浴室の荷重について質問があった。
浴槽の総重量と単位面積あたりの固定荷重を比べて、心配になったようである。
こんな質問をもらうと、子供電話相談的に答えたくなる。
浴室の大きさは 1.82m x 1.82m である。
ユニットバスの総重量が 2550N
浴槽の容量が 295L 即ち 2950N である。
ここに体重100kg(=1000N)の奥さんと、体重80kg(=800N)の旦那さんが入ったとすると、
床に乗る荷重の合計は
2550+2950+1000+800=7300N である。
単位面積あたりの荷重に換算すると
7300/(1.82x1.82)=2204N/m2 となる。
単位面積あたりの固定荷重は、
UB 1000N/m2
床仕上 270N/m2
床根太 160N/m2
天井 270N/m2 合計 1700N/m2 として設計した。
積載荷重は 1800N/m2 ゆえ、
ユニットバスと水と人の合計は、
1000+1800=2800N/m2 まで許容できる。
実際に載る荷重は 2204N/m2 ゆえ
2204N/m2 < 2800N/m2 OK
となる。
そもそも、浴槽の水は、防火用水ではない。
常時満水になっているわけではないし、常時人が入っているわけでもない。
木造住宅の浴室の固定荷重で
3000N/m2 というものを見かけるが、
そこまで大きくしなくても良いと思う。
心配なら、3000N/m2 でも 5500N/m2 でも、
何でも良いから、大きくしてしまえば良い。
しかし、偏心率を少しでも正確に求めたいなら、建物の重心位置を正確に求めるため適正な荷重を与えることである。
上記は単位面積あたりの荷重で比較したが、総重量で比較しても良い。
床面積が 1.82m x 1.82m の浴室のUBの重量に積載荷重を加えた合計は
(1000+1800) x 1.82 x 1.82 = 9275N である。
9275N > 2550+2950+1000+800=7300N
ゆえ、妥当なものとなる。