。エキスパンションで切っても、建物をつなげれば1棟の建物である。
エキスパンションで切ってあっても、増築後の面積が 500u以下なら、認定条件に合っているとみなしても良いのではないか。
その建物に増築するという相談が入ったが、建物単体で 500uなら良いと解釈する人もいるが、行政と相談するよう回答した。
構造的に分離し、500u以下を3つ並べると、1500uの建物になる。これを許すと、1棟の建物としての規模の制限が無いに等しくなる。エキスパンションで切っても、建物をつなげれば1棟の建物である。
エキスパンションで切ってあっても、増築後の面積が 500u以下なら、認定条件に合っているとみなしても良いのではないか。
posted by TASS設計室 at 20:06| 木造住宅
2015年05月23日
普通の仕事
仕事の受注が芳しくない設計事務所がある。
特殊な設計を行うことができる意匠設計者だが、そのような特殊な建物の需要が少なく、仕事量が極端に少ない個人事務所である。
得意分野で仕事を受注したいことは分かるが、普通の仕事を行うようにすると、事務所経営が安定する。
大手の会社で分業化された仕事の一部を長年にわたって行ってきた人ゆえ、1人で基本設計から確認申請、設計監理まで行うことに慣れていない。
今までの人脈を頼って、普通の仕事を受注することに専念することを勧めた。
何が最適か、一晩考えた結果、その人は就職するか、下請けの仕事を行うほうが良いという結論に至った。
しかし、就職できれば良いが、私が採用する立場なら採用しない。
下請けとして仕事を発注できるかと言えば、指導やチェックに手間がかかり、スケジュールに関する信頼性が低いので、よほど時間に余裕のある仕事でしか依頼できない。
残念だが、救うことができそうもない。
特殊な設計を行うことができる意匠設計者だが、そのような特殊な建物の需要が少なく、仕事量が極端に少ない個人事務所である。
得意分野で仕事を受注したいことは分かるが、普通の仕事を行うようにすると、事務所経営が安定する。
大手の会社で分業化された仕事の一部を長年にわたって行ってきた人ゆえ、1人で基本設計から確認申請、設計監理まで行うことに慣れていない。
今までの人脈を頼って、普通の仕事を受注することに専念することを勧めた。
何が最適か、一晩考えた結果、その人は就職するか、下請けの仕事を行うほうが良いという結論に至った。
しかし、就職できれば良いが、私が採用する立場なら採用しない。
下請けとして仕事を発注できるかと言えば、指導やチェックに手間がかかり、スケジュールに関する信頼性が低いので、よほど時間に余裕のある仕事でしか依頼できない。
残念だが、救うことができそうもない。
posted by TASS設計室 at 15:48| 木造住宅
2015年04月13日
隣地の地盤の高さの誤り
隣地の地盤の高さに誤りがあるため、検査済証が得られない建物があり、対応策の相談を受けた。
状況を聞くと、確認時に隣地の地盤の高さが、設計GLよりも低いことを意識していなかったようである。
しかも、段差部は高さ1.5m程度のコンクリートブロックの擁壁である。
現場を見ずに設計すると、こんなことになる。
木造住宅、特に木造の4号建築の住宅のみを設計している人の中には、断面図の描き方に慣れていない人も少なくない。既存不適格の擁壁があると、基礎の設計が難しくなるので、敷地に高低差がないものとしてしまったのかもしれない。
そうなると建築士法違反で、処分の対象となる。
敷地境界に関しては、建築設計の場合は実測主義なので、施主から説明を受け、提出された測量図を元に設計することは差し支えない。しかし、敷地の安全性を見極めることは設計業務に含まれる。
このような場合、いまさら深基礎にすることができないので、建物が既存擁壁に及ぼす土圧を求め、擁壁の安全性を確認するという方法をとるしかない。
擁壁の背面の土のサンプルを採取して物理試験を行い、内部摩擦角を求める。フリューリッヒの公式を使うと、地表面載荷の計算を正確に求めることができる。
こんな要領で検討するが、これで安全性が確認できるとは限らない。
次の一手は、コンクリートブロックの擁壁の頭を建物で引張ることである。犬走りの部分に配筋し、建物の基礎と接続するのである。その際、あと施工アンカーを使うが、引抜力を期待せず、せん断力で応力を伝達できるディテールとする。
状況を聞くと、確認時に隣地の地盤の高さが、設計GLよりも低いことを意識していなかったようである。
しかも、段差部は高さ1.5m程度のコンクリートブロックの擁壁である。
現場を見ずに設計すると、こんなことになる。
木造住宅、特に木造の4号建築の住宅のみを設計している人の中には、断面図の描き方に慣れていない人も少なくない。既存不適格の擁壁があると、基礎の設計が難しくなるので、敷地に高低差がないものとしてしまったのかもしれない。
そうなると建築士法違反で、処分の対象となる。
敷地境界に関しては、建築設計の場合は実測主義なので、施主から説明を受け、提出された測量図を元に設計することは差し支えない。しかし、敷地の安全性を見極めることは設計業務に含まれる。
このような場合、いまさら深基礎にすることができないので、建物が既存擁壁に及ぼす土圧を求め、擁壁の安全性を確認するという方法をとるしかない。
擁壁の背面の土のサンプルを採取して物理試験を行い、内部摩擦角を求める。フリューリッヒの公式を使うと、地表面載荷の計算を正確に求めることができる。
こんな要領で検討するが、これで安全性が確認できるとは限らない。
次の一手は、コンクリートブロックの擁壁の頭を建物で引張ることである。犬走りの部分に配筋し、建物の基礎と接続するのである。その際、あと施工アンカーを使うが、引抜力を期待せず、せん断力で応力を伝達できるディテールとする。
posted by TASS設計室 at 22:35| 木造住宅