木造住宅(2X4、在来)の基礎で、柱状改良あるいは小口径鋼管杭や柱状改良を用いる場合、既存の擁壁の底盤と干渉することがある。
その際、擁壁の底盤の上に杭を打たず、基礎を片持ち梁として設計することがある。
はたして、この考えは適切なのだろうか。
片持ち梁の出が、2mを越えたらどうしよう。
3mになったら、絶望的である。
鉛直方向の震度を1.0として片持梁を計算すると、かなり大きな断面になることがある。
支点となる部分の耐力や変形のほうが心配になる。
私は、計算外の余力として、擁壁の底盤の上にも杭を打つ。
柱状改良を行うなら、擁壁の底盤の上の部分も改良を行う。
本来は、既存の擁壁の安全性も含めて設計する。
サウンディングで、擁壁の底盤に当たったから、計算外にするのは、いささか短絡的すぎないだろうか。
一般的には、擁壁の底盤は、ある程度しっかりした地盤に接地しているものである。
擁壁の底盤の下の土質も調べ、総合的に地盤に関して判断することが設計である。
擁壁の底盤を逃げた場所で、標準貫入試験(ボーリング)を行いたい。
あるいは、地盤改良を行った後に、平板載荷試験を行うという方法もある。
2010年05月03日
擁壁の底盤に当たる小口径鋼管杭など
posted by TASS設計室 at 10:45| 木造の構造計算