保有水平耐力計算は、柱よりも基礎梁を強くすることがポイントである。ラーメン構造で基礎梁にヒンジができると、そこで耐力が頭打ちになる。壁式構造も同様で、壁の脚部の耐力に見合う基礎梁の耐力が必要である。
工事費を下げたい一心で、基礎梁成を小さくしたがる人がいるが、無理に梁成を小さくして鉄筋を増やすことは得策だろうか。考え方が許容応力度計算の段階で止まっており、接合部のヒンジについて考えられていない。
壁式構造で基礎梁成を小さくするなら、応力が生じない無開口の壁の直下の梁を壁厚と同じ幅にして逆梁にする。施工性を考えると、打ち継ぎ高さはキリのよい高さにしたい。
施工するために設計しているのだから、なるべく施工しにくい設計を避ける。ポイントは鉄筋である。
配筋図を描いてみると施工のしにくさを説明することができる。