2023年05月09日

鉄骨造の意匠設計、もちろん構造設計も

鉄骨造は意匠設計から行っている。
他の構造の意匠設計も可能だが、意匠設計者の手に余る場合の除き、積極的に受注しない。
木造専業の意匠設計者が、混構造や非木造の設計を引き受けることになった場合などである。
詳細設計ができない人には鉄骨造は難しい。とにかく図面と現場に慣れることで、「百聞は一見に如かず」で、鉄骨製作図と現場を見ることである。
詳細図が描けない人は、手が動かない。知識がない知恵がない。思い当たる人いませんか。
posted by TASS設計室 at 10:43| 鉄骨造

2023年04月27日

施工図・製作図

構造設計者や構造計算プログラムの開発者と意見交換していると、製作図や施工図の話しになることがある。
設計図のデータをそのまま拡大した程度の製作図しか出てこないことや、構造図を拡大しただけの施工図が出てくるという話題になる。
これからは、構造図がそのまま施工図として使えるようにすることになる。これが当面の目標である。
金属工事の図面もレベルが下がったと聞く。鉄骨階段は横森製作所、制作金物は菊川工業や高山建築工業などの製作図を見ていたが、現在は思考が浅くなった。チェックする人も少なくなっている。
全体的に言えることは、ごく少数の設計者を除き、意匠設計者がディテールを描かなくなったことにある。
描かせると描けない人がいる。それでは製作図をチェックすることは難しい。
文字や言語による表現力も低下している。表現する際は、数学や物理の問題のように、一意的に判断できる表現にすることである。建築は理科系? なんて言われることが理解できる。
posted by TASS設計室 at 11:33| 鉄骨造

2023年04月10日

制振ダンパー

制振ダンパーのカタログが届いた。何に使えるだろう。
構造計算ルートはルート3でまとめ、変形を小さくするためにダンパーを入れるという。その解析はメーカーで行ってくれる。効果は30%程度とのこと。
層間変形角 1/120 が 1/150 に、1/150 が 1/200 になるのかな。木造に制振ダンパーを入れたことがあるが、効果は3%くらいらしい。
方杖構造でダンパーを入れる方式だが、そもそも方杖は邪魔である。設備架台につかったらどうかと僕は言った。
posted by TASS設計室 at 17:43| 鉄骨造

2023年03月27日

重量鉄骨と軽量鉄骨

重量鉄骨と軽量鉄骨は似て非なるものである。
スチールハウスも鉄骨造に分類されるが、あれは枠組壁工法でしょう。
鉄骨造の設計の経験があるという人も、重量鉄骨なのか、軽量鉄骨なのかで理解する内容が異なる。
鉄骨造といわれて何をイメージするか、理解は千差万別である。
漠然と鉄骨造と理解し、お化粧にだけ興味をもつ設計者も少なくない。
よく食べる魚だって、シラス(真イワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシなどの、主にイワシ類の稚魚)からマグロまである。
posted by TASS設計室 at 10:18| 鉄骨造

2023年03月10日

ディテールを描き始めるとキリがない

鉄骨造はディテールを描き始めるとキリがない。
気になる所が結構ある。柱脚の配筋から始まり、屋根の防水、水切り等々である。久しぶりに本気になって図面を描くことにする。はっきり言って、住宅系の設計者は甘い。
日影図は作成してあるので、中高層の申請は書類が整えば提出できる。
posted by TASS設計室 at 08:38| 鉄骨造

2023年03月07日

鉄骨造の設計はディテールが分かる人

鉄骨造に限らないが、特に鉄骨造の実施設計はディテールが分かる人が行うに限る。
そうではいと、あれが分からない、これが分からない、ということになり、始末に困る。
設計者は現場監督ができるくらいの知識が必要である。現場を見ている人は、実感として理解しているので強い。ディテールが描けない人は、アドリブが苦手な人に多い。自分が施工しているつもりで図面を描くとよい。手や工具が入るか、どのように取り付けるか、ボルト1本、溶接を意識する。
構造設計者のほうが施工現場に詳しい人が多い。それはディテールと力学と計算が総合的に身に付いているからだろう。
posted by TASS設計室 at 17:03| 鉄骨造

2023年03月04日

初めての鉄骨造

意匠設計者で最も技量の差が出るのは住宅系の鉄骨造である。RC造は設計できるがS造は設計できないという意匠設計者がいる。逆に構造設計は、S造はできるがRC造はできないと言い切っている構造設計者がいる。
一般的な鉄骨造は、柱をBCR295としたラーメン構造で、外壁はALC、床はQLデッキというものである。
お決まりのワンパターンである。外部廊下やバルコニーの床を下げるのは、梁成の差を利用して段差をつける。
鉄骨とALCの関係が理解できれば設計できる。
木造住宅の設計者が鉄骨造を設計すると、木造住宅的なものになる。この人、分かっていないな、と思うことも多々ある。断面をイメージしてプランニングすることが肝要である。
床の下には梁があることを分からせるために、意匠図の平面図に梁を点線で示すこともある。水回りやPSの計画に必要である。天井に梁形が出る場合は、天井が下がることを図面に示す。断面図を見れば分かることでも、気づかない人がいる。20枚程度の図面は、ひと通り目を通したら、どこに何が書かれているかくらいは記憶に残るものである。配管が通りそうもないPSもあれば、余裕のありすぎるPSもある。
posted by TASS設計室 at 09:50| 鉄骨造

2023年02月04日

鉄骨階段詳細図

意匠図と構造図兼用で、鉄骨階段詳細図を作成する。
施工手順を考慮して図面化する。鉄骨のファブからは、構造図を引き伸ばした程度の製作図しか出てこないので、そのまま製作可能な図面を作成する。小規模鉄骨造は、製作図として使える構造図が必要である。
1/200の縮尺で図面を作成する大型の建物のほうが構造設計は楽だ。

posted by TASS設計室 at 21:45| 鉄骨造

2023年01月16日

鉄骨系プレファブと鉄骨造

鉄骨系プレファブや大手企業の鉄骨造が注目されている。
施主は大手ハウスメーカーのショールームに行き、その建物を気に入ってしまう。
そこで見積りを見てびっくり、現実の世界に引き戻される。何が気に入ったかというと、設備やバリアフリーとか、表面的なものである。そのくらいのことは、従来の設計で対応できる。
構造コストに注目する際、分かりやすいので基礎と鉄骨に注目するが、それらをいくらいじっても限界がある。
中小の会社は、大手企業にできない計画を行うことである。斜面地、変形した敷地、狭小地の計画で威力を発揮する。大手企業は、そのような敷地に手を出さない。
設計の初期段階で、意匠設計者の技量にかかっている。ひと睨みで完成形をイメージするのが設計者である。
いじくりまわすことが意匠ではない。
夢をふくらました設計を行い、見積りを見てびっくり。構造コストを下げたいという。それなら、最初から躯体コストを下げた設計を行えばよいではないか。そこに肉付けを行うのである。
計画上の制約はあるが、大手企業のプレファブ建築は総合的に良くできている。



posted by TASS設計室 at 16:55| 鉄骨造

2022年12月29日

柱は細ければよいですか

柱は細ければ満足ですか?
柱梁の断面が小さすぎると、S造では接合部の設計が難しくなり、ボックスジョイントなど特殊な方法を採用しないと納まらないことがある。
プレファブメーカーで、大量生産する会社なら、それもよいが、一品生産的な建物には不向きである。
接合部にM12を使うことも考えたことがあるが、どうも心配でM16を使いたくなる。そうするとH形鋼のフィレットに当たり、テーパー座金を使わなくてはならなくなる。細い部材で設計することは難しい。ディテールから攻めて行く。凝ったディテールを採用すると、鉄骨製作費が割高になる。
柱をトラスにした鉄骨骨組みを販売する会社もあり、構造設計から任せることができる。このような構造は手慣れた会社に依頼するほうがよい。保有水平耐力計算は行わず、構造計算ルートはルート2で行うほうが良さそうだ。
posted by TASS設計室 at 08:31| 鉄骨造

2022年11月26日

ローコスト鉄骨造

RC造の耐震壁をエレメント置換して計算する際、壁の中央に縦に剛性の高い柱を設定する。鉄骨造のブレースの代わりに、こんな方法がないかと思ったら、既に積水のシャーメゾンが有った。
大和ハウス工業の枠付きブレースも、ブレース構造でありながら塑性変形能力が高い。鉄骨系プレファブメーカーはよく研究している。
全ての構造に言えることだが、耐力壁は奥が深い。
これらの特徴を比較したものが月刊誌に出ていないか探している。
建築技術、建築知識、日経アーキテクチュアに出ていないかな。
昔、建築技術に書かれていた記事だが、鉄骨造もあえて4号建築として設計するということを思い出した。
あえて4号建築である。
許容応力度を満たせば、構造に関する細則を除外しても良いというものである。これは審査が簡略化されると言うことであって、構造に関する細則を無視しても良いというわけではないと思う。
逆に保有水平耐力計算を行っても、4号建築というものもある。
posted by TASS設計室 at 11:34| 鉄骨造

2022年11月25日

鉄骨造の構造設計

鉄骨造の意匠図作成は、構造設計事務所に依頼していただくほうが良さそうです。
意匠図と言っても、平面図・断面図・矩計図に基礎伏図・基礎断面図を設計の初期段階に渡すので、そこから仕上を考えていただく。鉄骨造のよいところは、開口部の位置を自由に決めることが出来ることである。
ALCの割付けのこともあるが、考え込まず、好きなように窓の位置を決めればよい。

柱の位置、梁の位置を決めることから始め、鉄骨階段とエレベーターまわりをまとめる。
そこまでやれば、木造専業の設計者にも鉄骨造の設計ができる。
普通の鉄骨造は、お決まりのディテールの組合せなので、ALC、QLデッキ、折版、e-Pile の納まりを理解すれば設計できる。
構造設計者の協力があれば、鉄骨造は難しくないですね。
                  
posted by TASS設計室 at 15:20| 鉄骨造

2022年11月24日

鉄骨造の意匠設計

鉄骨造は意匠設計も行う。
木造、RC、WRCは意匠設計者はお手のものだろうが、鉄骨造の意匠設計が苦手な人を見かける。
特に木造住宅専業の設計者が鉄骨造を手掛けると、慣れていないことが分かる。
構造図の伏図、軸組詳細図を先に作成することにする。それに肉付けをしていただく。
鉄骨階段はデザインの余地があるので、好きなように考えていただくことができるが、力の伝達に関しては任せていただく。施工性に影響する。
普段はエレベーターを使うので、避難階段が付いていればよいという程度なら、経済性を重視した無難な納まりにする。
posted by TASS設計室 at 16:40| 鉄骨造

2022年08月28日

鉄骨造はディテールを知らないと設計できない

縮尺 1/200 の図面でも、頭の中は原寸である。
特に鉄骨造の場合は詳細設計に慣れないと設計できない。逆に言うと、ディテールが分かれば設計できる。
都会は狭小地の建物が多いので、仮設工事も理解して基本設計を行う。RC造は設計できても、鉄骨造の設計が苦手な意匠設計者は少なくない。たから鉄骨系プレファブが注目される。
1/200の図面を、どんどん拡大していって、最後は1/1になる。
posted by TASS設計室 at 16:54| 鉄骨造

2022年05月20日

JFEのカクホット

JFEのカクホット
これは使えそうだ。
https://www.jfe-steel.co.jp/products/koukan/catalog/e1j-028.pdf
適合するベースパックがないが、そのうち、どこかのメーカーが出すかもしれない。たまには自分で柱脚の設計を行うのも良い。
強引に柱を200角で設計する場合など、BCR295は肉厚12mmまでしかないが、カクホットにすると肉厚を16mmや19mmにすることができる。それ以上の肉厚は不経済すぎる。最後の手段だ。
posted by TASS設計室 at 02:35| 鉄骨造

2012年09月07日

鉄骨造の縦増築

 1991年築のS造3階建ての3階のルーフバルコニーを部屋にしたいと言う。
約38uの増築である。
事前協議も終わり、何とか申請できる道筋ができた。

柱が STKR400 であるため、ルート3で計算しても、柱梁耐力比 1.5 が付いてまわる。
(技術基準解説書 P.327)
出来上がっている建物なので、今さら柱梁耐力比を 1.5 にすることはできない。

 冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル(日本建築センター)の旧版のQ&Aの47番目、STKRの柱材が塑性化しないで、Ds=0.45が確保されている場合は、柱梁耐力比の検討は不要という記述に救われた。
計算結果は、塑性率=最大変形 / 弾性限界変形 = 0.96 < 1.00 である。

posted by TASS設計室 at 14:52| 鉄骨造