変形した敷地は、使いようによっては変化のある建物を計画することができる。土地が二束三文なので、多少工事費がかかっても安上がりになる。斜面こそ、スキップフロアが適している。
平地に60°30°の直角三角形の形状の建物を2つ設計したことがある。1つは地下1階・地上3階のWRC造で、もう1棟は完全に三角形の2x4工法の3階建てである。
30°ではないが、ほとんど三角形の混構造4階建ても設計した。鉄骨造でも、ほとんど三角の建物も設計したが、2x4工法では無理だったので鉄骨造とした。鉄骨造なら柔軟に対応できる。斜面になると、向きによっては転んでしまうので、片土圧次第である。このような計画は、スケッチの段階で構造設計を行う。
2025年04月21日
木造のルート1までの審査機関
審査のライセンスはあるものの、木造2階建て住宅の審査が9割で、せいぜいルート1までの審査機関は結構ある。それだけ木造2階建ての審査が多いということである。
設計者も同様だろう。この状態で中層木造建築は定着するだろうか。
設計者も同様だろう。この状態で中層木造建築は定着するだろうか。
posted by TASS設計室 at 10:40| 構造設計
2025年04月12日
混構造・複合構造の構造計算
耐震補強で鉄骨ブレースを加えたり、柱に炭素巻きを行うことも複合構造だが、木造の一部に鉄骨フレームを加えることも複合構造である。地震時の水平力を負担するのは木造架構なので木造である。
鉄骨梁の上に木造の架構が載り、地震時の荷重が加わる場合は、その荷重を鉄骨の梁が負担する。
そんな時、鉄骨の梁を等価な断面性能の木造の梁として木造の構造計算プログラムで計算する。それで、梁に作用する荷重を拾い出すことができる。その後、鉄骨梁を抜き出して計算する。
鉄骨架構が水平力を負担する場合は、平面的異種構造となる。剛性が等価になるよう、木造の耐力壁に置き換えて計算する。平面的異種構造の要望はあるが、法規上の解釈に温度差があり、審査してもらえないこともある。
建物のコア部分に耐震壁を設ける構造計画のバリエーションと思えばよい。建築学会の「鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造の設計と施工」に様々な例が示されている。
木造の適用範囲を広げたいなら、木造の業界は複合構造を普及させることが必要ではないか。木造専業の構造設計者には限界があるので、非木造の構造設計者が木造に手を出すとよいだろう。
鉄骨梁の上に木造の架構が載り、地震時の荷重が加わる場合は、その荷重を鉄骨の梁が負担する。
そんな時、鉄骨の梁を等価な断面性能の木造の梁として木造の構造計算プログラムで計算する。それで、梁に作用する荷重を拾い出すことができる。その後、鉄骨梁を抜き出して計算する。
鉄骨架構が水平力を負担する場合は、平面的異種構造となる。剛性が等価になるよう、木造の耐力壁に置き換えて計算する。平面的異種構造の要望はあるが、法規上の解釈に温度差があり、審査してもらえないこともある。
建物のコア部分に耐震壁を設ける構造計画のバリエーションと思えばよい。建築学会の「鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造の設計と施工」に様々な例が示されている。
木造の適用範囲を広げたいなら、木造の業界は複合構造を普及させることが必要ではないか。木造専業の構造設計者には限界があるので、非木造の構造設計者が木造に手を出すとよいだろう。
posted by TASS設計室 at 09:31| 構造設計
2025年04月10日
2025年04月08日
地下室にエレベーターを付けない小規模商業ビル
間口1スパンの小規模商業ビルで、地下室にエレベーターを付けないのは、昇降路の面積の緩和があるものの地上階の壁と地下外壁の位置が合わず、無駄なスペースができるからである。エレベーターや階段は建物の片隅に設けるので、昇降路の位置が合わない。地下は独立した入口にすればエレベーターは必要ない。地上階で容積が目いっぱいなら地下階を設けない計画もあるが、地下階は落ち着いた店になるので需要がある。
この程度の検討を計画の初期段階で行う。無理すればできるが、無理してやるか、ということが論点になる。
この程度の検討を計画の初期段階で行う。無理すればできるが、無理してやるか、ということが論点になる。
posted by TASS設計室 at 14:41| 構造設計
2025年04月03日
2025年03月29日
使えるものは何でも使う
小さな部材で構成する架構がある。施主の意向でデザイナーはしょぼい部材で構成することを望んでいる。
見えないところで強度を確保することを考える。鉄と木を組合わせる計画にした。鉄は溶接することで剛接合にすることができる。
見えないところで強度を確保することを考える。鉄と木を組合わせる計画にした。鉄は溶接することで剛接合にすることができる。
posted by TASS設計室 at 08:21| 構造設計
2025年03月28日
2025年03月26日
構造計算規準・構造計算指針を見比べる
日常的に参照する規準や指針は、RC/SRC/S造と木造に分けられ、それぞれ新築と耐震診断がある。
RC造は変化が目まぐるしいが、木造の指針は改訂されるものの計算方法のバージョンアップは少ない。このあたりで内容が出尽くしたということか。指針の計算例を見ると、見慣れないFEMでの解析が例に挙げられたりして、現実味を欠くものとなっている。
中高層木造建築を普及することが目的のように見えるが、3階建ての延長線上で考えているようだ。木造は中高層になるとハイブリッド構造が不可欠と思うが、各社が個別に研究しているのが現状である。普通に確認申請が出せるよう、指針の内容を拡充すべきではないだろうか。
木造は軸組工法と2x4工法にCLT工法が加わり3本立てになったが、僕はCLT工法には手を出さない。参考書に目を通したところで止まっている。CLT工法はコンクリートプレファブのコンクリートパネルをCLTに置き換えたものである。
多くの木造は3階建て、高さ16mで満足する。保有水平耐力計算は必要なくなった。今までの指針はやりすぎだった。2x4工法の反曲点高比0.5が気になる。
RC造は変化が目まぐるしいが、木造の指針は改訂されるものの計算方法のバージョンアップは少ない。このあたりで内容が出尽くしたということか。指針の計算例を見ると、見慣れないFEMでの解析が例に挙げられたりして、現実味を欠くものとなっている。
中高層木造建築を普及することが目的のように見えるが、3階建ての延長線上で考えているようだ。木造は中高層になるとハイブリッド構造が不可欠と思うが、各社が個別に研究しているのが現状である。普通に確認申請が出せるよう、指針の内容を拡充すべきではないだろうか。
木造は軸組工法と2x4工法にCLT工法が加わり3本立てになったが、僕はCLT工法には手を出さない。参考書に目を通したところで止まっている。CLT工法はコンクリートプレファブのコンクリートパネルをCLTに置き換えたものである。
多くの木造は3階建て、高さ16mで満足する。保有水平耐力計算は必要なくなった。今までの指針はやりすぎだった。2x4工法の反曲点高比0.5が気になる。
posted by TASS設計室 at 08:50| 構造設計
2025年03月21日
成り立ちそうだが計算が難しい
成り立ちそうだが計算が難しい鉄骨らせん階段の図面が送られてきた。3次元の ねじれ を考えるが、先ず、単純化して計算に乗せる。(ねじれ は3次元だった)
意匠設計者は変なものを持ち込んでくるものだ。確認申請を出すが、説明できるか悩む。
それにしても曲面が好きな設計者がいるものだ。『丸にするなら三角にしろ』昔、作業所長から言われたことである。曲面や曲線は数値化が難しい。
意匠設計者は変なものを持ち込んでくるものだ。確認申請を出すが、説明できるか悩む。
それにしても曲面が好きな設計者がいるものだ。『丸にするなら三角にしろ』昔、作業所長から言われたことである。曲面や曲線は数値化が難しい。
posted by TASS設計室 at 19:02| 構造設計
2025年03月10日
2025年03月07日
2025年02月25日
2025年02月24日
構造モデラー+基礎(旧BUS基礎)
「構造モデラー+基礎」でボーリング柱状図を入力する時、土質により異なる土の単位体積重量が自動で入るようになった。BUS基礎から進歩した。杭基礎に限らず、直接基礎の場合にも使うことができる。液状化の検討が必須になっているので、調査会社に依頼しなくても検討できる。
3軸圧縮試験の結果から粘着力と内部摩擦角を求める場合は、計算する人により結果が異なる。最小二乗法の計算に個人差が出る。土が相手なので、鉄のようにはきれいな結果にならない。最小二乗法で計算するよりも、睨んで線を引くほうが納得できる。
3軸圧縮試験の結果から粘着力と内部摩擦角を求める場合は、計算する人により結果が異なる。最小二乗法の計算に個人差が出る。土が相手なので、鉄のようにはきれいな結果にならない。最小二乗法で計算するよりも、睨んで線を引くほうが納得できる。
posted by TASS設計室 at 21:25| 構造設計
2025年02月23日
2025年02月21日
鉄筋の重ね接手
D19以上は圧接すると思い込んでいる人がいるが、重ね接手も可能である。
日本建築学会の重ね接手の全数接手設計指針(案)・同解説 1996年
RC規準17条で重ね接手が規定されている。
@接手を相互にずらして設ける
AD29以上の異形鉄筋に用いてはならない
B接手は応力の小さい位置に設ける
小規模な建物で、梁の中央下端にD19を使うことがあるが、両端下端はD16とした重ね接手とすることもできる。
また、梁幅が200mmの壁式鉄筋コンクリート造では、D16の重ね接手ではなく、D19を圧接するほうが鉄筋がきれいに納まる。これはコンクリート打ち放しを極めた作業所長からのアドバイスである。コンクリートの色に関係するので、セメント量を気にして、各階のコンクリート強度を決める人である。コンクリート打ち放しというと、この作業所長を思い出す。
日本建築学会の重ね接手の全数接手設計指針(案)・同解説 1996年
RC規準17条で重ね接手が規定されている。
@接手を相互にずらして設ける
AD29以上の異形鉄筋に用いてはならない
B接手は応力の小さい位置に設ける
小規模な建物で、梁の中央下端にD19を使うことがあるが、両端下端はD16とした重ね接手とすることもできる。
また、梁幅が200mmの壁式鉄筋コンクリート造では、D16の重ね接手ではなく、D19を圧接するほうが鉄筋がきれいに納まる。これはコンクリート打ち放しを極めた作業所長からのアドバイスである。コンクリートの色に関係するので、セメント量を気にして、各階のコンクリート強度を決める人である。コンクリート打ち放しというと、この作業所長を思い出す。
posted by TASS設計室 at 07:14| 構造設計
2025年02月20日
手計算の世代が消滅しかけている
手計算の世代が消滅しかけている。
審査機関の構造審査係にも手計算の計算がない人がいる。適判は年齢層が高いので、一般の構造審査係より理解がある。現在行われている構造計算の方法は手計算を前提としたものであり、モデル化を行って計算しているに過ぎない。自走式の駐車場で、階をまたぐ傾斜梁は、軸方向の耐力を無視し得る程度に下げ(0.001倍にするなど)、余計な力が入らないように計算しているにすぎない。そんなことを言うと、階段のササラ桁はブレースのようなものではないかと言われる。確かにそうだが、そこまで考えたら複雑になりすぎる。12x300のササラ桁を2-M20で取付けることは、確かにブレースである。RCの階段は更に複雑である。
入力データは伏図として電算出力に表現されるが、その形状が合ってさえいれば納得する審査係もいる。『建築構造問題快答集』を参考にして計算していた時代は過去のものになった。
審査機関の構造審査係にも手計算の計算がない人がいる。適判は年齢層が高いので、一般の構造審査係より理解がある。現在行われている構造計算の方法は手計算を前提としたものであり、モデル化を行って計算しているに過ぎない。自走式の駐車場で、階をまたぐ傾斜梁は、軸方向の耐力を無視し得る程度に下げ(0.001倍にするなど)、余計な力が入らないように計算しているにすぎない。そんなことを言うと、階段のササラ桁はブレースのようなものではないかと言われる。確かにそうだが、そこまで考えたら複雑になりすぎる。12x300のササラ桁を2-M20で取付けることは、確かにブレースである。RCの階段は更に複雑である。
入力データは伏図として電算出力に表現されるが、その形状が合ってさえいれば納得する審査係もいる。『建築構造問題快答集』を参考にして計算していた時代は過去のものになった。
posted by TASS設計室 at 09:07| 構造設計
2025年02月09日
評定のような評価の審査
確認申請でもなく、適合性判定でもなく、耐震診断評定でもない既存建物の評価の審査があるようだ。
建物を証券化するために必要な手続きらしい。因みに、検査済証は交付されている。
構造計算書が保存されていない建物で、竣工図のみ残された建物である。1991年のRC規準で構造計算書の再現で、検定比が1.0をわずかに超えたものがあるが、確認申請時と異なる構造計算プログラムによる再計算ゆえ、計算結果は完全に一致することはない。
建物を証券化するために必要な手続きらしい。因みに、検査済証は交付されている。
構造計算書が保存されていない建物で、竣工図のみ残された建物である。1991年のRC規準で構造計算書の再現で、検定比が1.0をわずかに超えたものがあるが、確認申請時と異なる構造計算プログラムによる再計算ゆえ、計算結果は完全に一致することはない。
posted by TASS設計室 at 09:41| 構造設計
2025年02月07日
構造計算プログラムで計算できない計算
構造計算プログラムで計算できない計算の需要がある。
旧耐震の建物の耐震診断の他に、新耐震ではあるものの、2005年頃の設計の建物の改修工事もある。
旧耐震の頃から構造設計を行ってきた人は、旧基準を熟知しており、もちろん手計算もできる。構造計算プログラムが普及してから構造設計を始めた人は、プログラムがないと計算できない人もいる。
電気で言えば、真空管の時代から回路設計を行ってきた人と、集積回路から始めた人との違いのようである。
学生時代にFORTRANでプログラムを書き、パンチカードを打ってIBM370で計算したことが始まりで、その後はPC-9801を使いBASICでプログラムを書いていた。PC-9801が出る少し前にSEIKOの16bitPCを実務に使っていた人もいるが、その頃は手が出なかった。FUJITSUの8bitPCでいいプログラムを書いて出版してた人がいるが、グラフィックは難しくて真似ることができなかった。
単純に計算し、英文字のテキストで出力することから初めた。
耐震改修で古い建物の構造計算書を見ることがあるが、英文字だけの応力計算があると懐かしさを感ずる。
当時の杭の計算は、多層地盤や収れん計算は縁がなく、先端の支持力で計算を行っていた。地盤の水平方向反力試験を行わず、N値の7倍、7Nで略算を行っていた。
現在はプログラムを組むことはなく、手計算はエクセルで行っている。先月は久しぶりに固定法で地下車庫の計算を行った。
旧耐震の建物の耐震診断の他に、新耐震ではあるものの、2005年頃の設計の建物の改修工事もある。
旧耐震の頃から構造設計を行ってきた人は、旧基準を熟知しており、もちろん手計算もできる。構造計算プログラムが普及してから構造設計を始めた人は、プログラムがないと計算できない人もいる。
電気で言えば、真空管の時代から回路設計を行ってきた人と、集積回路から始めた人との違いのようである。
学生時代にFORTRANでプログラムを書き、パンチカードを打ってIBM370で計算したことが始まりで、その後はPC-9801を使いBASICでプログラムを書いていた。PC-9801が出る少し前にSEIKOの16bitPCを実務に使っていた人もいるが、その頃は手が出なかった。FUJITSUの8bitPCでいいプログラムを書いて出版してた人がいるが、グラフィックは難しくて真似ることができなかった。
単純に計算し、英文字のテキストで出力することから初めた。
耐震改修で古い建物の構造計算書を見ることがあるが、英文字だけの応力計算があると懐かしさを感ずる。
当時の杭の計算は、多層地盤や収れん計算は縁がなく、先端の支持力で計算を行っていた。地盤の水平方向反力試験を行わず、N値の7倍、7Nで略算を行っていた。
現在はプログラムを組むことはなく、手計算はエクセルで行っている。先月は久しぶりに固定法で地下車庫の計算を行った。
posted by TASS設計室 at 20:44| 構造設計