都心の狭小地の建物は鉄骨造が適していることが理解されている。意匠設計者の技量が上がると、この分野の業務が増加する。
ところが住宅専業の設計者は木造しか設計して来なかったので、なかなか鉄骨造に手が出ない。しかも木造の設計者は、軸組工法と2x4工法の両方を設計する人が少ない。何故だろう。
軸組工法は分かるが2x4工法は分からない、2x4工法は特殊だという人もいる。どちらも木造ではないか。
鉄骨造は架構・床・ALC壁のディテールさえ分かれば設計できる。構造設計事務所に依頼すれば内装や設備も含み解決する。意匠設計者には施主の要望を図面に示すことに専念していただく。
実施設計で構造と設備の摺り合わせを行うが、配管ルートや梁貫通スリーブは設備設計と構造設計の間で調整している。
コストを下げたいなら、設計者も施工者も一人一人の守備範囲を広げ、無駄な打合せや調整に要する時間を省くことである。この時間を集計すると、相当な時間になる。そんなことに時間を使うよりも、設計者が考えることに時間をつかうことである。机に向っている時だけが仕事ではない。寝て起きた時に、考えが変わることもある。夜遅く図面を描いたが、翌日になって描き直すこともある。