2023年02月12日

Y方向地震時のX方向基礎梁の検討

ベタ基礎で、Y方向地震時のX方向基礎梁の圧縮時の検討を行う。
この計算は一貫計算では行っていないので手計算(エクセル)で行うが、地反力によっては、意外と厳しいところがある。
浮上りが出ていないが、建物の転倒を計算するような建物は杭基礎にしたくなる。
posted by TASS設計室 at 12:03| 構造設計

2023年02月11日

構造計算は何から手をつけるか

構造計算を行うとき、何から手をつけるだろう。
@荷重拾い
A二次部材の計算
B一貫計算
エスキースの段階で計算するので、僕は荷重拾いや二次部材は大雑把に想定し、いきなりBでアタリをつける。
意匠図が出来上がってきてから@とAをまとめ、Bに戻る。
自分で意匠設計も行う場合は、@はメモ程度にして、AとBは平行作業にする。意匠図が出来たら、構造設計は終わったようなものである。
構造図を自動作図する場合は、計算結果が直ぐに構造図になるので、計算→構造図→意匠図の順である。
計算作業はBUS-6とKT-SUBを立ち上げておき、行ったり来たりする。
複雑な形状の場合は、小梁の計算も一貫計算に入れてしまうことがある。両端をピン接合にして任意の軸に配置する。このようにすると、荷重拾いの煩わしさがない。
小梁に対する積載荷重は大梁とスラブの平均にすることもある。
posted by TASS設計室 at 09:52| 構造設計

2023年02月09日

床根太のたわみの制限 1/250 か 1/300 か

たわみの許容値はスパンの1/250かつ2cm以下と告示で決められている。
設計する際は,これを 1/300 にしたり、最小たわみを 1cm にしたり、建物のクライテリアを決める際に厳しくすることがある。スパンが大きいと、2cmというたわみでは、ふわふわする。
寸法調整係数(2x4工法の場合)、変形増大係数を考慮した上の たわみ なので、基準通りでよいと考えている。
posted by TASS設計室 at 11:55| 構造設計

混構造の階高

混構造の階高で、1階RC造の階高と2階の木造部分の階高に差が生ずる。土台の高さが余計である。
建物全体として、振動モデルを作るときのことを考えると、層重量が作用する高さは、質量が集中するスラブ上端とする。
したがって、1階の階高は1階のRCスラブ上端から2階のRCスラブ上端までの高さとする。
2階の床には土台が載り、その上に壁や柱が立つ。壁や柱を立てるために土台を並べるが、柱や壁の高さは土台上端からの高さとなる。
そこで、2階スラブ上端から土台上端までの高さの差を考えると、構造階高の取り方で悩むことだろう。
仮に2階RCスラブ上端から3階の合板上端までの高さを3.000、2階RCスラブ上端から土台上端までの高さを125とすると、通常なら階高は 3,000-125=2,875である、ところが125mmが行方不明になる。
2x4工法の場合で示すと、床組高さ250、階高 3,000 、壁高さ 3,000-250-125=2,625 とする。これで高さの差が解消される。
もう1つ、1階がWRCなら、こんなこともできる。
1階の階高を2階の合板上端までとし、梁の下がり距離を設定するという方法がある。
外周の梁成を450とすれば、梁の下がり距離を 125+450/2=350 とする。
スラブ上端から125mmの範囲はRCとして荷重を拾うことになり、RC壁と木造の壁の差の荷重を多く拾うことになるが、僅かな差のため影響なしと判断する。
こんなことを設計方針に記述したらどうだろう。
posted by TASS設計室 at 11:38| 構造設計

2023年02月07日

構造計算ルート

RC造やS造は保有水平耐力計算が当たり前だが、木造も自由度の高い設計が要求される。
最初の段階は壁倍率の上限を7倍として許容応力度計算を行うが、それでは間に合わない場合は、壁の詳細計算を行う。
軸組工法ではスジカイのβ割増しが余計だが、鉄骨造の要領でβを考える。スジカイを一切使わず、面材のみの耐力壁にするほうがよい。
木造もルート2、ルート3で計算することになるが、出来る人はどのくらいいるだろうか。木造の構造計算の塾があるらしいが、勉強しているのだろう。
計画により、軸組工法と2x4工法を使い分けることがある。
多くは4号建築とルート1だから、余計なことに手を出さなくてもよい。


posted by TASS設計室 at 11:59| 構造設計

2023年02月06日

増築と耐震改修

増築と耐震改修は似たようなものだが、大きな違いは ケミカルアンカー を使えるか使えないかの違いである。面積が増加しなければ単なるリフォームなので、確認申請は必要ない。
下手に増築すると、既存遡及に悩まされる。
posted by TASS設計室 at 16:45| 構造設計

旧耐震の建物でも、新耐震基準

旧耐震の建物でも、新耐震基準で設計されているものがある。
構造計算書を見ると分かる。
地震時の水平力の計算で、Ai分布に基づく水平力を採用しているか見れば分かる。
意匠設計者でも、このくらいのことは分かるだろう。構造計算書の最初のほうで、荷重拾いの後に各階の層重量が求められ、その直後にAi分布が計算されている。
建物の固有周期も 0.02Hという略算で求められている。構造計算書が何百ページあっても、このくらいは見れば分かる。
posted by TASS設計室 at 11:21| 構造設計

2023年02月04日

建築計画は構造設計を先行する

建築計画は構造設計を先行すると効率のよい設計ができる。
設計部の意匠設計5人に対して、構造設計1人が理想である。この1人が居るか居ないかで、設計のまとめに大きな差が出る。細かい設計は別にして即座に判断できるからである。
構造設計者は意匠設計もでき、現場に対する対応もできるので、設計施工の会社にとって構造設計者は無くてはならない存在となる。
posted by TASS設計室 at 19:04| 構造設計

2023年01月31日

数値的判断力

数値的判断力は計算することで培われる。
概論だけで学んできた人には次の段階に進んでもらい、実際に自分の手を動かしてもらう。
概論は本の前書きである。
posted by TASS設計室 at 11:59| 構造設計

計算しない構造計算業務

審査や判定のようなもので、計算しない構造計算業務がある。
念のため詳細に計算することもあるが、略算で工学的に判断したように記述する。それでストーリーは成り立つが、バックデータがあるので自信をもって話すことができる。簡単にサラッと答えたふりをする。

posted by TASS設計室 at 00:28| 構造設計

2023年01月29日

混構造2階建てでも保有水平耐力計算

工場や倉庫なら平屋でもルート3は当たり前だが、混構造2階建てでも自由な設計を行うと保有水平耐力計算が必要になる。同じような計画で、無理してルート1で設計したことがある。
ルート2で設計できたとしても、確認申請審査機関が慣れていないと適判にまわされてしまうことがある。
そのほうが良かったと思うこともある。
posted by TASS設計室 at 23:47| 構造設計

2023年01月28日

木造4階と混構造、鉄骨造

木造4階を設計しようとすると、混構造や鉄骨造が視野に入る。
鉄骨造のほうが始末が良い。特に変形した敷地の場合、立体解析で自由に設計できる。もちろん構造計算ルートはルート3である。
5階建てになると木造よりも鉄骨造だろう。
比較する構法としてはRC造、WRC造だが、壁式ラーメンに注目する。

斜面地、変形した敷地に対応することができると設計の範囲が広がる。
変形した敷地で斜面、しかも狭小地ということもある。こんなときは架台という手がある。

posted by TASS設計室 at 10:35| 構造設計

2023年01月27日

WRCとはいうものの壁が少ない

WRCとはいうものの壁が少ない計画がある。壁があれば壁式構造と考えているようで、そんな計画に壁式ラーメンは適している。
耐震壁付きラーメンの場合で高さ20m以下なら、X方向ルート3、Y方向ルート1という手もあるが、15〜16m程度の高さならWRCが視野に入る。
WRC造は共同住宅が多いので、今後、壁式ラーメンがWRCに取って代わるのではないかと考えている。
posted by TASS設計室 at 09:34| 構造設計

2023年01月25日

4階建ての構造計算

4階建てというと、どのような構造を考えますか?
R1,R2,R3は構造計算ルートを示す
@RC造(耐震壁付きラーメン)R1,R2
ARC造(ラーメン)R3
BWRC造 R1,R3
CS造 R2,R3
D2x4工法 R3
E木造軸組工法 R2,R3
2x4工法はルート3が必須だが、木造軸組工法はルート2も可能である。
不公平ではありませんか。
posted by TASS設計室 at 16:52| 構造設計

2023年01月20日

木造からスタートした人

構造設計を木造から始めた人は、保有水平耐力計算に手が出ない人が多い。
RC造とS造の保有水平耐力計算を習得してから木造に戻るとよい。
RC造やS造には様々な知見が含まれている。杭の計算や杭頭モーメントの曲げ戻しも理解できるようになる。
だから木造4階が増えない。
一方、RC造やS造の建設コストが高いのは、躯体工事の現場管理ができる人が少なく、躯体工事の現場監督を連れて来る必要があり、現場管理費用が割高になるからである。
時々見かけることだが、躯体工事専門の会社に現場管理も含め、丸投げしている会社もある。
posted by TASS設計室 at 20:35| 構造設計

2023年01月17日

dtの寸法

構造計算プログラムが異なると、かぶり厚さのとり方が異なる。
本来は かぶり厚さ と せん断補強筋の径を加えて、主筋の中心位置を求める。
かぶり70mm、せん断補強筋10mm、主筋16mmなら 70+10+16/2=88mmとなる。それと直交する主筋は70+10+16+16/2=104mmとなり、104mmで計算しておけば無難である。cm単位とすると11cmになる。
主筋径が異なれば dt も変化する。ところが直接dtを入力して計算するプログラムもある。
木造住宅の基礎は、基礎スラブをシングル配筋にすることが多いので、方向により、あるいは短辺と長辺でdtが異なる。基礎梁の主筋の上下関係も、RC造のように明快に決めても、現場では、そのような意識がない。
最初に並べたほうが下になり、後から並べたほうが上になる。
この条件を数値化して計算を行う。
スラブの短辺・長辺は、最も大きなスラブで決め、その他は、その方向に合わせる。
基礎梁のdtは、かぶりが大きくなる不利なほうで決める。基礎梁にヒンジができないことを原則にするので、dtが大きくなっても梁が強くなるだけなので、全体に影響はない。
連続梁であっても、単純梁としてモデル化している構造計算プログラムがあり、内端を C〜1.3C としても上下同じ配筋でMoで計算していれば安全側である。それが気に入らない時は手計算で補正する。
施工を考えてdtを決めなくてはならないが、その方針を構造計算方針に記述する。
そもそもコンクリートの断面を小さくしたがる人の考えを改めてもらうことが必要である。
どこかの橋梁で、断面を小さくしすぎて鉄筋が納まらなくなったというニュースを見かけた。
posted by TASS設計室 at 09:14| 構造設計

2023年01月14日

設計規準は参考書

基準は法律、規準はお手本である。
RC規準も参考書だが、それ以上のものがないので使用している。構造の規準や専門書は論文を集めたもので、法律ではないが規準である。内容は常に変化し、改定が行われることはご存知の通りである。

そこで、グレー本 P.210 に着目する。
(4) 参考:中大規模建築物への応用
 本書は (中略) 参考として示すこととした。
 ただし、本書の適用範囲は許容せん断耐力の上限は13.72kN/mであり、13.72kN/mを超えると本書の適用範囲外となる。そのため、下記の条件で設計した場合、設計者ならびに建築確認審査機関の判断により、耐力壁周辺部材及び接合部の検討を適切に行う必要がある。

この書き方、逃げていないで、何とかしませんか。緑本(2x4工法)のほうが正面から向き合って書いている。
『本書の適用範囲となる』を読んだだけで、思考停止状態になり、7倍を上限とすると解釈している人が圧倒的多数である。こんな状態だから木造の業界は進歩しない。
平均せん断力法で計算しているが、長さの短い耐力壁の場合、曲げ耐力のほうが小さくなり、曲げ耐力で終局耐力が決まる場合がある。RC造の耐震診断の計算に出てくるが、min(Qsu,Qmu)を求めたらどうだろう。
posted by TASS設計室 at 09:55| 構造設計

2023年01月12日

断面で考える

平面図を描きながらも断面で考える。平面図と立面図だけで仕事している人が多いようだ。
矩計図は立面図・平面図・断面図を同じ紙面に描くとディテールが理解できる。
構造図としてこんな図面を描くこともある。ここからスタートする。
そうしないと高さが決まらない。
posted by TASS設計室 at 19:27| 構造設計

2023年01月11日

新築に誘導することもない

新築に誘導していると思われる計画が2つある。1つは鉄骨造の減築、もう1つは木造の基礎の補強を伴うリフォームである。
意匠設計者と施工会社は当然のことながら新築に誘導しているが、状況を聞くと補強も可能である。
工場の改築設計の予定が入っているので、方法を考えていた。土間の補強はあと施工の杭とフラットスラブという方法がある。

posted by TASS設計室 at 16:11| 構造設計

2023年01月10日

構造の特性に合わせた計画

意匠設計は構造の特性に合わせた計画にする。
RC造はRC造に合った計画、鉄骨造は鉄骨造に合った計画とし、力の流れを無理のないものにする。
WRC造でラーメンのような計画を行いたい場合は、壁式ラーメンという手もある。
ラーメンなら、X方向ルート3、Y方向ルート1という方法があるが、究極的には壁式ラーメンになる。
地下室のある建物の直接基礎の場合は、基礎をフラットスラブにすることを考える。掘削を浅くすることができる。
posted by TASS設計室 at 23:01| 構造設計