2023年03月26日

耐震診断の現地調査

耐震診断の現地調査は構造設計者が行うに限る。
図面が保存されていないRC造、S造の耐震診断の需要があるが、現地調査と図面の復元が仕事である。
2階建てなら1次診断で判定できることが多いが、3階建て以上になると2次診断が必要になることがある。
2階建てと3階建てが複数棟の老人ホームの耐震診断で、壁式構造ありラーメンありというものだったが、一部の建物で1次診断でIs値が0.8を下回ったので、2次診断を行ったものがある。耐震壁が多い方向は1次診断で判定することができた。
耐震診断は1次診断と2次診断を連続して行うことができるので、一気に計算することが可能である。
鉄筋探査や鉄骨の実測は、建設当時の構造計算規準を理解している構造設計者が行う。見て得られる情報が違う。
作業員を連れて実測と斫り調査を行ったことが何度かあり、その資料で耐震診断を行い評定を取得している。
SRC造は鉄骨のフランジの寸法と厚さ、ウェブの厚さを実測する。ウェブは、フルウェブかラチスかを見極める。レーダー探査により鉄筋の本数や深さも分かる。
柱の主筋は、RC規準の最小配筋量として計算することもある。主筋の本数と帯筋の間隔は鉄筋探査で分かる。
posted by TASS設計室 at 21:34| 耐震診断

2023年03月14日

旧耐震の鉄骨造

旧耐震の鉄骨造は溶接に不安がある。完全溶け込み溶接が不完全で、隅肉溶接ののど厚が不足しているものが見られる。梁の接合部も、保有耐力接合になっていないものもある。結局、接合部の調査がポイントになる。
超音波探傷試験を行ったら、ほとんど全滅の建物があった。
接合部がしっかりしていれば、耐震性はそこそこある。
posted by TASS設計室 at 23:19| 耐震診断

2023年02月07日

リモートで耐震診断の書類チェック

遠隔地の耐震診断で、現地の設計者に動いてもらうが、構造計算書を見ても分からない建築士は少なくない。見慣れていないこともあり、数百ページの構造計算書を見ると怖じ気づくようだ。
移行期の建物は旧耐震の建物でも新耐震の基準で設計されているものもあるので、構造計算書をチェックする。
先ず、構造図の柱リストと配筋詳細図を見て Hoopのピッチが 100 になっているか確認すると、当たり前のことだが1972年のRC規準で設計されていることが分かる。次に構造計算書の地震時の層重量のところで、Ai分布の計算が行われているか見る。数ページの計算を見れば分かる。
スマホのビデオ通話で対応できる。スタンド式のスキャナで主要な図書をスキャンしてもらうと分かりやすい。KINKO'SでPDFにしてもらうよう頼むともある。
旧耐震の建物でも新耐震基準で構造計算が行われていれば、新耐震基準と同等とみなすことができる。
ルート判別もお忘れなく。
posted by TASS設計室 at 19:43| 耐震診断

2023年01月19日

「異次元の対策」

「異次元の対策」は何でも良いけど、新耐震基準のビル、マンションも耐震診断を行おう。
各地の行政では専門の課があり、補助金を活用できる体制が整っている。
地震は局地的なものだから、震源から100kmも離れれは被害は格段に少なくなる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c7cb77a54b481e4d1a9725618a4b5f37d64d886?fbclid=IwAR2WY48k3sSrLWU2E1x6vFGYprkRykppk2t4rLbrwd3YpUGeNILlotmGDiY
posted by TASS設計室 at 12:41| 耐震診断

2022年08月27日

軽量鉄骨造の耐震診断

定期的に軽量鉄骨造の耐震診断の依頼がある。
メーカー製の軽量鉄骨造は防錆処理が良いため、建物の劣化が少ない。工業化住宅の耐震診断は独特の基準があり、その基準に従って結果のまとめを行い、q値のみで判定する。
posted by TASS設計室 at 12:36| 耐震診断

2022年06月24日

ラーメン構造と壁式構造

鉄筋コンクリート造にはラーメン構造と壁式構造がある。
建物を見て、柱が出ていたらラーメン構造、柱が出ていなければ壁式構造である。
見れば分かるものだが、区別がつかない人がいることに驚く。構造は自分には関係ないと思っているので、見ようとしないのかもしれない。
posted by TASS設計室 at 00:58| 耐震診断