構造設計者が少ない理由は何だろう。
昔から構造離れはあり、ゼネコンでは構造設計課から現場に異動した人は多い。それはそれでゼネコンでは優秀な現場監督で、作業所長になった人も多い。現場では仮設から構造的センスが要求される。
建築士の試験で基礎的なことはクリアしているので、そこまでの基礎学力があれば専門書を理解することができると思うが、次第に構造から離れてしまう人がいる。
そもそも、構造設計には資格が必要なく、無資格や二級建築士がビルやマンションの構造設計を行っていた。代表となる意匠設計者のハンコで確認申請を出すことができた。
現実に仕事は出来るが無資格や二級建築士の構造設計者を知っており、手伝ってもらったことがある。僕より経験豊富で安心できた。
現在は木造の構造設計という分野が出てきたので、木造の意匠設計者が構造計算を行うようになった。RC造やS造の構造設計や構造計算を経験せず、いきなり木造の構造計算を始めている。
そこから少しずつ学び、RC造やS造の構造計算を行うようになった人もいるが、多くは木造の許容応力度計算で停滞している。だから木造4階が進まない。
RC造とS造をしっかり学んでおけば、その後は興味次第で好きなようにすればよいだけである。
理学部数学科、物理学科の卒業生を建築構造に引き込んだらよいと思う。
昔、現場で設備のサブコンの責任者に物理学科の出身者がいた。現場の副所長と僕も彼と同じ出身校なので、先輩と呼んでいた。構造計算プログラムの開発元には数学科出身がいる。
建築 = 造形、というのも良いが、建築 = 工学 でもある。
土木学科の出身の人は、構造力学をよく学んでいる人がいる。そのことを話したら「土木は、そのくらいしか勉強することがない」と彼は言った。
2023年02月11日
構造設計者が少ない理由
posted by TASS設計室 at 11:13| 日記