図面のないマンションの耐震診断および耐震改修は、何棟か経験があり、評定を取得している。
SRC造はハツリ調査を行い、鉄骨がどこまで入っているか、フランジの寸法を実測しラチスがフルウェブかを見極める。鉄筋径はノギスで測っても良く分からないので、短く切った異形鉄筋を用意して並べる。鉄筋の本数や帯筋の間隔はレーダー探査で分かる。この作業が最も大変なところで、レーダー探査に慣れた人と二人三脚での作業である。
あらかじめ調査会社が調査を行い、図面が復元された建物の耐震診断も行ったが、そこまで準備ができている建物は稀である。調査に相当な費用がかかっている。
2025年04月29日
図面のないマンションの耐震診断
posted by TASS設計室 at 06:09| 耐震診断
2025年04月28日
スリットを設ければIs値が上がるとは限らない
スリットこそ命のようにスリットに過度に着目する人がいるが、短柱や極脆性柱がないのにスリットを入れても耐力が下がるだけである。
そもそも耐力が足りていないのである。構造計算はシミュレーションであり、繰り返し計算を行い感覚をつかんだうえで補強方法を考える。
そもそも耐力が足りていないのである。構造計算はシミュレーションであり、繰り返し計算を行い感覚をつかんだうえで補強方法を考える。
posted by TASS設計室 at 07:57| 耐震診断
2025年04月27日
無用な補強工事
耐震診断の結果に従わず、無用な補強工事を行った大規模マンションがある。
補強を行うことは悪いことではないが、やりやすい所だけに手を加えたと疑いたくなる。やりにくい所はそのままにされている。スリットを入れれば済むと考えているようだ。
内輪で都合よく処理したかったのかもしれない。今頃になって耐震改修評定を取得する気になったようだ。当初の耐震診断は、評定は取得していないものの、行政に報告を行っている。
今の状態では耐震基準適合証明書を得ることはできない。関係者は何をやろうとしていたのだろう。
その中に1人、今まで行ってきたことに疑問を持つ人がいることが分かった。
補強を行うことは悪いことではないが、やりやすい所だけに手を加えたと疑いたくなる。やりにくい所はそのままにされている。スリットを入れれば済むと考えているようだ。
内輪で都合よく処理したかったのかもしれない。今頃になって耐震改修評定を取得する気になったようだ。当初の耐震診断は、評定は取得していないものの、行政に報告を行っている。
今の状態では耐震基準適合証明書を得ることはできない。関係者は何をやろうとしていたのだろう。
その中に1人、今まで行ってきたことに疑問を持つ人がいることが分かった。
posted by TASS設計室 at 22:18| 耐震診断
2025年04月20日
耐震基準適合証明書の有効期限
耐震基準適合証明書の有効期限は、基本的に現地調査実施日から2年間で、証明書が発行された日から2年間ではないそうだ。
なぜ有効期限を定めているのだろう。現地調査を行い、その時点での基準に従い耐震診断を行ったのだから、建物に手を加えない限り有効としても良いのではないだろうか。
期限が過ぎたら再び現地調査を行い、建物の形状を確認しなければ、証明書の再発行ができないという決まりは、勝手にリフォームされたか確認するためだろう。
なぜ有効期限を定めているのだろう。現地調査を行い、その時点での基準に従い耐震診断を行ったのだから、建物に手を加えない限り有効としても良いのではないだろうか。
期限が過ぎたら再び現地調査を行い、建物の形状を確認しなければ、証明書の再発行ができないという決まりは、勝手にリフォームされたか確認するためだろう。
posted by TASS設計室 at 23:51| 耐震診断
2025年04月16日
発注者側にもコンサルが必要
複雑な話しになると、専門知識のない人が集まって話しをしても収拾がつかない。そこに1人、発注者側のコンサルとして構造設計者が入ると交通整理ができる。もちろん、その人次第だが。
右往左往しているマンション管理組合を見ていると、そんなことを感ずる。
右往左往しているマンション管理組合を見ていると、そんなことを感ずる。
posted by TASS設計室 at 09:31| 耐震診断
2025年04月06日
2025年04月05日
2025年04月04日
2025年04月01日
2025年03月27日
1971年規準のRC造
1971年規準のRC造はHoopの間隔が10cmになり、旧耐震ではあるが耐震性が向上した。それ以前の建物とは大きく異なる。
posted by TASS設計室 at 01:09| 耐震診断
2025年03月19日
工場・倉庫の耐震補強
工場・倉庫の耐震補強を行い、建物を安心して使いたいと言う要望がある。
補強できない建物はないが、費用対効果を考えると、諦めたほうがよい場合もある。
元の建物に継ぎ足し、さらに継ぎ足された建物もある。一部を解体して整理すると、まとまりのある状態に戻る。
今後は耐震補強が増加することは確実である。
注意すべきは増築である。構造以外の是正事項を調べた上で設計する。
補強できない建物はないが、費用対効果を考えると、諦めたほうがよい場合もある。
元の建物に継ぎ足し、さらに継ぎ足された建物もある。一部を解体して整理すると、まとまりのある状態に戻る。
今後は耐震補強が増加することは確実である。
注意すべきは増築である。構造以外の是正事項を調べた上で設計する。
posted by TASS設計室 at 20:21| 耐震診断
2025年03月16日
段階的補強
耐震補強を行う際、段階的に補強を行うことがある。
12階建てSRC造のマンションで、他社が第1段階の補強設計を行い、工事が完了した建物である。それを引き継いで2段階目の補強設計を行った。建物の剛性が高くなり、大型車両が通行した際の揺れの感じ方が違うと言われた。壁の増設と増し打ちは、工事費の割に効果がある。
幸いにして1〜2階が店舗と事務所であるため、テナントが出たタイミングで工事ができた。補強しやすく、補強の効果を実感することができた。
他のビルでも、スケルトンになったタイミングで補強したものがある。設計を行った後、数年あるいは10年経過してからの工事である。
12階建てSRC造のマンションで、他社が第1段階の補強設計を行い、工事が完了した建物である。それを引き継いで2段階目の補強設計を行った。建物の剛性が高くなり、大型車両が通行した際の揺れの感じ方が違うと言われた。壁の増設と増し打ちは、工事費の割に効果がある。
幸いにして1〜2階が店舗と事務所であるため、テナントが出たタイミングで工事ができた。補強しやすく、補強の効果を実感することができた。
他のビルでも、スケルトンになったタイミングで補強したものがある。設計を行った後、数年あるいは10年経過してからの工事である。
posted by TASS設計室 at 09:51| 耐震診断
2025年03月13日
2025年03月12日
東京都耐震マーク表示制度
東京都耐震マークを取得すると、誰にでも建物の評価が分かる。
マークを取得しておくと説明しやすい。
https://www.taishin.metro.tokyo.lg.jp/tokyo/topic09.html
横浜市にも同様の制度があり、取得したマンションがある。
マークを取得しておくと説明しやすい。
https://www.taishin.metro.tokyo.lg.jp/tokyo/topic09.html
横浜市にも同様の制度があり、取得したマンションがある。
posted by TASS設計室 at 15:18| 耐震診断
2025年03月09日
炭素繊維巻きか、増し打ちか
ピロティ柱の補強を安価に仕上げるには、柱は太くなるが、RCで柱を巻くことである。鉄板巻きは検討したことがあるが、採用されたことがない。炭素繊維巻きか、増し打ちのどちらかになるが、コスト重視でRC増し打ちで決着することが多い。
袖壁を加えても邪魔にならない場合は、厚い袖壁を加えることがある。
有開口の壁は、開口周比が0.4以下になるよう開口部を小さくするか塞ぎ、強引に耐震壁にしてしまう。
袖壁を加えても邪魔にならない場合は、厚い袖壁を加えることがある。
有開口の壁は、開口周比が0.4以下になるよう開口部を小さくするか塞ぎ、強引に耐震壁にしてしまう。
posted by TASS設計室 at 08:29| 耐震診断
耐震診断する前に工事費を知りたがる
耐震診断する前に工事費を知りたがる人がいる。
およその見当はつくが、それが分からないから計算するのだ。
およその見当はつくが、それが分からないから計算するのだ。
posted by TASS設計室 at 01:55| 耐震診断
2025年03月07日
新築の減少
新築の減少に伴い、仕事の内容が変化する。
新築一辺倒の構造設計者は、耐震診断や耐震補強設計をメニューに加えるとよいだろう。
https://gendai.media/articles/-/147808?page=3
新築一辺倒の構造設計者は、耐震診断や耐震補強設計をメニューに加えるとよいだろう。
https://gendai.media/articles/-/147808?page=3
posted by TASS設計室 at 07:16| 耐震診断
2025年03月02日
建物の再利用が注目されている
建物の再利用が注目されている。まだ使える建物を建て替えることしか提案できない設計者が多い。
補強に相当な費用がかかる場合は何もできず、そのままになるが、わずかな補強で建物が復活することもある。
昔の建物の構造に詳しい設計者でないと、建物のリノベーションの設計を行うとは難しい。
工場などの生産施設の延命を希望するオーナーも少なくない。全体を調整する元請けの意匠設計者の調整能力次第である。ゼネコンには多くの設計者がいるので、様々な切り口で回答が得られる。ゼネコンには構造設計出身の営業担当もいるので、初期段階の相談に対応する段階から狙いが定めやすい。御用聞き営業と異なるところである。
お客さんはデザインが好きな意匠設計者に改修工事の相談をすると、新築に誘導されることが多い。なぜ新築に誘導するかというと、改修工事の設計ができないからである。相棒となる構造設計者が新築専門であることもある。
ヨーロッパでは、設計事務所の仕事の半分以上が改修工事の設計と聞いたことがある。建物の使用年数がら考えると、3分の2が改修工事であっても不思議ではない。小規模なリフォームを含むと、さらに改修工事の比率が高まる。
補強に相当な費用がかかる場合は何もできず、そのままになるが、わずかな補強で建物が復活することもある。
昔の建物の構造に詳しい設計者でないと、建物のリノベーションの設計を行うとは難しい。
工場などの生産施設の延命を希望するオーナーも少なくない。全体を調整する元請けの意匠設計者の調整能力次第である。ゼネコンには多くの設計者がいるので、様々な切り口で回答が得られる。ゼネコンには構造設計出身の営業担当もいるので、初期段階の相談に対応する段階から狙いが定めやすい。御用聞き営業と異なるところである。
お客さんはデザインが好きな意匠設計者に改修工事の相談をすると、新築に誘導されることが多い。なぜ新築に誘導するかというと、改修工事の設計ができないからである。相棒となる構造設計者が新築専門であることもある。
ヨーロッパでは、設計事務所の仕事の半分以上が改修工事の設計と聞いたことがある。建物の使用年数がら考えると、3分の2が改修工事であっても不思議ではない。小規模なリフォームを含むと、さらに改修工事の比率が高まる。
posted by TASS設計室 at 18:54| 耐震診断
2025年02月24日
構造図のない建物の耐震診断
構造図のない建物の耐震診断を行うことがある。
ハツリ調査を行い、鉄筋径やSRCの鉄骨を調べた上で耐震診断を行い、評定を取得した建物がいくつかある。
調査に基づき耐震補強設計を行い、耐震改修評定を取得し、工事が完了した建物があるが、補強を断念した建物もある。
耐震診断の結果、Is値が0.3を下まわる建物もいくつかあったが、将来的には解体することになるだろう。手を出すことができない。Is値がわずかに0.6を下まわるもので、各住戸に影響の少ない補強が可能な建物は補強設計を終わらせ、工事待ちの状態である。
2017年に耐震診断基準が改訂されたので、計算をやり直すことで、少しは有利になるかもしれない。古いデータを引っ張り出して計算してみる価値がある。
ハツリ調査を行い、鉄筋径やSRCの鉄骨を調べた上で耐震診断を行い、評定を取得した建物がいくつかある。
調査に基づき耐震補強設計を行い、耐震改修評定を取得し、工事が完了した建物があるが、補強を断念した建物もある。
耐震診断の結果、Is値が0.3を下まわる建物もいくつかあったが、将来的には解体することになるだろう。手を出すことができない。Is値がわずかに0.6を下まわるもので、各住戸に影響の少ない補強が可能な建物は補強設計を終わらせ、工事待ちの状態である。
2017年に耐震診断基準が改訂されたので、計算をやり直すことで、少しは有利になるかもしれない。古いデータを引っ張り出して計算してみる価値がある。
posted by TASS設計室 at 03:59| 耐震診断