木造4階建てが普及しないのは、木造専業の構造設計者が構造の適合性判定(適判)を避けることにある。言葉が通じないので、適判は敷居が高いのだろう。構造設計一級建築士の資格は取ったものの、RC造やS造の構造設計ができない木造専業の構造設計者がいる。
判定員の資格が創設された最初の試験で、5回連続で落ちた人を2人知っている。話しをしていると、それなりに話しができる人だが、彼らの話は論理性や用語の定義が甘いと感じる。彼らが書いたものは見たことがない。このあたりが境界線であることが分かった。でも、構造設計一級建築士の試験に彼らは1発で合格している。
4階建ての多くは保有水平耐力計算が必須なので、そこで引っ掛かっていると見ている。
4階建てでも、ルート1で設計できるのは、
@壁式鉄筋コンクリート造
A耐震壁付きRCラーメン
である。RC造は高さ20mまでルート1が選択可能であり、木造や鉄骨造より優遇されている。
ルート2は、
B鉄骨造
C木造軸組工法
D耐震壁付きラーメン
ルート3は、
E2x4工法《これしか選択肢がない》
F壁式鉄筋コンクリート造
G鉄骨造
HRCラーメン構造
大手ハウスメーカーでは、4階建ての認定工法があるらしいが、縁がないので詳しく知らない。
2023年03月10日
なぜ木造専業の構造設計者は適合性判定を避けるのか
posted by TASS設計室 at 07:53| 木造の構造計算