2023年03月20日

斜面地の工事計画

予算調整ができず、着工できない斜面地の混構造の建物がある。
雨の多い季節に突入し、土工事が難しくなる。僕は構造設計を引き継いだ当初から設計の全面的な見直しを提案していたが、施主が気に入った計画とのことで、元の計画のまま確認を下ろした。
何が気に入ったか聞いたら、内装や設備が気に入っているらしい。それって、設計が気に入ったということですか。
僕の勝手な想像だが、安い業者を探し回っているのだろう。安い業者にも限度があり、不安がある。5mを超える斜面の工事のため、安易に計画すると人命にかかわる事故になる。
設計監理は意匠設計事務所が行うが、構造設計者として監理者をサポートする立場としては工事計画のできる会社に発注してもらいたい。
どうなるか知らないが、
@現状のまま工事を行う
A部分的な調整で、軽微変更が可能な範囲での設計変更
B設計の見直しを行い計画変更
C工事中止
敷地をひと回りした結果、この計画はスキップフロアの木造にするほうが良いと考えている。宅地造成の許可を取ることを回避した設計に固執することなく、宅地造成とし、地下部分は同時施工にすればよい。
開発なら制限解除ができるが、宅地造成では地下部分の工事を行うため、同時施工願いという書類を横浜市に出した経験がある。
横浜という場所は人気があるらしく、土地勘のない地方出身の人が高い値段で土地を購入するのを見たことがある。

posted by TASS設計室 at 08:19| 閑話休題