2023年09月12日

建築の一部を除外する

建物に付属する風圧を受ける壁がある。建築から除外すれば基礎が簡単になるかという質問を受けた。
建築から除外しても風圧が小さくなり、基礎に作用する力が少なくなるものではない。建築から除外して適当に作ると、台風の時に心配することになる。
コストで考えるのではなく、力学で考えることができたらよい。
posted by TASS設計室 at 21:35| 木造住宅

2023年09月02日

商品企画的モデルハウスの設計

商品企画的モデルハウスは、現実とは異なる建物である。
3階建てでも軒高9mを超えるが、法改正を先取りした設計と考えれば、今後はこのような建物が増えることが予想できる。構造計算ルートは、ルート2あるいはルート3になる。
無理にルート2で計算するより、意匠設計の自由度の高いルート3を選択する。
posted by TASS設計室 at 01:21| 木造住宅

2023年08月16日

景観重要建造物

景観重要建造物を維持管理することは難しい。プロが見て納得できるものにしないと価値が下がる。壊して何かを建てるより、100年前の状態で保存し、郷土資料館として一般に公開するほうが適切だが、見に来る人がいるだろうか。100年前の立派な住宅は、地方に行けばいくらでもあり、更に100年は使うことができそうだ。過酷な条件で使用されている原発は60年を超えて使おうとしている。古民家は雨漏りすることはあっても、爆発しない。

建物を利用するにしてもレベルの高い内外装に復元する必要がある。しかし、それほど立派ではなく、豪邸とは程遠い建物である。
公共の建物なので、採算度外視で保存することになるだろう。この建物に思い入れのある人にとっては重要だが、建物を解体したら4.3haの雑木林が残るだけである。考えているだけで時間が過ぎる。

行政は安易にボランティアを募るが、そんな方法は僕は好まない。しっかり予算を付けてから動くべきである。そのためには計画を行い、議会を通すことになる。整備するには少なくとも数億の費用がかかる。

僕が耐震診断を行った大磯の洋館は、当初はベントマリーノというイタリアンレストランだったが、所有する会社が倒産し、その後は見ていない。新潟県佐渡の旅館は観光案内所として使われているらしい。代々木上原の洋館は、個人の住宅として使われている。
posted by TASS設計室 at 03:50| 木造住宅

2023年08月09日

4号建築の申請

4号建築の申請で、次の資料を理解していない。
@地盤調査報告書(SS)
➁プレカット図(使い物にならない)
➂壁量計算(プレカット業者が作成してくる、パーティクルボードを使いたがる)
CN値計算(プレカット業者が作成してくる、簡易な金物を選んでくる)
D基礎図(フックなしが多い)
審査機関の担当者から質問されたら、名前を聞いてもらい、こちらから話しをする。
4号建築の確認申請にすら対応できない意匠設計者がいる。
posted by TASS設計室 at 20:00| 木造住宅

2023年07月27日

木造の耐震補強は新築として許容応力度計算を行う

木造の耐震補強は新築として許容応力度計算を行うほうがよい場合がある。
耐震診断では計算しない柱・梁や二次部材は、必要に応じて計算する。
RC/SRC/S造の耐震診断プログラムは、許容応力度計算や保有水平耐力計算プログラムとデータを共有し、互いに行ったり来たりすることができるが、木造のプログラムには、そのようなものがない。
posted by TASS設計室 at 12:13| 木造住宅

2023年07月07日

既存不適格擁壁の底盤上の建物

既存不適格擁壁の底盤上に木造2階建ての建物の基礎がかぶる。約2mかぶるが、そんな時、その2mを片持ちの基礎にする人がいるが、そんなものはナンセンスである。片持ちの基礎の根元の反力を考えれば、そんな設計はやりたくない。
しかも、当然その擁壁のタテ壁も既存不適格なので、建物の基礎を深基礎として安息角の中に入れなくてはならない。深基礎にするには、約2.5mの掘削が必要になる。擁壁の埋め戻しは、地盤改良されていた。
そこで、建物の基礎下、擁壁の底盤上に鋼管杭を打ち、安息角から突出した基礎の安全を確保する。
鋼管杭は30kN程度の軸力を受けるが、その程度の軸力を受けて擁壁の底盤が突き抜けることはないが、図面も検査済証のないので証明しなければならない。平板載荷試験の機材を利用して杭の載荷試験を行う。
4mの擁壁なので、それなりの厚さの底盤の厚さで、その程度のパンチングシアに耐えることは明らかだが、試験をしなければ証明できない。2.5mも掘って、深基礎を施工するより、底盤の上に鋼管杭を打つほうが工事は楽になる。
擁壁の底盤の下の地耐力に関しては、底盤の近傍でスウェーデン式サウンディングを行い、Nswは確認した。
擁壁のタテ壁直下の接地圧は平均接地圧の2倍くらいになるが、崩れても構わない擁壁なので、そのことには言及しない。平均接地圧を満たしていればよい。そのために安息角の中に基礎を入れるか杭を打つのである。
安易に片持ち式の基礎にすることを見直すとよい。基礎梁に並外れた鉄筋を入れた設計を見たことがある。支点反力を考えていないようだったが、突っ込んだ質問はせず、放っておいた。どうせ地盤に載っているのだから、片持ちの基礎なんか役に立たない。


posted by TASS設計室 at 22:27| 木造住宅

2023年07月06日

4号特例縮小

4号特例縮小というよりも事実上廃止
https://tsdesign.co.jp/article/55.html
posted by TASS設計室 at 08:38| 木造住宅

2023年06月24日

既存不適格の擁壁の底盤の上に建てる

配筋を調べることが不可能な既存不適格擁壁の底盤の上に建物が載る。
こんなことは良くあることだが、底盤の上にかかる建物の基礎を跳ね出しにしているものを見かける。
そんなことをやるよりも、底盤の上に載せてしまうほうが安全である。既存擁壁の底盤は、無筋コンクリートの地下埋設物とみなせば済む。その下の地盤を考慮し、地耐力を推定することはできる。
擁壁の竪壁の配筋が分からないので、建物の基礎は安息角の中に入るようにする。安息角に入っていれば、竪壁が崩壊しても建物は残るというストーリーが成り立つ。
posted by TASS設計室 at 10:03| 木造住宅

2023年05月18日

神社仏閣

うちの近所にいた宮大工の棟梁からもらった図面のデータが出てきた。皆さん良くご存知の建物が3つである。
改修工事の基礎構造のことで相談を受けた際の図面だが、僕にとっては日常の仕事とかけ離れている。こんな高級な設計は縁がない。
しかし、寺や神社の建物は、鉄骨の骨組を使うことが多くなったと棟梁は言っていた。
仕上げて木造に見えればよいと思う。その方法に僕は賛成する。
寺に付属する納骨堂を設計した時は、壁式鉄筋コンクリート造にした。ほとんど開口部のない、倉のような建物である。
posted by TASS設計室 at 16:19| 木造住宅

2023年04月20日

混構造の下部構造

木造専業の建設会社あるいは設計事務所は、混構造の下部構造は躯体専門の会社に依頼すれば良いと考えている。企画段階で概算の予算を見極めずにスタートしている。
下部構造が出来てしまえば木造は得意だろうが、全体を調整することができる現場監督がいない。このような計画に対応可能な建設会社は少ない。
着工できずに止まっている現場があり、時々様子を聞くが、先に進む気配がない。他の構造設計者から引き継いで確認を下ろすまで手伝った。引き継ぐ際、意匠設計を含む計画の見直しを提案したが、元の設計のまま構造設計をまとめることになった。
元請けの住宅施工会社は、安い業者を探しまわっていることだろう。仮設工事のことを考えることができる人が見れば、安易に引き受ける業者はいないだろう。
次の段階は、
@現在の計画のまま施工する
A工事を中止し、白紙に戻す
B全面的な設計の見直しを行う
C施主が離れる
宅地造成を避けるため、地下室で斜面の土圧を受ける計画は、斜面地の建物の計画の考え方の1つである。
この仕事で儲けたのは、二束三文の斜面地を高値で売った不動産屋だろう。

posted by TASS設計室 at 15:50| 木造住宅

2023年03月23日

外構の高さ調整

外構の高さ調整で苦労している現場がある。
道路に勾配があるので、建物と道路の高さ関係に「ひねり」が出てくる。
そんな時は、現場で糸を張って決めれば済むことではないだろうか。自走式駐車場の車路の回転部分で、仕上げ高さを決めた時は、その下にRCのスラブがあるので、スラブ底を決める必要があるが、外構は土間だから好きなように決めることができる。
posted by TASS設計室 at 08:30| 木造住宅

2023年03月08日

棚に腰掛ける

僕はたまに意匠設計を行うが、完了検査が済んだばかりの住宅の居間のテレビの棚が心配である。
内装については工務店の一級建築士がお客さんと打ち合わせて決めているが、テレビの前の棚には側板がなく、壁からの持ち出しになっている。スラブでいうと2辺固定の状態である。テレビは壁に取付けている。
その棚は、椅子の高さくらいで、腰掛けられてしまう可能性がある。
見えにくいところに柱を立てることを提案したが却下された。そのうち、棚が下がったと言ってくると予測している。実感しないと分からないだろう。
施主本人は座らないかもしれないが、客が来て歩き回り、座る可能性がある。
posted by TASS設計室 at 11:47| 木造住宅

意匠設計は落語の世界

いろんな人から何度も質問されたが、棚やカウンターなどを取付ける際に、L形の金物で取り付ければ良いかと聞かれる。そんな質問は1人や2人ではない。
そんな時、落語の一節の話しをする。
棚が落ちたと、苦情を言われた大工の返答である。『まさか、棚に物を載せたのではあるまいな』
posted by TASS設計室 at 10:59| 木造住宅

2023年03月06日

形が出来てこないとイメージできない人

形が出来てこないとイメージできない人がいる。
平面図と断面図・立面図で立体になるのだが、頭の中に立体を構築できないのか、自信がないのか、パースを要求してくる人がいる。住宅メーカーは、それを見越して、プレゼンテーションに手間をかけている。
そんな時は、アイソメを描いて示すほうが良い。アイソメがよいと思うのは、簡単に描けて、寸法関係を表現しやすいからである。数学の立体図形の問題のような図である。
平面図や断面図の横に加えることにする。
他人の頭の中は分からないが、立体幾何の問題と思っている。立体を頭に描いて、こねくりまわすのである。
posted by TASS設計室 at 08:33| 木造住宅

2023年03月05日

構造計算のできないプレカット屋

プレカット図のチェックを依頼されるが、構造計算のできないプレカット屋が多い。
材料の組み方を決め、スパン表で判断できる部材断面は記載してくる。もう少し突っ込んで、構造設計としてまとめたらよいのではないだろうか。
基礎の設計が宙に浮いた状態で、基礎屋に丸投げである。サウンディングの報告書は出てくるものの、地耐力と液状化の評価は誰も行っていない。お決まりの地盤改良に誘導される。
そのあたりの業務を一本化し、加工鉄筋の販売も含めると、意匠設計者の要望に応えることができる。架構鉄筋の端部は切りっぱなしで、L形の鉄筋を添えて接合する。添え筋で重ね接手である。
金物とアンカーボルトは、ホームセンターかモノタローで購入しているようだ。
@壁量計算、金物の計算
A基礎の設計
Bプレカット材料の販売
C加工鉄筋の販売
posted by TASS設計室 at 13:49| 木造住宅

2023年02月24日

代願事務所の限界

代願事務所には作図能力が低い人がいる。特にプレファブメーカーの代願を行っている人は、与えられた図面を審査機関に届けることが仕事で、右から左に連絡することが仕事のため、自分が設計者として動くと、何もできない。どこまで理解しているか、観察しながら対応する。
まぁ、そんなものかと思って対応する。ディテールは構造図で作成し、構造図で施工し、後は仕上工事で納める。鉄骨階段やRC階段の図面は、構造図で作成するものと思っている。
ビルものを設計している意匠設計者とは技量が相当異なることに驚く。

posted by TASS設計室 at 07:13| 木造住宅

2023年02月14日

躯体工事の丸投げの勧め

木造住宅の会社で、混構造の施工を行う場合、躯体工事は丸投げにするほうがよい。
大手ハウスメーカーも、そんな方法で施工しているから、混構造になると極端に工事費が高くなる。
施工管理ができる会社は自前で躯体工事ができるので、コスト的に競争力がある。
仮設、土工事、型枠、鉄筋、コンクリート打設、養生、までを躯体業者に任せるのである。
それらは木造2階建ての基礎にも共通する内容だが、レベルが違う。下請け業者と現場監督の腕の違いである。
posted by TASS設計室 at 08:46| 木造住宅

2023年01月21日

模型

木造住宅を設計する人は模型を製作することがある。施主に説明する最もよい方法だと思う。
平面図・断面図・立面図を見て立体が頭に浮かばない人に説明するには効果的なことは確かである。
コンペのプレゼンテーションでは動画を制作することがあるが、その効果は疑わしい。
立体的に理解できない人に、何を説明しても、その人の頭の中に立体が浮かばなくては、実感として理解されないだろう。建物が出来上がって初めて分かるのかもしれない。
理解させてもらうのではなく、理解するのである。
posted by TASS設計室 at 21:43| 木造住宅

2022年12月11日

住宅のデザインとは何ですか

住宅のデザインとは何ですか。
設計者はメーカーの製品の組合せに長けた人のことではないだろうか。とにかくメーカーの製品に詳しいことに感心する。
posted by TASS設計室 at 16:27| 木造住宅

2022年10月21日

プランチェックという愚行

木造住宅の業界では、プランチェックという愚行が行われている。
そんなもの、意匠設計者が行えばよいではないか。その程度の知識は身につけてもらいたい。
posted by TASS設計室 at 08:45| 木造住宅