2025年08月29日

計算していると疑問が出る

1日、現場を歩いただけでは、図面はあるものの疑問が出てくる。まさに「現場百篇(げんばひゃっぺん)」である。
製本した図面にチェック項目を書き込み、机上で検討してから現場に行く。現場に行くにしても宿泊先を準備し、前日のうちに現場近くまで行く。ゆっくり温泉に入ることができる宿を予約した。

昔、現場の設計室にいた時は、気になるとヘルメットをかぶって現場を見に行った。歩く時はタワークレーンが旋回していない昼休みとした。後は17時過ぎに、一旦作業が止まった時に行った。
休憩時間に競馬新聞を見ていた職人たちがいた。当たりもしないのに、もったいないではないか、と言ったら「俺たちは、こんなことしか考える事がない」と言われた。
鉄筋に関しては、並みの現場監督より鉄筋屋の職長のほうが話しが通じた。構造設計出身の現場監督や、ジョブローテーションで構造設計から一時的に現場に来ている監督もいた。

posted by TASS設計室 at 10:15| 耐震診断

2025年08月28日

除却した建物を特定する

記載事項証明に記載されている面積を追いかけていると合計が合わない。
除却した建物を特定し、面積を減ずると帳尻が合うかもしれない。図面と書類を見比べると、何となく理解できる。急がばまわれ、エクセルで面積表を作成し、年代別に増減を考慮して延べ床面積を求める。
改修工事に伴う、手続きの必要のない増築もあるだろう。最後の増築で検査済証が交付されているので、役所の台帳には適法として記録が残されているに違いない。
posted by TASS設計室 at 09:48| 耐震診断

2025年08月27日

過去50年の変更の経緯

図面を4冊に分けて製本し、検査済証と見比べ、過去50年の変更の経緯を見比べてメモを加えている。
わずかな面積でも増築の手続きを行っており、几帳面な所有者と思われる。
増改築の経緯を追いかけると、設計途中の図面もあるようだ。最終形で耐震診断を行えばよいが、途中経過が気になる。図面の日付が読みにくいものがあり、モニター上で拡大しても判読できない。同じような古さ加減の図面と比較して判断する。
鮮明といえば、昔、現像と焼付を頼むと、コントラストが強すぎる写真屋があった。警察の鑑識課出身のオヤジだった。白黒はっきりしてよいが、証拠写真ではない。
posted by TASS設計室 at 21:09| 耐震診断

2025年08月26日

なぜ図面を見て分からないのか

耐震診断の相談を受けるが、どのような図面が保存されているか見ても分からない人がいる。
相談を受けた人が図面がたくさんある、という程度しか分からず、ビデオ通話で見せてもらうことがある。
建設業や不動産の営業など、建築設計に近い人たちでも見ようとしない。数十枚の図面を眺めれば済むことなので、ひと通り眺めると必要な情報が得られる。情報がないということが判明することもある。
RC造なら築年度で柱の帯筋(Hoop)の間隔が異なる。
posted by TASS設計室 at 04:07| 耐震診断

2025年08月24日

軽量鉄骨造の耐力は鉛直ブレースで決まる

軽量鉄骨造の耐力は鉛直ブレースで決まる。Is値ではなくq値で判定する。
リフォームする際に内壁をはがし、鉛直ブレースとブレース端部の部材断面と溶接長を実測する。
工業化住宅の耐震診断は、同工業会から耐震診断の指針が出ているので参考にする。
一貫計算プログラム DOC-Sを使うと容易に判定できる。
posted by TASS設計室 at 06:53| 耐震診断

2025年08月13日

ハツリ調査の費用

見積りをつくらせると時間がかかるので、耐震診断の現地でのハツリ調査の費用を勝手に決めて発注したら、ギリギリ予算内に納まった。葛飾区金町の業者に佐渡まで来てもらうので、初日は午後3時頃からの作業になる。早朝に金町を出れば、昼頃のフェリーに間に合う。彼らはフェリーに乗っている間の2時間半は休むことができる。
交通費や作業員の宿泊費、ハイエースを想定したフェリー代も考慮した。作業員3人で3日間の作業だが、作業ができるのは正味1.5日で、最終日は片づけて終わる。
優先して日程を決めてもらえたということは、彼らにとって割りの良い仕事に違いない。経費と消費税込みで170万にした。半分は旅行気分で、美味しいものを食べで飲むこともできるが、飲みすぎ注意。
鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の中の鉄骨と鉄筋を調べることが目的で、レーダー探査を行うのは1台400万くらいのBOSHの機械である。最新の機械を使い、表面からの深さが30cmまで探査可能とのこと。
CTスキャナのように、柱の断層写真が出てきたらよいが、そのような機械は存在しない。柱に穴をあけてノギスで測るという原始的な方法で確認する。
9階建ての1階・4階・7階の柱を調べる。ホテルを廃墟にしないための耐震診断である。
posted by TASS設計室 at 20:37| 耐震診断

2025年08月01日

耐震診断を行い、旧基準のビルを再生する

大規模修繕を行い、旧基準のマンションの見た目をきれいにすることには熱心だが、それで構造的な弱点が改善されるものではない。
Is値が0.3に満たず、東北の地震で耐震壁に大きな亀裂が入ったマンションが都内にある。100gal程度の水平力で、このような被害が出たと言うことは、かなり危険である。大規模修繕の前に耐震補強でしょう。
震源の方向で被害の出方は異なるが、見事に鉛直ブレースが破断した体育館がある。方位を調べたら、震源の方向とほぼ一致した。
賃貸マンションや事務所ビル、商業ビルのほうが補強しやすいが、分譲マンションは意見がまとまらず、補強を諦めたものがある。行政により温度差はあるが、既存遡及の厳しさの問題もある。
事前協議は法規を理解し、行政と話し合うことができる構造設計事務所に依頼すると良いだろう。

東京都内で旧耐震基準のマンションは約26万7623戸存在する。これは首都圏全体の旧耐震マンションの約6割を占める。旧耐震基準は1981年(昭和56年)6月以前に適用された建築基準だが、建築学会のRC規準 1971年(昭和46年)で設計されたマンションは新耐震には満たないものの耐震性が高い。微妙な年代の建物の場合は、図面か鉄筋探査を行い、柱の帯筋の間隔が10cmであることが分かれば安心できる。
新旧の基準で地震層せん断力を比較してみると感覚がつかめる。
posted by TASS設計室 at 08:34| 耐震診断

2025年07月27日

SRC造の柱の調査

構造図が保存されていないSRC造の耐震診断を行う場合、鉄骨の調査が必要になる。
かなり費用がかかるが、発注者は、このような調査をイメージしにくいので、半信半疑のまま金額だけが独り歩きする。過去に実測した際の写真と生データを見せても、よく分からないらしい。実感として理解させるには、現場を見せるしかない。
このくらいのことをやらないと、耐震診断ができない。この方法で評定を取得したSRC造のマンションが2つある。構造図が行方不明になるのは、建物の管理者が図面を貸し出すからである。キンコーズなどに依頼し、図面をデジタル化してから渡すようにしよう。
構造計算書は見ても分からないので粗末に扱われるが、構造計算書があれば構造図を復元することができる。この方法で構造図を復元したこともある。

レーダー探査を併用してハツリ調査で内部の鉄骨を調べる。
【柱脚】埋め込み柱脚かピンかの判断は、ベースプレートの有無で判定する。
ピンの場合は、1階の柱脚の主筋が、柱頭と比べてかなり多い。
【鉄骨】フランジの鉄骨は、かぶり厚さが125〜150なので、深く掘らないと実測できない。
ウェブはフルウェブかラチスかを判断する。ウェブの位置まで何か所かドリルで穴をあけ、鉄骨に当たったらフルウェブで、当たらないところがあればラチスである。
どこの階まで鉄骨が入っているか判定するには、レーダー探査によるが、念のためドリルで孔をあけてフランジに当たるか確認する。
【鉄筋】D25が使われていることが多いので、ハツリ出したときにノギスで測る。異形鉄筋のワンサイズ違いは判定しにくいので、短く切った鉄筋を持って行き、並べてみる。
帯筋の径と間隔はハツリ出したときに分かる。
posted by TASS設計室 at 13:41| 耐震診断

2025年07月09日

耐震診断の現地調査

木造住宅でも耐震診断の現地調査は建築士が行うが、見て分かる建築士が行うことが必要である。
少しでも基礎にひび割れがあると、評点を0.7倍に低減する人もいる。補強工事の営業をやっているのですかね。
それは地盤調査会社にも言える。1か所でも自沈層があると、それだけで地盤改良に誘導する。地盤改良業者と連携した地盤調査に思える。建物にとって基礎は大切だと言われると、施主は心配になり、勧められるままに地盤改良を行う。
マンションの耐震診断を行っても、補強工事に進まないものもある。補強工事の計画は、どこにブレースを入れるかという議論がある。分譲マンションでも半分以上が賃貸になっているものも少なくなく、賃貸の持ち分の中でやり繰りすると補強計画がやりやすくなる。
どうせ補強できないなら、耐震診断を行っても心配の種が増えるだけなので、結果は知らないほうがよい。
わずかにIs値が基準を下まわる程度なら、補強はあきらめるという選択もある。ピロティに関してはIs値が0.4未満の場合は東京都から工事費の助成が受けられるようになった。

1. 補助対象者・建物
旧耐震基準の分譲マンションの管理組合
※補助対象者は、事業を実施する設計者、補強工事の施工者又はマンション管理会社に手続の代理を委任することができます。
ピロティ階等(原則、地上1、2階のIs値が0.4未満)を有するマンション
令和6年度の申請から延べ面積1,000u未満のマンションも対象とする。
https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/taishinka/05pilotis.html



posted by TASS設計室 at 08:50| 耐震診断

2025年06月20日

マンション管理組合の理事会

複数の案件で、マンション管理組合の総会の決定待ちである。
「やっぱり、やらない」という選択もあるだろう。どのマンションも見るからによくできているので、耐震診断を行い、Is値が若干低かったとしても、大きなダメージはないと思う。
計算してみたところ、Is値が 0.58 < 0.60 という程度のものもある。だからどうなの、である。
鉄骨造でIs値は 0.7〜0.8 で、 q値が 0.98 < 1.0 などというものがあったが、ルール通りに診断すると、このような結果になるというだけである。補強工事を目論んでいた会社や設計者は、当てが外れただろう。
今回は Is値が0.3に満たないマンションはなさそうだが、過去に耐震診断を行ったビルやマンションで、いくつかは危険と思われるものがある。震源の方角で結果は異なるので、震源を想定し、地震の方向を変えて計算することもできる。蛇足だが、45度方向に地震力をかけて計算することもある。壁が付いていない出隅の柱は厳しいが、意外と満足するものである。
posted by TASS設計室 at 19:43| 耐震診断

2025年06月15日

耐震診断には構造図が必要

耐震診断には構造図が必要だが、保存されていない建物がある。
大切にしまい込んでいることもあれば、情報の重要性が分からず、邪魔者扱いされていることもある。
設備図は残っていることが多い。メンテナンスに必要なので意匠図よりも重宝される。構造計算書は残っていないことが多いが、構造図が無い場合は、構造計算書が頼りになる。構造計算書から構造図を復元することができる。
資料はどんなに歯抜けになっても、あれば役に立つ。どこかに紛れ込んでいることもあるので、残されている資料を隅から隅まで見る。ボロボロの図面が、大きな段ボールに入っている。
耐震診断を行う予定があれば、紙の図面をデータ化する。モノクロコピーすると判読できない図面でも、カラーの画像データにすると読みやすくなる。データ化する人は、機械的に作業するのではなく、読めるかどうかチェックしながら図面をスキャンする。
現地調査を行い、構造図を復元することがある。ハツリ調査を行いSRCの鉄骨を調べる。鉄筋径はハツリ調査で判断するが、鉄筋の本数や帯筋の間隔はレーダー探査で判明する。レーダー探査を行う人と構造設計者の二人三脚の作業になる。大変な作業である。どのような作業を行うか、過去の事例があるので、それに倣って行うことにする。作業量を把握できるので、見積りも正確に出すことができる。
出張作業の場合は、交通費・宿泊費・懇親会費を考慮する。大変な作業なので、皆さんご苦労さんである。



posted by TASS設計室 at 22:46| 耐震診断

2025年06月13日

意匠設計者向けの耐震診断マニュアル

意匠設計者が元請けで、客に説明することがあるので、意匠設計者向けの耐震診断マニュアルが必要だ。
その場しのぎの知識が必要なことは理解できる。ChatGPTなどAIの出番になるのだろうか。AIのほうが仕事ができるかもしれない。
posted by TASS設計室 at 20:28| 耐震診断

2025年06月01日

意匠設計事務所が手を出したがらない耐震診断

耐震診断や補強設計は、意匠設計事務所が手を出したがらない。
管理組合と話したり住民説明を行うことは、中高層建築の申請で近隣住民に説明するようなものではないか。部外者ではないので、顔ぶれは容易に把握できる。
耐震診断・補強設計・補強工事の監理と3年続く業務である。管理組合の理事たちは耐震診断や補強工事に関する知識があり、デザイン主体の意匠設計者には対応が難しいと思うが、行政に対する補助金申請の段階から構造設計事務所に相談すれば、意匠設計事務所が耐震診断業務を請けることができる。やればできる。

posted by TASS設計室 at 20:17| 耐震診断

2025年05月30日

鉄骨造住宅の耐震診断

鉄骨造住宅の耐震診断の現場を見てきた。構造は良くできていたが、仕上のディテールがイマイチどころか、行きあたりばったり、おっ付け仕事でひどいものだった。バルコニーの手摺の笠木は脳天シールで、シールが切れたら水が差し込む。1階の外部のRC立上りが低く、雨が吹き付けると横目地から水が浸入する。デザイナー特有のセンスで設計されていた。
ディテールの設計に慣れていない人が設計したものと思われる。そういえば、何年経っても雨漏りが直らない建物がある。設計者はデザインに凝り、無知な施工者が施工した建物である。普段は木造2階建て住宅を施工している会社が、たまに鉄骨造を施工すると、こんなことになることがある。
posted by TASS設計室 at 22:27| 耐震診断

2025年05月28日

耐震診断を行うきっかけ

ホームインスペクションの報告書が送られてきて、鉄骨造の住宅の耐震診断を行いたいと言う。
書類を見ると、雨漏りや劣化の調査が行われ、構造強度に関しては言及されていない。
新耐震基準の建物で、確認時の構造計算書と構造図があり、保有水平耐力計算が行われていることが分かった。検査済証がないので、買い主が耐震診断を要求したのかもしれない。検査済証が無いだけで、違法性は見当たらない。検査済証があっても違反建築は存在する。
posted by TASS設計室 at 14:39| 耐震診断

2025年05月14日

鉄骨造耐震診断と保有水平耐力の比較

鉄骨造耐震診断と保有水平耐力を比較したが、Dsの計算とF値の計算の違いや、耐力の評価がの違いで、保有水平耐力計算のほうが厳しい結果になった。このくらいが妥当だろう。Qu/Qun > qi では都合が悪い。耐震診断をやりたくなくなる。
耐震診断は Is=0.8 、qi=1.05 で、Qu/Qun=0.9 になった。保有水平耐力計算は参考のための計算ゆえ、追求しないことにする。qi は耐震診断で保有水平耐力の判定なので、Qu/Qun と等しくなると気持ちがよいが、そうは問屋が卸さない。建物は問屋の倉庫だった。
昔の鉄骨造は、グレードを持たない工場で製作する場合は、溶接部の耐力を0.9倍にする計算が行われていた。
posted by TASS設計室 at 21:50| 耐震診断

2025年05月08日

F=1.0でIs<0.6

F=1.0あるいはF=1.27のSRC造でIs<0.6の建物がある。スリットを入れればIs≧0.6 になると思っている人がいるようだが、スリットを入れると耐力が下がるので、そういうわけにはいかない。計算してみれば分かる。
それを見極めることから補強設計を始める。
posted by TASS設計室 at 18:02| 耐震診断

2025年05月04日

年代別構造の特徴

築年度により構造が異なる。
RC造は1971年の規準からHoopの間隔が10cmになり、新耐震以前ではあるものの耐震性は向上した。
鉄骨造はグレードを持たない工場で製作する場合、溶接部の耐力を0.9倍にして計算していた。柱脚は根巻きか埋め込みが採用され、鉄骨径の2.5倍程度を埋め込み、柱脚を剛としていた。根巻き柱脚の場合は、見るからにRCの立上りがあるので外見で判断できる。
日の字柱が採用されていた時期もあり、H形鋼の弱軸方向にカバープレートを付け、角形鋼管もどきものとしていたが、仕口に不連続部分が生じやすく、弱軸方向の評価が難しい。
F値を1.0とすると安全側になるが、まともな角形鋼管なだDs=0.25の場合、F=4.0相当なので、それを1.0とすることには抵抗がある。小規模な建物の日の字柱は、H形鋼の弱軸でも成り立っていることがあり、その場合はカバープレートを付けないH形鋼として成り立てば、F=1.0にする必要はないと考えている。
ブレース構造で、長期荷重時の軸力を負担するためにカバープレートを付けた日の字柱としている建物もある。
仕口部分に溶接強度を増すための補強プレートを付けたものもある。
posted by TASS設計室 at 22:48| 耐震診断

2025年05月03日

木造の補強設計は精密診断

木造の耐震診断は一般診断でも、補強設計は精密診断のほうがよい。
補強設計も一般診断で行うことは可能だが、より正確に評価するためにも精密診断がよいのではありませんか。

posted by TASS設計室 at 21:21| 耐震診断

2025年04月29日

図面のないマンションの耐震診断

図面のないマンションの耐震診断および耐震改修は、何棟か経験があり、評定を取得している。
SRC造はハツリ調査を行い、鉄骨がどこまで入っているか、フランジの寸法を実測しラチスがフルウェブかを見極める。鉄筋径はノギスで測っても良く分からないので、短く切った異形鉄筋を用意して並べる。鉄筋の本数や帯筋の間隔はレーダー探査で分かる。この作業が最も大変なところで、レーダー探査に慣れた人と二人三脚での作業である。
あらかじめ調査会社が調査を行い、図面が復元された建物の耐震診断も行ったが、そこまで準備ができている建物は稀である。調査に相当な費用がかかっている。
posted by TASS設計室 at 06:09| 耐震診断