2023年06月10日

RC標準図の意味がない

現場で鉄筋の加工図を作成できないので、RC標準図の意味がない。
配筋の加工図を作成する必要がある。一部のスーパーゼネコンで採用している作図方法だが、通し鉄筋にするか、何本通すか、分かりやすく示すには、梁配筋リストを断面形式ではなく、軸組形式で示すとよいが、理解できる現場が限られている。
アンカーボルトについても、梁の中に納まらないと言われたことがある。それ以降は、曲げて定着してもよいと書き、アンカーボルトを曲げる要領を図面に加えるようにした。定着長さの半分以上は真っ直ぐ突っ込み、納まらない部分を曲げる。
せん断力のみ負担するアンカーボルトはスラブに定着することもある。スラブアンカーという。
混構造の建物のアンカーボルトは、現場で墨出し、加工、取付けを指示したこともある。現場監督は役に立たなかった。いかに木造専業の業者はテキトーであるか分かる。
「鉄筋を制する者は建築を制する」「鉄筋コンクリートが基本中の基本」ということを理解されたい。

ある社団法人の住宅設計者向けのセミナーで、現場で鉄筋を組んだところを見せて教えたらよいと提案したことがある。「そんなことをやって、怪我でもされたら誰が責任を取るのか」という意見が大手ハウスメーカーからでて没になった。ハウスメーカーって、そんなものである。

posted by TASS設計室 at 12:06| 構造設計