2025年01月09日

小規模な土木の設計にも適判が必要

役所が行う土木の審査は硬直化しているので、小規模な土木の設計にも適判が必要ではないか。
当たり前な設計なら、役所の審査でもよいが、応用問題になると思考停止になる担当者も少なくない。
建築の構造計算ルートにルート1,2,3があるように、擁壁や斜面の安定計算にも計算ルートが必要で、それに対応する審査体制も必要と考える。
敷地が港湾に接する場合は開発申請に際して、役所の港湾管理課の審査が加わる。急傾斜地の場合は、都市整備局の許可申請が加わる。
小規模建築に絡む土木と建築の境界領域の設計は、設計する側も審査する側も、体制が整っていないと思う。どちらも境界領域に強くなろう。
posted by TASS設計室 at 15:19| 構造設計

2025年01月05日

基準や規準の変遷

1958年:耐震壁の条文が登場
1971年:帯筋の間隔が10cmになる
1981年:新耐震
1991年:RC規準改訂
1999年:RC規準改訂
2000年:【2000年基準】2000年6月1日以降に建築確認申請が行われた建物(木造)
2007年:RCに関する告示改正
2010年:RC規準改訂
2018年:RC規準改訂
2025年:【2025年基準】2025年4月1日以降に着工
構造に関する基準や規準、告示が追加された年である。
1924(大13)市街地建築物法改正
1933(昭8)初版,水平震度0.1
1947(昭22)震度を0.2に引き上げ長期と短期の概念を導入
1950(昭25)建築基準法
1958(昭33)耐震壁の条文が登場
1971(昭46)せん断規定の改正せん断規定の改正
1977(昭52) RC耐震診断刊行  
1981(昭56) 新耐震設計法 
1981(昭56)構造計算指針・同解説
1983(昭58) SRC診断基準刊行
1986(昭61)構造計算指針・同解説改定
1987(昭62)鉄筋コンクリート終局強度設計に関する資料
1988(昭63)第9次改定 終局強度型耐震設計指 針(案)
1990(平2)建築耐震設計における保有耐力と変形性能RC診断基準改訂
1994(平6)建築物の構造規定1995(平7)耐震改修の促進の法律
1997(平9)建築物の構造規定改定靭性保証型耐震設計指針(案)SRC診断基準改訂
1999(平11)付着・定着規定の改正
2000(平12)性能評価型耐震設計指針(案)RC診断基準改訂
2001(平13)基準解説書発刊  
2007(平19)基準解説書改定2010(平22)第11次改訂
2013(平25)基準解説書改定予定保有水平耐力指針刊行予定RC規準改定予定
posted by TASS設計室 at 09:33| 構造設計

2025年01月04日

実験はアナログ、計算は精密

土質試験の結果からモールの応力円を描き、接線を引いてCとφを求めるが、明らかに数値が離れている応力円も含め、最小二乗法で接線が描かれている試験結果があった。
最小二乗法を用いない昔ながらの方法でエイヤーと接線を引き直すと、15<C<25、21.8°<φ<23.7°になったので、φ=21.8°を採用することにした。
最小二乗法で計算すると、数値が離れていても、それらしい線になる。結果はy=ax+bである。
選択科目の土質力学の授業で岸田先生から、土質試験は桁が合えばよいと言われたことが印象に残っている。

アナログ的技術屋が減少し、何でもコンピュータで精密に計算するようになった。
土質試験の三軸圧縮試験は試験方法がアナログだが、その結果で5つのモールの応力円を描き、最小二乗法でy=ax+bの線を引く。
応力円が大きく離れていても、それらしく線を引くことができるが、大きく離れた試験結果を除外して線を引くほうが現実的である。
応力計算にしても、何でもコンピュータに頼るのではなく、古典的手法で計算するほうが理論的に分かりやすい。
古典力学で手計算のできる人が少なくなった。固定法・たわみ角法・D値法(武藤式略残)など、50年前は当たり前のように使われていた計算方法である。
ひと睨みでエイヤーと決めればよいと言ったら、「そのエイヤーはやめてもらえませんか」と言われたことがある。回答を書く際に「視察により」「明らかに」として端折った回答を書いたことがないのだろうか。
posted by TASS設計室 at 00:38| 構造設計

2025年01月02日

計画段階の構造コスト比較

RC造とS造のコスト比較を簡単に行う場合の型枠面積の拾い方は、型枠は両面なので外壁面積の2倍と床面積を加えたものに、柱の型枠面積を加算する。外周部は壁と重複するが、パラペットと相殺するものとし、深く考えない。内部の梁は、梁側だけ拾う。
梁側は内壁の型枠、梁底はスラブの型枠として拾っている。
大雑把に拾って比較したところ、5階建て1,000uの建物の構造コストは鉄骨造のほうが低かった。単価はゼネコンに入れてもらった。小規模なビルは鉄骨造が適している。これで実感として感覚をつかむことができた。
木造専業の設計者(ほとんど内装設計)に送ったものだが、理解できたか、理解できなかったか知らない。

構造計算プログラムのオプションで、躯体数量を拾うことができるものもあるが、あれば便利というくらいである。こちらでやることもない。
posted by TASS設計室 at 10:07| 構造設計

デッキプレートと型枠

型枠のコストが上がり、デッキプレートに変えるという案があるが、型枠の転用のことを考えると、どちらが得なのだろう。階高は同じ、柱は絞らず、梁幅も変えず、梁成が変化している。スラブ下の支保工は必要ないが、梁下の支保工は増える。梁側の細工やデッキ端部の取り合いが変わる。現場の担当者は、どう判断するだろうか。
RC造でデッキプレートを採用したことは何度かあるが、QLデッキの場合はコンクリート量と鉄筋量が減るのでメリットがある。
S造の工場でファブデッキを採用したことがある。これは作業効率がよい。
posted by TASS設計室 at 09:50| 構造設計

2025年01月01日

工事中の荷重と荷重の偏在

構造設計は構造物の使用条件を考慮して荷重を想定する。
完成してしまえば乗用車しか通行しないが、工事中は大型トラックが通行する架構がある。
生コン車が往復するので、それなりの荷重を考慮する必要がある。計画図を眺めていて、計算条件を拾い出してみる。ゼネコンが工事計画や仮設計画を行うが、スラブと小梁の補強は必要だろう。こんなことを設計方針に書き加える。


posted by TASS設計室 at 19:29| 構造設計

関東ローム層のCとφ

関東ローム層の地山でC=41.6kN/u、φ=17.6°という数値に違和感がある。
Cが出過ぎで、φが小さい。C=20kN/u、φ=30°前後ではないだろうか。
モールの応力円の接線の引き方で違うような気がする。せん断強度を大きく評価し過ぎのような気がする。
そんなに粘着力があるものだろうか。粘着力を無視するにしても大きすぎる。僅かだから無視するということなら納得できるが、値が大きすぎる。線を引いた人に聞いてみる。
※ 線を引き直したら C=25kN/u、φ=21.8°になった。

posted by TASS設計室 at 00:23| 構造設計

2024年12月29日

2000年問題

鉄筋コンクリート造は平成19年(2007年)の告示で、新・新耐震基準と言えるほどの厳しい基準になった。それ以前は新耐震基準であっても旧・新耐震基準というものである。
だからと言って倒壊するか、しないか、という判定にはならない。耐震診断基準は2017年に改訂版が出ている。
地震が来てみなければ分からない。老朽化した原発も動いている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e94087f2cca5813fd5d45fced761fafa6386312?source=fb&fbclid=IwY2xjawHd3qhleHRuA2FlbQIxMQABHeK6g9AFthYXVtNqe6lUFBLGATUO-vJ45z5p0Buo6TRu7LRoLqWxqdsK4g_aem_9jqJFJ16QiTPfFA2B62_HQ
posted by TASS設計室 at 16:51| 構造設計

2024年12月23日

2012年が本当の新耐震

2012年が本当の新耐震基準である。
ルート1は、それほど変わらないが、ルート3は変化が大きい。保証設計および付着割裂破壊の検討のところが異なる。基準は2010年のRC規準だが、2012年(平成19年)に告示になった。
保証設計は、せん断力の割増係数を1.25にして計算するが、それを1.0にすると、保証設計を行わないことに等しい。そこで部材ランクが決まり、保有水平耐力が決定される。パラメーターを変えて計算してみると、結果が大きく異なることが分かる。
posted by TASS設計室 at 17:52| 構造設計

2024年12月21日

外力による挙動をイメージする

構造計算を始める際は、外力による挙動をイメージする。
雪・風・地震・波力による架構の応力を想定し、それに合ったモデル化を行って計算する。いくつか設計しているが、波力というものは相当な力であり、消波ブロックが頼りになる。まともに受ける構造物は海洋土木の専門家の手によらなければ設計できない。
普通の構造設計だけではなく、小規模ではあるがプラントの架構、海上の建物や工作物を設計していると、様々な要素が出てくる。
多雪地域の積雪深度1.5mで、水平震度2.0というものもある。冬らしい仕事だ。ライブカメラで現地周辺を見る。

大型トラックが通行する資材置場の水路上を橋を設計したが、積荷の偏りで、後輪の片方に荷重が集中することも考えられるので、片側後輪の荷重を1.5倍にして集中荷重として考慮した。
脱輪防止、人の落下防止にも配慮する。どう使われるかをイメージして設計する。
小規模な建築と土木の境界線上の仕事は、建築設計者が行うほうが設計料が安い。土木のコンサルに相談すると、公共事業並みの設計料になるらしい。それで驚いて、こちらに仕事がまわってくる。
posted by TASS設計室 at 08:50| 構造設計

構造は土木と建築を統合

建築構造は土木と統合するほうが学びの機会が増える。
土木構造物の設計者で、杭の設計ができず、こちらに仕事がまわってきたことがある。大規模な杭は設計するが、小規模な杭は経験がないのかもしれない。それとは逆に建築構造設計者は地盤に関することに苦手意識がある。
基礎の設計は行うものの、根入れ効果をご存じない人もいた。双方の分野を学び、結果として好きなほうに進めばよいと思う。建築にも斜面の安定計算や擁壁の設計という土木的な仕事もある。

手計算で応力計算を行いながら設計することがある。一貫計算で計算できるような架構ではなく、小規模で複雑なものは、図面を作成しながら単純化して計算する。こんな時はエクセルで計算する。
何ページか作成すると、繰り返しの計算が増えてくるので、計算シートをコピーして数値を入れ替える。
posted by TASS設計室 at 03:03| 構造設計

2024年12月20日

フラットスラブ構造

デザインを実現するにはフラットスラブ構造が良さそうなので、久しぶりにフラットスラブ構造を設計する。
工作物として設計することになる。意匠図を眺めていて、こんなアイディアが浮かんだ。
posted by TASS設計室 at 13:30| 構造設計

ブリッジの1本柱

不静定次数の低い構造物は注意する。
こんな時は、最低でも安全率を1.5とする。擁壁の安定計算でも安全率を1.5としている。
ブレース構造のβ割増も1.5である。
遠くから見て1本柱に見えるような門型というデザインもあり得る。桁を強調することができればよい。

posted by TASS設計室 at 12:04| 構造設計

2024年12月19日

使えるものは何でも足しにする

構造設計では、使えるものは何でも足しにすることを考える。
普段は余裕としているが、基礎とフーチングの重複する荷重を控除することもある。
どこかに荷重の余裕を見ておくと、変更に追従しやすくなる。屋上の荷重に余裕を見込むことは保険のようなものである。これが最も簡単で、全ての階の変更に対応できる。
参考書に書かれていたことが印象に残っている。

posted by TASS設計室 at 11:55| 構造設計

2024年12月18日

今日は「土木」

今日は「土木」だ。木曜と土曜は土木の仕事にするかな。
既存の建物の杭の計算結果に対する考察も残っている。耐震診断でも基礎梁や杭の検討を行うこともある。念のため、というよりも何のためかな。
擁壁の技術基準が改訂され、ローム層の摩擦係数が0.3となり、粘着力を考慮することができなくなった。
基準には「土質による」と書かれているので、土質試験と計算により土質係数を求めることで良いではないか。
厳しい基準でも逆L擁壁は辛うじて成り立ったが、町田市に対して正式にクレームをつけることを考えている。
posted by TASS設計室 at 20:30| 構造設計

2024年12月13日

意外に知られていないDf効果

構造設計を行っている人は当然ご存知と思うが、意外にDf効果をご存じない人がいる。
参考書に目を通してみよう。
posted by TASS設計室 at 20:37| 構造設計

2007年から新・新耐震基準

2007年(平成19年)に保証設計が告示になり、事実上1981年(昭和56年)の新耐震基準は旧・新耐震基準になった。
1971年(昭和46年)にRC規準が改訂され、旧耐震とはいえ、かなり耐震性が向上した。
両者の計算を比較すると、かなりの違いはあるものの、耐震診断(2次診断)を行うとIs値が基準を超えるものが多い。2次診断は原則として梁の検討は行わない。最後は柱と耐震壁が効いてくる。

posted by TASS設計室 at 18:35| 構造設計

2024年12月09日

RC造 vs S造

どちらにするか迷う。
道路が狭く、施工条件がよくない。基礎工事までは同じだが、杭はS造のほうが荷重が少ない分、コストが下がる。無理して鉄骨を建ててしまえば後はS造のほうが楽になる。現場溶接の個所数と建て方の手順で計画が決まる。杭は毎度のスクリューパイルである。柱脚はIsベースかベースパックになるが、選定はファブ次第とする。
RCは1階分のコンクリート打設が1日では終わりそうもない。
道路斜線でセットバックするので、力の流れとしてはS造のほうが柔軟に対応できる。現地を眺めて作戦を立てる。設計段階では施工者が未定なので、後でひっくり返るような意見が出ないよう理詰めで考える。
posted by TASS設計室 at 20:18| 構造設計

2024年12月06日

梁の無い建物

壁式構造で梁を出さない建物の要望がある。
それなら最初から、それなりの壁線区画にすることである。意匠設計者が構造図を読み込めていないから、このようなことになる。斜線に影響がないデザイン上の母屋下がりである。
構造設計者が意匠の詳細にまで目を配る必要がある。伏図に「上に梁が出る」「梁下端まで2,2m」などと書くのだろうか。構造図の断面図に天井高さを追記した。
構造図を下図にして意匠図を作成すると分かりやすい。
posted by TASS設計室 at 19:43| 構造設計

設計せずに見積り

設計せずに工事費の見積りがほしいという客がいる。
概算費用を知りたいと言うことだが、勘と経験と度胸で決める。
RC造とS造の工事費を比較する場合、両方の設計を行わないと比較できないものではなく、相対的な比較を行う。
posted by TASS設計室 at 16:26| 構造設計