2012年12月18日

構造設計+意匠設計

 斜面地の建物を計画する場合は、構造計画と法規に詳しくないと基本設計に時間がかかる。
そんなことが分かってきたのか、うちの事務所に建物全体の設計を依頼したいという要望がある。
今までにも意匠設計を含む設計を行っている。

 コンペに参加させていただき、優秀な意匠設計者と仕事をさせていただくこともある。
構造もデザインするのである。
打合せの際は、何をデザインしたいのか議論する。
かたちを決めるだけで、設備や構造が納まっていないのではコンペに勝てない。

 あまりデザインに凝らないのであれば、斜面地の建物を経済的に設計することは任せていただきたい。
開発工事を行う場合もあれば、開発を逃れることもある。
開発逃れは悪いことのように言われるが、法規や条例を適切に運用すれば良いのである。

 宅地造成を逃れ、工作物として擁壁を築造することがあるが、宅地造成を避ける理由の1つに敷地内排水の整備がある。
周囲に対して無制限に雨水をたれ流すことはないが、既存の宅地として常識の範囲内であれば、特別に敷地内の排水設備を立派なものにする必要はない。

 木造住宅の意匠設計者は、宅地造成や開発の設計を経験すると良いだろう。
地域により条例や技術基準が異なり、やりにくいこともあるが、経験して損はない。
各地のローカルルールに詳しくなると、設計可能な地域が増えてくる。

※私のブログは本に書いていないことを書くことを心掛けている。


posted by TASS設計室 at 21:21| 構造設計