意匠設計者で最も技量の差が出るのは住宅系の鉄骨造である。RC造は設計できるがS造は設計できないという意匠設計者がいる。逆に構造設計は、S造はできるがRC造はできないと言い切っている構造設計者がいる。
一般的な鉄骨造は、柱をBCR295としたラーメン構造で、外壁はALC、床はQLデッキというものである。
お決まりのワンパターンである。外部廊下やバルコニーの床を下げるのは、梁成の差を利用して段差をつける。
鉄骨とALCの関係が理解できれば設計できる。
木造住宅の設計者が鉄骨造を設計すると、木造住宅的なものになる。この人、分かっていないな、と思うことも多々ある。断面をイメージしてプランニングすることが肝要である。
床の下には梁があることを分からせるために、意匠図の平面図に梁を点線で示すこともある。水回りやPSの計画に必要である。天井に梁形が出る場合は、天井が下がることを図面に示す。断面図を見れば分かることでも、気づかない人がいる。20枚程度の図面は、ひと通り目を通したら、どこに何が書かれているかくらいは記憶に残るものである。配管が通りそうもないPSもあれば、余裕のありすぎるPSもある。