2012年02月24日

新しい2x4工法の構造計算ソフト

どこかの会社から、新しい2x4工法の構造計算ソフトが発売されるとしたら、どのようなものが出来るだろう。
HOUSE-WLのようなものができるのかもしれない。

最初に無開口の壁を配置し、後から開口部を入力する。
平面的な斜め軸や屋根面の傾斜にも対応する。
壁式構造の場合、開口端部付近に通り芯を定めてからマグサを入力することは面倒である。
開口端部の何本かのスタッドの中心を柱に見立て、軸組工法の柱ように考えることも悪くはないが、開口の位置や寸法の変更に容易に対応するには、グリッドを定めずに開口を入力するほうが良い。

次に屋根形状の入力要領に関しては、できるだけ実際の形状に近い形状が入力できるかがポイントになる。
木造の場合は、天井面の梁から束を立てて梁を渡し、その上に屋根を載せる。
R階を天井面と屋根面という2つの異なる面で構成するという複雑なものであり、天井根太と垂木の方向が異なることも少なくない。
屋根などというものは、荷重が考慮されていれば良いのであるが、リアルに形状の入力ができると、ユーザーは大いに感激する。

基礎梁は一貫して計算することができ、杭基礎にも対応する。
地盤データを入れれば、杭や柱状改良の計算もできるだろう。

【BUS-5】と【BUS基礎】を組合わせたような使い方ができたら良い。
今のところは、【2x4壁式】がこれに近いものである。
ただし、木造の場合、杭の種類はPHCやRC杭ではなく、小口径鋼管杭やRES-P工法に代表されるパイルドラフト杭を使うことが多くなる。

プログラムの開発会社は、1000本売れることが見込めれば、開発に乗り出すのではないだろうか。
100本や200本では、尻込みするだろう。

その前にやらなくてはならないことは、構造計算指針の整備である。
反曲点高比0.5の是非、マグサの端部のモーメントの処理、引抜金物とスタッドの軸芯のズレの問題など、何となく決められていた部分を明快にする必要がある。
今のままで良いなら、その理由を記述するのである。
工学の世界では、「こんなもので良いだろう」という決着もあるが、その根拠を示すのである。

うちの事務所は、木造の構造設計が多いと思われているが、棟数として木造は全体の20%程度である。
全体で10棟に対して木造が2棟という比率である。
木造以外は3,000uや5,000uの建物もあるので、面積で示すと木造は数パーセントに満たない。
木造の 1,000uという建物は、鉄骨造にしてしまうほうが合理的に設計できるものも少なくない。

posted by TASS設計室 at 23:21| 木造の構造計算