2014年06月10日

基礎と地盤

 木造住宅の設計者が苦手としているのは、基礎と地盤に関することだろう。
どちらも、最初に建物の荷重を拾い出すことから始めるが、その段階でつまづいている人が多いようだ。
構造計算の中で最も単純な作業が荷重拾いだが、次の段階で応力を求めるので、その前段階であることを意識して作業すると効率的である。

 地盤に関しては、スウェーデン式サウンディングを基にした判断基準を学ぶと良い。
エクセルで計算してみると、結果を実感することができるが、その作業を地盤調査会社が行うこともあるだろう。しかし、地盤調査会社は建築設計事務所を登録していない会社が多いので、設計図書とするためには設計者の記名捺印が必要である。
内容を理解できない書類に記名捺印することに抵抗があるかもしれないが、建築設計者は良く勉強し、内容を理解して記名捺印する。

 杭の設計に関しても同様で、杭の施工業者は建築設計事務所登録している会社は少なく、建築設計者が杭の設計内容を理解して記名捺印することになる。

 木造の構造図はプレカット会社が作成してくれるが、基礎梁や基礎スラブの設計は建築設計者が自ら行うことになる。そこで作業がストップしてしまう人も少なくない。
結局、地盤に関する考察や躯体工事に関する判断を行うことのできない設計者は、いつまでも自力で判断できない状態が続くのである。

posted by TASS設計室 at 00:00| 木造住宅