2023年04月12日

会議で関係者の能力を把握

会議で関係者の能力を把握することができる。
僕が行くのは、壁紙を貼ったり、床のフローリングを決めるために呼ばれるのではない。
構造や施工に関する調整である。連絡は意匠設計者経由で来るが、会議に来てほしいというだけである。
はっきり言ってレベルが低い。現場からの質問に答えられないのである。
意匠図は法規チェックが出来る程度の図面だから、ディテールまで考えられていない。彼らに施工図を作成する習慣はなく、現場は構造図で施工する。

意匠設計者は鉄筋コンクリート造のサッシュ開口と躯体形状の関係が分からず、チェックされたまま図面を訂正している。サッシュまわりには額縁があり、天井との絡みもある。
詳細図というと、開口部のまわり、水回りや防水に関すること、階段などの詳細を決めることだが、全くと言ってよいほど分かっていない。図面が描けないのである。
意匠設計者として、まとまりのある詳細図を作成する人が担当する建物の構造設計はやりやすく、手戻りが少ない。

施工図の段階になると、逃げ寸法も考慮する。石膏ボードを何枚か貼る場合、単純に合計するだけではなく、のり代と称して0.5mm〜1.5mmくらいのフケを見込む。1枚あたり0.5mmとする考え方もある。建具枠まわりの納めは、既製品を使うのだろうから、何を使うか寸法を決める必要がある。
こんな会議は、関係者の思考力と判断力を試すよい機会である。現場監督のほうが設計より優秀である。
中小の建設会社は、現場や営業を仕切ることができる設計者が必要である。
posted by TASS設計室 at 08:16| 日記