2022年12月28日

1980年代の意匠設計者と現在の意匠設計者

1990年代前半までの意匠設計者と1990年代後半から現在の意匠設計者は技量が違う。
団塊の世代とゆとり世代の違いだろうか。僕は団塊の世代の後で、子供の頃から団塊の世代を見ていたし、中学や高校生の頃は、大学生の団塊の世代にくっついて遊んでおり、今でもその年齢差で仕事をしている。

1990年代前半までは、確認申請の代理者(意匠設計者)が構造の質疑の回答を持って行き、役所の担当に説明することができた。構造計算は出来ないまでも、内容を理解できた。少なくとも構造設計の概要が理解できていた。
ところが、適合性判定という制度が始まってから、状況が大きく変化した。構造に関して理解するどころか、全く触れなくなってしまった。だからますます構造から遠のく結果となる。
一級建築士の試験範囲を理解していれば、構造に関しては相当理解できるものだが、用語から忘れてしまっているようである。

判定員の試験も、新しい資格が出来たから取りに行こうというノリで試験を受けに行った。ちょうど僕は非常勤で構造設計の審査を行っていた時である。当たり前だが構造審査係りは1人を除いて一発で合格した。不思議なことにベテランが落ちた。国語の試験のようなものだから、論述が下手だったのだろう。
木造関係で知り合った人の中には5回連続で落ちた人が2人いる。その後、合格したということは聞かない。
posted by TASS設計室 at 12:09| 建築士

2022年12月23日

不安定構造に反応しない

不安定構造に反応しない設計者は危険な存在である。
危険な状態を危険と思わないことが不思議だ。
posted by TASS設計室 at 18:34| 建築士

2022年12月20日

施工が苦手

施工が苦手という意匠設計者を見かける。現場に行くことを避ける設計者も少なくない。僕もなるべく現場に行きたくないが、時間がかかるからである。
施工を理解していないと設計できないと思うのだが、逃げ回っているのは理解できないからだろう。
詳細図を作成することで、施工も理解できるようになる。
posted by TASS設計室 at 11:45| 建築士

2022年12月17日

実施設計を行うにはディテールを知る

実施設計を行うにはディテールを知ることである。
1/200なら許せるが、1/100のスケールの図面でも、鉄骨階段が付くというだけでは漠然としすぎている。ササラ桁の内法寸法くらいは示してもらいたい。1/50の図面ならササラ桁の納まりくらいは分かるだろう。階段の設計ができない意匠設計者は少なくない。
寸法の押さえがしっかりして、基本的な寸法が記入されている階段の意匠図を作成する意匠設計者は少ない。
特に木造住宅専業の意匠設計者はディテールが描ける人が少ない。木造の階段なら、段鼻の位置が分かれば施工できるが、木造の中に入る鉄骨階段は、骨組や仕上と絡めて考えるものである。
構造図で詳細に示すことになる。ディテールは描き始めると楽しいものだ。
posted by TASS設計室 at 01:39| 建築士

2022年12月16日

小規模鉄骨造が少ない理由

小規模鉄骨造が少ない理由は、構造計算ルートのルート1に固執することにあるのではないか。
構造設計を行っていて、鉄骨造は小さくてもルート3が当たり前である。経済性が違う。
ヨーロッパではホットコラムが当たり前と聞いたことがあるが、日本でもホットコラムが主流になれば、柱梁耐力比の制限が無くなる。
小規模鉄骨造の保有水平耐力計算は、一級建築士に開放しても良いのではないか。2025年に小規模建築の高さ制限が改定されるが、それに合わせ、構造に関する制限も緩和したらよいと思う。
小規模鉄骨造の保有水平耐力計算は、設計も審査も、それほど難しいものではない。
posted by TASS設計室 at 00:31| 建築士

2022年12月13日

鉄骨造の設計ができる意匠設計者

客が最初にアプローチするのが意匠設計者だから、鉄骨造の設計ができる意匠設計者を増やすことが必要だ。
スケール感覚が木造住宅と異なるので、柱の配置を見ると腕前が分かる。
鉄骨造はコストがかかり、耐火構造でも木造は安いと思っている人がいる。変形した小さすぎる建物は鉄骨造に限ると言ってもよい。床はQLデッキか日鉄Eデッキ、外壁は100mmのALCを貼ってしまえば出来上がる。
将来、スケルトンにして改造する場合も、鉄骨造はやりやすい。
木造専業の建築士は、次の一手として鉄骨造を学ぶことである。構造計算ルートはルート3である。ルート1に固執する意味がない。保有水平耐力計算もできないような構造設計者に頼んではいけない。



posted by TASS設計室 at 16:09| 建築士

2022年12月12日

RC造とS造が建築の基本

RC造とS造が建築の基本である。
RC造は建築学会のRC規準、S造は「鉄骨の構造設計」(藤本盛久著)などで学ぶ。
それらに多くの基本的な知見が含まれており、そこから始まる。
今では多くの木造専業の設計者は、いきなり木造から始めるが、木造は鉄骨造を学んでいると理解しやすい。
2x4工法は壁式鉄筋コンクリート造そのものである。
木造の設計者が苦手とする基礎はRC造である。

posted by TASS設計室 at 07:26| 建築士

2022年12月10日

書く練習、表現する練習

書く練習、表現する練習を行ってください。
マークシートの試験が多いので、論述が苦手な人が増えてしまった。
何を書いているか分からない人もいる。とにかく書いて読む、自分で書いたものを自分で読んでみてください。
posted by TASS設計室 at 11:39| 建築士

一意的

一意的に分かる表現とする。
数学や物理の問題の文章題ような文章を書くことを心がけるとよい。
頭が混乱している人が書いたものは、理解しにくい。添削して再質問しなければ内容が伝わらない。
自分で書いたものを、第三者的に読んで理解できるかチェックする習慣をつけていただく。
もう1つ、建築士たるもの、瞬時に立体を理解すべし。
posted by TASS設計室 at 09:38| 建築士

思考過程を意識する

設計は決めることの連続である。
考えて決める。どうでも良いこと、どちらでも良いこともあり、そんな時は好みの問題とする。
図面に書いてしまうと、変えることができないと思う人がいるので、どちらでも良いと書く。
書いてあることは良く見るようだが、意見が言える人は少ない。
設計者は客の言うことを尊重しすぎる人が少なくない。要望事項を尊重するあまり、客観的にみて妥当性に欠く設計になっている場合もある。後で変更されるか中止になる。設計者には観察眼や洞察力が必要である。

posted by TASS設計室 at 09:03| 建築士

2022年12月05日

施工に詳しい設計者

施工に詳しい設計者は、現場経験が豊富な人である。
ボルト1本、溶接部を見て分かるのだが、その裏付けは計算である。数値化するから分かるのである。
posted by TASS設計室 at 22:29| 建築士

2022年12月01日

木造軸組工法とRC造

木造軸組工法とRC造の設計はできるが、2x4工法と鉄骨造は難しいという意匠設計者がいる。
骨組を理解していないからだろう。
木造軸組工法はプレカット屋任せ、RC造は平面図が描ければよい。高さ関係は構造設計者任せで、梁成は常識を外れて小さくしたいという。
我々構造設計者は、そのような意匠設計者がいることを理解している。意匠図を添削してから構造設計にとりかかる。断面図を作成することに慣れていない意匠設計者が多い。高さの表現が稚拙である。

posted by TASS設計室 at 08:34| 建築士

2022年11月25日

意匠設計者と構造設計者の違い

最初は意匠も構造も学ぶが、途中から意匠と構造は分かれるというよりも、構造は嫌われる。
図面を例にとると、意匠設計者にとって図面は絵画であり、通り芯は図面を見苦しくする邪魔者であるが、構造設計者にとっては幾何学である。
基礎についていえば、意匠設計者は基礎を地盤と同じとみなし、構造設計者は基礎を建物の一部とする。
だから基礎を表現しない断面図を描く人がいる。木造住宅では、基礎は基礎屋さんが施工するもので、わたしは関係ない、という人がいる。
意匠設計者にとってコンクリートや鉄筋、鉄骨は単なるコストであり、断面は小さければ小さいほどよいものとされる。
posted by TASS設計室 at 15:57| 建築士

2022年11月23日

下手でも良いから読める文字

下手でも良いから読める文字を書く。
読みにくい手書きのメモが届くが、判読不明な文字がある。
打合せの際に図面にメモを加えるが、送る前に手を加えることを考えないのだろうか。
ちょっとした気遣いで読みやすくなる。

建築士の試験はマークシートなので、記述式の試験を受ける人は少ないと思うが、手書きの論述に慣れるとよい。構造計算書に設計方針や結果の考察を書くこともあるだろう。
読める文字を書いたら、次は内容である。

posted by TASS設計室 at 10:54| 建築士

2022年11月22日

鉄骨造の平面図と断面図は構造設計者が作成する

鉄骨造の平面図と断面図は構造設計者が作成する。
間取りを決めるだけの意匠設計者は、骨組が分からないから図面が描けない。
木造専業の設計者は、プレカット任せで、断面図すら描けない人がいる。
階段詳細が苦手のようで、幾何学的な表現に慣れていない。そんなものと思って、階段詳細は構造図として作成する。それを見て、どうしたいか意見が出てくる。
posted by TASS設計室 at 10:57| 建築士

2022年11月14日

確認申請の提出先は構造設計者と相談する

確認申請の提出先は構造設計者と相談していただくほうがよい。
ルート2の審査ができない審査機関があるので、審査機関に対して事前のヒアリングが必要である。
審査機関に聞くにしても、構造の審査手続きを理解しているひとでないと話しができない。
無理せず、構造設計者に相談することをお勧めする。
審査機関の料金表にルート2の審査費用が載っているから審査できると思うと大間違いで、同じルート2でも、構造計算プログラムによっては引き受けてもらえないことがある。
このような話しになると、意匠設計者では無理なので、躊躇せず構造設計者に調整を依頼することである。

posted by TASS設計室 at 08:19| 建築士

2022年11月04日

設計にはディテールの知識が必要

設計にはディテールの知識が必要である。
ロクに断面図も描けず、間取りだけの建築士も少なくない。マンションや建売住宅の平面図のような図面は得意である。
プレカット屋の力量も低下している。彼らは材料が売れさえすればよいので、応用力を必要とする架構になると思考停止する。構造設計が出来ないと、プレカット図もまとまらない。
ゼネコンの見積り担当は、積算事務所に連絡することが出来る程度の連絡員でしかない。
こんなことでは技術の向上は望めない。
posted by TASS設計室 at 13:35| 建築士

2022年10月30日

設計のコンサルタント

意匠設計・構造設計・設備設計を総合的に判断する設計のコンサルタントの需要がある。
エンジニアリング的には構造設計と設備設計が主体になる。設計の初期段階で行う行政との協議にも、助言や補佐を行うことが必要である。
意匠設計は、形が出来上がってからが本来の設計である。下請の意匠設計者は、基本プランが与えられて設計している人が多く、ゼロから考えることが苦手のようだ。代願事務所と言われる事務所である。
posted by TASS設計室 at 10:34| 建築士

2022年10月29日

構造設計者は意匠設計も行う

法規や施工に詳しく、役所や審査機関との話しができる構造設計者は意匠設計も行うことができる。
意匠系の月刊誌を買っていた時期もあるが、注目される建物はインターネットで紹介されるので、雑誌は買わなくなった。
設計規準は改定の度に購入するので、常に最新版が手許にあり、手あかの付いた専門書も置いてある。
インターネットで検索できるものもあり、目次代わりにインターネットで検索するが、中身は書籍に目を通す。構造計算プログラムのマニュアルにも、ハンドブック的に詳しく記述されているものもある。
意匠設計ができる構造設計者は、設計全体を見渡すことができるので、構造設計だけを行う際にも有利である。
posted by TASS設計室 at 16:51| 建築士

2022年10月25日

断面図が苦手

高さの理解が不十分で、断面図を描くことが苦手な人がいる。
平面図と数字だけで立体を頭に描くことができないらしい。
建物でも地形でも、山でも海底でも、平面に高さの情報を加えると立体になる。
立体感覚、立体幾何は建築士のお家芸ではないかと思う。
posted by TASS設計室 at 20:42| 建築士