2022年11月29日

ルート2の審査

ルート2の審査ができることを公表している審査機関でも、審査できない場合がある。
木造4階の審査経験がないと言うので、適判に出したが、何のため審査手数料が 90,000円加算されるか分からない。そんな審査機関にルート3の計算は提出できない。木造3階の審査が多いのだろう。こちらとしては、適判のほうが話しが通じるので、適判にまわしてもらうほうが都合がよい。
意匠設計者は意匠の面倒見のよい審査機関を頼り、遠方まで出かける人がいる。法規に疎い意匠設計者は、そんなものだろう。
偏心率と剛性率を満たしてルート2という選択肢は木造軸組工法では定番の計算なので、対応できる審査機関が増えそうなものだ。審査機関に聞いてみると、KIZUKURI で計算してくる設計者が多いという。手計算で補足して出してくるそうだ。
鉄骨造のラーメンは柱にBCR295を使うので、ルート3が必須である。ルート1あるいはルート2で設計すると不経済である。ところが、柱の上下端をピンにしてしまえば、冷間成形角形鋼管の柱梁耐力比は関係なくなる。ブレース構造になったら、ルート3で計算するメリットがない。


posted by TASS設計室 at 22:45| 構造設計

2022年11月27日

保有水平耐力計算

建築設計者、特に構造設計者にとって、保有水平耐力計算と時刻歴応答解析のハードルが高い。時刻歴応答解析は何種類かの地震波を入れて計算するだけなので、計算そのものは明快だが、計算する機会がない。低い建物で蛇足のような計算は行ったことはある。僕は45mを超える建物は設計したことがない。
通常の仕事は1〜12階建ての全ての構造形式、高さ30m前後までである。その程度で間に合っている。
高さ60m以下の建物に適用する保有水平耐力計算は、1981年の新耐震から加えられてもので、1990年の建築学会の参考書に良いものがある。絶版になり、オークションでけっこうな値段がついている。
参考書や構造計算プログラムは完備しているが、未だに手を出せない人が多い。そのような人は木造建築の設計に従事している設計者に多く、木造4階建てが進まない一因にもなっている。
1981年の法改正以前に確立された技術で、コンピュータを使わなくても計算することができるようになっている。ちょっとしたコツを理解していただくが、出来る人は出来るが、出来ない人はいつまで待っても出来ない。
1981年以降で、1995年頃までに設計された建物は、手計算で保有水平耐力計算が行われていた。当時、コンピュータで計算するとひと晩かかっていた。夜の10時頃に計算をスタートさせると、翌朝出来上がっていた。時々エラーで止まっていたことを思い出した。
posted by TASS設計室 at 17:03| 構造設計

2022年11月26日

柱4本を検討する

ピロティの柱4本を検討するだけのために建物全体の計算を行った。20m x 10m の3階建て軽量鉄骨造である。部材数が多いので、計算に時間がかかった。結果は4本の内3本がNGだった。きわどいところでNGなので、もともと良い設計だった。計算書をPDFに変換したら、柱4本の断面検定だけでも約500ページになったので、出力を選んでコンパクトにまとめる。
改造された建物を購入したお客さんが心配に思って相談してくれたことは正解!!
電算だけではなく、手計算でも検証し、報告書を作成する。基礎梁がしっかりしているので、補強は難しくない。直下型地震を考慮し、上下方向の震度を1.0として補正する。いくら計算でOKになったとしても、建物は見た目の安心感も必要である。
posted by TASS設計室 at 23:10| 構造設計

2022年11月24日

狭小地の4階建て、5階建て

狭小地だから4階建て、5階建てにしたい。
どうせなら6階、7階でもよいではないか。塔状比が4を超えたらCo=0.3として転倒に対する検討が必要になるが、計算してみる価値はある。難しいことをやらなくて済むよう都内なら塔状比は6以下にする。
鉄骨造で柱芯間隔4mなら、高さ20mも狙える。
狭小地の建物で、木造・軽量鉄骨造・鉄骨造の3通りで検討したことがあるが、鉄骨造に落ち着いた。
僕は最初から鉄骨造だと思っていたが、木造や軽量鉄骨造のほうが安いと思っている人がいたので、回り道した。
posted by TASS設計室 at 21:23| 構造設計

2022年11月21日

応力が集中したら梁をやめる

無理な意匠につきあって苦労することがある。
応力が集中したら梁をやめる。あるいは梁断面を極端に小さくして応力集中を避ける。中間階の梁をやめて、基礎梁と最上階のみとすることもある。
そんなことをやると、フレームの剛性が低下するので、偏心率が大きくなり、Fes=1.5ということになる。

posted by TASS設計室 at 10:07| 構造設計

2022年11月20日

出入り口は有っても相手が準備できない

出入り口は有っても相手が準備できないものがある。僕は無理と判断した。
そんな計画案は没にしてしまえばよいのだが、それを言い出せない人たちがいる。
会社というものは、そんなもので、トップが変な案を言い出すと、取り巻きの人たちはそれを否定することができない。
何かを決める際、何通りもの設計を行い、比較表と見積書を作って説明する。結論は見えているので、そんなもの、簡単に済ませる方法はいくらでもある。大手企業的プレゼンテーションは大げさなものだ。

posted by TASS設計室 at 21:36| 構造設計

2022年11月19日

基礎梁の重要性

基礎梁の重要性を理解せず、工事費を低く抑えることしか考えていない人がいる。
基礎梁にヒンジができず、津着割裂破壊が起きないようにする。
この考え方は、ルート2でも同様だが、ルート2の場合は剪断力の割増し係数を2.0にする。
特に木造4階の設計では、基礎が2階建ての要領で設計されているものを見かける。アンカーボルトのコーン破壊は大丈夫ですか。
鉄骨造ではベースパックなどの納まりを詳細に検討するが、木造のアンカーボルトの場合も、同様の検討が必要である。基礎梁の幅150mmで、振分けを外に60mm、内に90mmとする人がいるが、納まるのですかね。
基礎梁って、何となく基礎があるというものではなく、重要なものなのです。特に木造専業の設計者が鉄骨造や木造4階建てを設計する場合、こんなことを気にして設計するとよいだろう。
基礎がしょぼすぎる設計を見かけるので、こんなことを書いた。
posted by TASS設計室 at 21:38| 構造設計

2022年11月17日

ローコスト鉄骨造

鉄骨径プレファブ住宅メーカー、鉄骨骨組を供給する会社がローコスト鉄骨造を研究している。その中でブレース構造を採用している会社は、ブレースのディテールに大きな特徴のあるメーカーがある。
ブレース構造でありながら、構造特性係数が0.3というものである。簡単に真似のできるものではないが、興味深い。
ブレース構造のβ割増し 1.5倍 というものがあり、木造軸組工法でもスジカイを使わず、構造用合板による耐力壁のみで設計することがある。
同じ構造用合板の耐力壁でも、スチールハウスは構造特性係数が0.5くらいだったと思う。スチールの薄板にタッピングビスで合板を貼るので、初期剛性は高いが地震時の繰り返しの力に弱いことは、何となく分かる。
木造であれ鉄骨造であれ、ブレース構造全般に言えることだが、強度を確保しつつ塑性変形能力の高い耐力壁ができたらよい。
鉄骨造で木造の耐力壁も考えられる。軽量鉄骨造・木造軸組工法・2x4工法を混ぜたようなものである。
間柱だって軸力を負担することができるので、木造軸組工法の間柱を2x4工法のように軸力も負担する壁にしてもよいのではないか。
いろいろ考えられる。
posted by TASS設計室 at 00:43| 構造設計

2022年11月14日

ALCとQLデッキ

鉄骨造の耐火構造の建物は、
@壁はALC
A床はQLデッキ
B杭はe-Pile
C柱脚はベースパック
で出来る。
構造計算ルートはルート3に限る。
3階建てでも、好き好んでルート1で設計することはない。
posted by TASS設計室 at 21:03| 構造設計

4階建ての構造計画

4階建ての計画は下記の方法があるが、EとFは勧めない。
木造の4層を載せるならJが適しているが、コストがかかる。
鉄骨でX方向ラーメン、Y方向ブレース構造も悪くない。
方向別に構造計算ルートを変えることもある。
@RCラーメン
A耐震壁付きRCラーメン
BWRC
CSラーメン
DSブレース構造
E軽量鉄骨造(ブレース構造)
F鉄骨造(ラチス柱)
G木造軸組工法
H2x4工法
IWRC + 2x4工法
JRCラーメン + 2x4工法
posted by TASS設計室 at 17:05| 構造設計

2022年11月12日

一部鉄骨造

部分的に異種構造を用いると、混構造になるだろうか。
RC造に鉄骨小梁、QLデッキを使うこともあるが、その場合も架構はRC造である。
ササラ桁だけ鉄骨にした建物の構造設計概要書に ■木造 ■鉄骨造 と書かれていた。
@木造建築の階段のササラ桁と踏板に鉄骨を使う
ARC造のメゾネットの上階の床を木造にする
BRC造、木造の外部階段を鉄骨造とする
地震時の水平力を負担する構造で判断するので、鉄骨を使っても、木造は木造である。
ところが、付属物をRC造にすると話しが違う。剛性が効いてくる。

posted by TASS設計室 at 10:53| 構造設計

2022年11月11日

同じ建物を4通りの計算

RC造の同じ建物を4通りの方法で計算してみる。
同じデータを利用できるので、容易に比較できる。
@許容応力度計算
A保有水平耐力計算
B耐震診断(2次診断)
C耐震診断(1次診断)
1次診断は壁量計算のようなものなので、構造計算といえるか疑問だが、ルート判別と相関がある。
posted by TASS設計室 at 20:59| 構造設計

構造審査対応の業務

自分で構造設計を行ったものではないが、設計者と審査機関の間に入って、質疑応答を補佐する仕事がある。
審査するつもりで、構造設計図書をチェックし、審査機関や適判から指摘が出てくるであろう項目を書きだしている。
階段で頭が当たるというのは、法適合として、どのように指摘するものか。
4階建てに慣れている設計者ではないので、自分なりに構造設計をやり直しておいたので、いつでも差替え可能である。同じ建物を複数の構造設計者が設計すると、考え方が異なり、プログラムも違うので興味深い。
設計方針の比較表を審査機関と関係者に配布することにする。

posted by TASS設計室 at 15:01| 構造設計

2022年11月10日

オーバーハングの計算が続く

3mの庇の検討を行ったら、今度は渡廊下の跳ね出し4mが出てきた。
非現実的なオーバーハングと思ったが、上から斜めに吊れば良いことを思いついた。
倉庫の庇は上から吊っているではないか。PC鋼棒の出番である。

posted by TASS設計室 at 10:41| 構造設計

2022年11月07日

ルート2の判定について

構造計算ルートがルート2の場合、ルート2の審査ができる確認審査機関なら、適判にまわさなくて済む。
ルート2の審査が出来ない、あるいは引き受けてもらえない場合は、適合性半手機関にまわすことになる。
その際は、別途、適合性判定機関に申請し、判定通知書を得て、それを確認審査機関に提出して確認が下りる。
しかし、適判にまわして審査を受ければ確認が下りるというものではない。法適合確認のため、法的に適合していなければ、どこで審査しても下りることはない。
他社設計の木造4階建ての構造計算書がまわってきたが、作成した設計者は、プレカット屋の構造設計一級建築士である。普段は3階建ての計算を行っているのだろう。
それなりに検討されてはいるが、3階建てに塔屋として4階を載せて4階建てである。恐れ入った。
ダメでもともと。いつでもチェンジできるよう4階建ての構造計算書を作成した。壁は倍率ではなく、剛性で計算した。4階建ては、本来この計算だろう。
そもそも、壁倍率という考え方が僕は嫌いだ。木造に限らず、壁は剛性があって耐力がある。塑性率も関係がある。


posted by TASS設計室 at 17:17| 構造設計

2022年11月05日

任意形状の床配置

変形した建物で、1か所だけ任意形状の床配置ができないところがあった。
スパンを挿入したら不具合が出て、何度試しても配置できないので、任意軸を入れ直したら配置で来た。
関連する部分の部材の配置が乱れてしまうので、やり直し、見直しに手間がかかった。
スパンの分割に絡むデータの配置で不具合が出たら、やり直すほうが良さそうだ。
posted by TASS設計室 at 12:24| 構造設計

2022年10月31日

構造設計の3本柱

構造設計の3本柱はRC造とS造の
@許容応力度計算
A保有水平耐力計算
B耐震診断
である。基本中の基本はRC造で、@〜Bを手掛けると相乗効果が得られる。
木造専業の構造設計一級建築士は、RC造の保有水平耐力計算を学ぶと、WRC造を含む混構造にも対応できるようになる。
支持杭を使うことも増えるので、杭頭モーメントの曲げ戻しの計算も理解し、構造力学で解決する。
posted by TASS設計室 at 17:42| 構造設計

保有水平耐力計算の敷居を低くする

高さ20m以下あるいは16m以下限定で、保有水平耐力計算の敷居を低くすることが必要ではないだろうか。
それに加え、ルート2の計算を一級建築士に開放すべきではないか。偏心率と剛性率の計算を加える程度なので、ルート1もルート2も大した違いはない。
軒高9m・最高高さ13mが高さ16mに緩和されるので、それに合わせて資格の緩和を行ったらどうだろう。
講習会を受講し、簡単な試験で修了証が得られると、ルート2限定の構造設計一級建築士のような資格ができる。
保有水平耐力計算に関しては、啓蒙活動が必要ではないかと思う。小規模な鉄骨造、2x4工法の4階建ての普及に役に立つだろう。
posted by TASS設計室 at 11:54| 構造設計

2022年10月28日

4階建ての設計

4階建てを設計する場合の構造形式と構造計算プログラム
▲はお勧めしない。
★は特にお勧め。
@RC造:BUS-6【高さ20m以下でもルート3が多い】
AWRC造:壁麻呂【平均せん断力法の計算は捨て難い】
BS造★:BUS-6【杭まで一貫計算】
C木造2x4工法★:2x4壁式3
D木造軸組工法★:木三郎【ルート2の計算ができ、適判不要】
E軽量鉄骨造▲:BUS-6【ラーメンのほうがよい】
F混構造★(WRC造+木造2x4工法):2x4壁式3【混構造の計算は最も使いやすい】
G混構造▲(S造+木造2x4工法):BUS-6、2x4壁式3
H混構造▲(RC造+木造2x4工法):BUS-6、2x4壁式3
I混構造▲(WRC造+木造軸組工法):壁麻呂、木三郎
J混構造▲(S造+木造軸組工法):BUS-6、木三郎
K混構造▲(RC造+木造軸組工法):BUS-6、木三郎
混構造の下部構造の計算は、上部構造の荷重を引き継ぐので、特殊荷重の入力機能が使いやすいプログラムが適している。
★印を付けてみると、木造の構造計算は東京デンコーのプログラムの使用頻度が高いことが分かる。

posted by TASS設計室 at 00:27| 構造設計

2022年10月27日

1980年代半ばの設計の改修工事

1980年代半ばの設計の改修工事の構造計算を行っている。当時の構造計算プログラムはシンプルだった。
大手ゼネコン、大手設計事務所でさえ当時は応力計算だけコンピュータで解析し、断面検定は手計算だった。
保有水平耐力計算も手計算で行っているので分かりやすい。
この頃は構造計算プログラムに関する書籍が出ており、それを見ながら BASIC で計算プログラムを作ったものだ。サブルーチンを組合わせ、機能を拡充したが、僕はグラフィックが苦手だった。計算さえできればよいと考えているので、今でもグラフィックは苦手のまま進歩していない。
僕は1987年、BUS-2が発売されたと同時に使い始めた。RC/SRC/Sの計算プログラムである。
https://40th.kozo.co.jp/history.html
posted by TASS設計室 at 14:40| 構造設計