2020年01月25日

2x4壁式3は、地上7階建ての2x4工法

2x4壁式3は、地上7階建ての2x4工法の計算が出来るが、3階建ての延長でしかない。
構造計算指針の内容が変わり映えしないので仕方ないことだと思うが、気になっていることがある。
@保有水平耐力計算で、崩壊形を判断するための計算を行っていない。梁の上に耐力壁が載る場合、梁が先行破壊しないよう、短期許容応力度以内に納めていると思うが、終局時の崩壊形を求めるほうが良い。
AWRCに2x4工法が載る場合、RCの梁を含め、終局時の計算が出来たら良い。
Bタイロッドを用いる場合、スタッドの反力計算は出来るらしいが、その機能は利用したことがない。
C壁の短期荷重時の軸方向変形の計算が出来たら良い。連層耐震壁の場合、全体で曲げ変形になることがある。
DRCの梁に耐力壁が載る場合、壁端部の軸力に対して梁の検討ができたら良い。
E杭の計算で、杭頭曲げを基礎梁に戻す計算ができたらよい。
Fフーチングの計算が出来ないだろうか。
G壁端部のスタッドに、404や406を加えることができないか。
posted by TASS設計室 at 01:27| 2x4工法

2020年01月20日

木造中層建築

木造中層建築を実現するなら、2x4工法と鉄骨を組合わせることではないだろうか。
鉄骨造で外壁をALCにすると、ALCは耐力壁ではないので、鉄骨だけで建物の荷重や地震力を負担しなければならない。ところが、鉄骨骨組に、2x4工法の耐力壁を加えると、外壁下地を兼ねた耐力壁になり、鉛直荷重と水平力を負担することができる。床は床根太を210として構造用合板を貼ることで水平構面を構成することができる。
このような方法なら、建物全体を軽量化することができ、鉄骨量も純粋な鉄骨造より少なくなる。6階建て、高さ20以下なら、出来そうな気がする。
鉄骨造の耐震壁として2x4工法の壁を使うと考えても良い。主体構造は鉄骨造になり、2x4工法は脇役になる。
将来、建物をスケルトンにして改修工事を行うことを考えると、石膏ボードを多用した耐火構造の床や壁は始末に困る。
しかし、これからの木造は、鉄骨と組合わせたハイブリッド構造に向かうのではないかと考えている。
posted by TASS設計室 at 20:56| 2x4工法

2020年01月18日

壁の曲げ変形

塔状比が4に近くなると、壁の曲げ変形で耐力壁の耐力が決まることがある。
いくら壁の剪断耐力を上げても、保有耐力が上がらない。
これは、幅60cmの耐力壁の部分についても言える。腰壁や垂れ壁があれば、剪断耐力で壁の耐力が決まるが、両側に高さの高い開口がある場合は、曲げが支配的になるのではないだろうか。
壁の最小長さを60cmとするだけではなく、WRC造のように「隣接する開口高さの0.3倍」を加えたらどうだろうか。
曲げ耐力と剪断耐力の両方を求め、それらの最小値を壁の耐力にする方法もある。RC造の耐震診断では、そのような計算が行われている。
ひとり言です。
posted by TASS設計室 at 22:48| 2x4工法

2019年08月30日

RC+木造 の混構造は、固有値解析の必要なし

5階建て混構造(RC + 2x4工法4層)は、剛性率による水平力の割り増しは必要ないと、技術基準解説書の記述から読める。ところが、日本建築センターの適判の審査担当は、固有値解析を行い、それを照明しろと言う。
3次モードまで計算したところ、5階建てだから5次モードまで固有値計算を行うべきと言う。DAPで計算したが、微妙に数値が変化する。ゼネコンの構造設計者に聞いたら、3次までやっておけば十分で、せいぜい4次まで計算すればよいのではないかという返事をもらった。
20階建ては、20次モードまで固有値を求めるのだろうか。3次か4次で傾向が決まる。
5次まで計算すると、Ai分布の計算結果と前後するが、かなり近い値になる。
技術基準解説書の剛性率による水平力の割り増しが必要ないと言うページの計算例は、層重量を大雑把に拾い、傾向を示している。そのような傾向にあるから、剛性率による水平力の割り増しが必要ないと言っている。
技術基準解説書は、鈍い人でも分かるような記述にしたほうが良かったのではないだろうか。
posted by TASS設計室 at 20:32| 2x4工法

2019年08月07日

中高層2x4建築

中高層2x4建築は、次の設計ができないと設計できない。
@ 許容応力度計算U(壁の剛性と耐力を分けて計算する)
A 杭基礎の計算
B 杭基礎の際の基礎梁の計算
C タイロッドの計算
D 保有水平耐力計算
タイロッドを用いる計算は、緩み止めが特殊であることに加え、プレストレスコンクリート造に類似するところがある。
緩み止めを使わずに済ませたい。軸組工法では使わない部品であり、各層の縮みに対する設計を見直す。
各層が縮まなければ、緩み止めは必要ない。

posted by TASS設計室 at 13:47| 2x4工法

2019年07月26日

木造3階専業の構造審査係りは勉強しよう

相変わらず、理解不足の構造審査係りがいる。
余計なことで時間を使う。
4倍の壁455mmと5倍の壁455mmが一直線上に続く場合、耐力壁の長さが600mm未満だから耐力壁にならないと言う。この程度のアタマの人が審査することは迷惑だ。
耐力壁としては910mmある。
4倍910mm < 4倍455mm+5倍455mm < 5倍910mm である。
このような場合は、加重平均とする。
壁式鉄筋コンクリートで異なる壁厚が一直線上に続く場合と同様に考える。
posted by TASS設計室 at 12:34| 2x4工法

2x4工法の業界は進歩していない

2x4工法の業界は進歩していない。
構造計算プログラムにおいても、相変わらず初期段階のプログラムが定番として続いている。
枠組壁工法建築物構造計算指針が改定されたものの、軸組工法と比べても、見劣りする内容である。
その原因は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の研究者や実務者が、規準の見直しに参加していないことである。他工法の知見も取り入れ、時代に合ったものにすることが必要ではないか。
耐力壁の評価に関しても、長さの短い壁など、耐力が曲げで決まるものもあるが、全てせん断壁として評価している。隣接する開口高さの影響を考慮することも必要だ。
2x4工法の応力計算は、壁式鉄筋コンクリート造から学ぶべきことがある。2x4工法は、まぐさ端部の短期のモーメントの処理が行われていないが、それでも良いなら、何らかの説明を加えたら良い。どう考えても、まぐさの両端はピン構造だ。
posted by TASS設計室 at 10:22| 2x4工法

2019年06月01日

スチールハウスは鉄骨造か

時々、問題提起するが、スチールハウスは鉄骨造か。
スチールハウスは枠組壁工法である。
それを鉄骨造に当てはめ、標準せん断力係数 0.3 としてルート1-1 の計算を行っている。
耐力壁は構造用合板の面材をビス止めする。枠材や床根太は薄板形鋼である。
2x4工法では、床や小屋組にスチールハウスの部材を使うことが出来る。
これは大変有効なことで、スチール部材は変形増大係数を考慮せず、そのままの「たわみ」で良いというメリットがある。スチール部材は木材のようなクリープによる たわみ が無いからである。

スチールハウスは、枠組壁工法として定義づけ、使用部材が薄板形鋼とした設計規準にすれば良いのである。
荷重や応力は、まさに2x4工法そのものである。
それを鉄骨造のカテゴリーにしていることに違和感がある。
2x4工法とスチールハウスは、統合すべきと考えているが、縦割りの業界団体だから、そんなことは無理だろうな。
posted by TASS設計室 at 11:06| 2x4工法

2019年05月21日

スチールハウスは鉄骨造か?

スチールハウスは鉄骨造か?
スチール = 鉄 だから鉄骨造に分類されるが、どう見ても「枠組壁工法」である。
2x4工法のスタッドを薄板形鋼に変えただけで、耐力壁は合板であり、荷重は同程度か木造より軽い。
枠組壁工法の中に、木造と薄板形鋼造を並べても良いのではないだろうか。
そうすると何が良いかというと、スチールハウスの2階建てを4号建築扱いできるのである。

鉄骨造として設計するなら、鉄骨骨組とスチールハウスの耐力壁を併用することを考える。
木造の耐力壁を2鉄骨造に用いることもできるだろう。軽量鉄骨造の鉛直ブレースの代わりに、面材の耐力壁を使うことも考えられる。剛性を適切に評価して組合わせれば、何でもできる。

posted by TASS設計室 at 10:57| 2x4工法

2019年04月11日

東京デンコーの「2x4壁式3」

様子を見ていたが、東京デンコーの「2x4壁式3」にバージョンアップした。
6階建てまで計算できるが、今までのプログラムの延長線上では面白くない。
5階建て、6階建ての計算を行う過程で、開発者にお願いしたいことが出てくる。

posted by TASS設計室 at 14:00| 2x4工法

2019年03月31日

高さの限界20m

RC造のルート1で設計可能な限界は20mだが、2x4工法の高さの限界も20mとして良いだろう。条件の良い構造計画で、頑張って6階である。このくらいが妥当と考えている。
スチールハウスは2x4工法と同様だが、耐力壁の塑性率が低く、構造特性係数(DS)が大きくなるので、4階建てでやめておくほうが良い。スチールハウスを「鉄骨造」のカテゴリーに入れていることが不自然であり、2x4工法と同様に枠組壁工法で良いと考えている。
無理に2x4工法やスチールハウスで中高層建築にチャレンジすることもない。普通に鉄骨造で計画し、耐力壁および鉛直荷重を支持する壁として、それらの壁を用いるほうが合理的な設計ができる。
H形鋼を用いた建物で、X方向を鉄骨のラーメン構造、Y方向を2x4工法の耐震壁とする計画が適切だろう。H形鋼は角形鋼管と比べ、材料のトンあたりの単価が安いので、H形鋼を柱に使うことだ。
鉄骨の軸心と耐力壁の軸がズレるので、偏心が生ずるが、対処可能な範囲と考えている。
ルート1で計算できるなら、耐力壁は耐力が出れば良いのだから、スチールハウスの耐力壁を組合わせることも考えられる。鉄骨造でCLTの耐力壁を用いたものもあるようだが、CLTではなく、2x4工法でもスチールハウスでも、どちらでも良い。
鉄骨造・軽量鉄骨造・スチールハウス・2x4工法・木造軸組工法をミックスした構造も良いではないか。
考え方としては、鉄骨造が主体で、弱軸方向の鉛直ブレースの代わりに2x4工法の耐力壁という構造である。
posted by TASS設計室 at 18:14| 2x4工法

2019年03月25日

2x4壁式3 

2x4工法の6階建ての需要が出てきたので、『2x4壁式3』にバージョンアップした。
ある程度の規模がないと難しいが、計画次第である。
2x4工法の耐火構造で計画を始めたが、RC造やS造になったものもある。
目安としては、延べ床面積 500〜1,000u が最小規模だろう。

http://www.denco.co.jp/
posted by TASS設計室 at 12:22| 2x4工法

2019年03月20日

2x4工法6階建て

木造枠組壁工法6階建ての構造計算を始めた。鉄筋コンクリート造や鉄骨造なら、普通に設計しているが、木造は未知のことが多い。
鉄骨なら溶接、鉄筋コンクリート造ならコンクリートを流し込んで一体化できるが、木造は、そんなことは出来ない。
柱梁の仕口部のみを鉄骨で作ることを考えている。材料の特性を活かしてハイブリッド構造にする。
posted by TASS設計室 at 13:04| 2x4工法

2018年12月18日

木造中高層建築

木造中高層建築では、軸方向変形の影響が大きいので、それなりに計算を行うことが必要になる。
ラーメン構造なら軸方向の変形は計算しやすいが、壁式の場合は経験がない。
壁式鉄筋コンクリート造で設計可能な規模が1つ目のハードルで、その次は『壁式ラーメン鉄筋コンクリート造』が目標だ。
接合部のことを考えると、鉄骨を併用したくなる。
木は溶接できないし、方向性があることが難しい。応力集中を避けることがポイントではないかと考えている。木造中高層の設計では、以下の構造に注目する。
・2x4工法
・木造軸組工法
・木造ラーメン
・スチールハウス
・軽量鉄骨造
・アルミニウム合金造
・ログハウス
・壁式鉄筋コンクリート造
・壁式ラーメン鉄筋コンクリート造
posted by TASS設計室 at 11:15| 2x4工法

2018年04月26日

軸方向変形

中高層の建物では、柱の軸方向変形を考慮するが、2x4工法の場合は壁の軸方向変形は計算のやりようがない。立体解析するしかない。
高層のRC造は、施工途中のクリープを考慮するそうだが、2x4工法の場合も同様と思う。高さ方向の収縮が少なくなるような部材を使うことになるが、床の枠組の部分に集成材を使うことになり、コストが上がる。
posted by TASS設計室 at 17:19| 2x4工法

2018年04月19日

2x4工法の計算で気になるところ

2x4工法の計算で気になるところがある。
・耐力壁の長さの取り方
・保有水平耐力計算全般
・下枠のめり込み
・反曲点高比
・基礎の応力計算
・アンカーボルトのコーン破壊
・水平構面の計算
posted by TASS設計室 at 08:34| 2x4工法

2018年04月16日

緑本は 10月頃改訂版出版予定

枠組壁工法建築物 構造計算指針
10月頃改訂版出版予定とのことだが、何が変わるか楽しみだ。

反曲点高比を0.5とした応力計算で、短期荷重時のマグサ端部のモーメントが出ているにも関わらず、そのことが無視され続けていることに違和感がある。合理的な説明を加えることはできないのだろうか。
特殊な計算例が示されているが、数値を追いかけることが出来るようにしてもらいたい。
相変わらず kizukuri-2x4 が主要な構造計算プログラムなので、東京デンコーの 2x4壁式 のような計算例が紹介されるだろうか。

混構造や6階建てを超える2x4工法を視野に入れた構造計算指針になるだろうか。下枠の『めりこみ』に関する設計にも注目する。
ミッドプライウォールも、普通に使えるようになるだろうか。
posted by TASS設計室 at 21:29| 2x4工法

2018年04月13日

直交壁の効果を考慮する

壁式鉄筋コンクリート造の壁の耐力は、直交壁の効果を考慮して求める。
壁端部の両側に直交壁があると、直交壁がない場合の3倍のせん断耐力となる。片側の場合は2倍とする。
2.5Aw+0.7Aw’ も参考になる。
また、壁の耐力が曲げで決まるかせん断で決まるか判断し、両者のうちの小さいほうの値を壁の耐力とする。
これにより、長さ60cmの壁が、どれほどの効果があるか分かる。耐力壁に隣接する開口部の高さを考慮すべきだ。
posted by TASS設計室 at 07:55| 2x4工法

2018年04月12日

2018年04月10日

告示に忠実とは言うけれど

告示に忠実とは言うけれど、実際には柔軟に解釈しているのではないだろうか。
2x4工法では、高倍率の壁を壁倍率で計算していることも拡大解釈である。そんなこと、告示に書いていないけど、7倍の壁を使っていませんか。
耐力壁線が雁行することは、良いとも悪いとも、告示にはかいていない。1Pの雁行が良いなら、2Pの雁行が悪いという根拠はあるだろうか。
あと施工アンカーと称して、ホールインアンカーを使っていないだろうか。使ってはいけないと言っているのではない。引抜力を負担させず、せん断力を伝達することが目的なら、ホールインアンカーでも良いではないか。

確認申請や適合性判定では、法適合確認を行うが、工学的に解釈可能なことに関しては、幅を持って判断する。告示も、なし崩し的に柔軟に解釈している。それも出来ないという場合は、評定を取得する。
耐震診断や耐震改修では委員会にかけて評定を通すが、こちらのほうが自由度が高い設計ができる。
先月は1つ、評定を取得した。
設計そのものは自由度が高いが、それを審査することができる機関が少ないから、評定を取得することになる。評定のほうが、純粋に工学的な議論ができるので楽しい。
posted by TASS設計室 at 21:55| 2x4工法