設計事務所や建設会社を回っているサブコンの技術営業を通して業界の状況が分かる。
うちに来るのは杭や鉄骨系のサブコンが多い。
彼らは意匠設計者と話しても理解されないと言う。頭の片隅に製品の特長を置いておくだけで、何かの時に役に立つ。意匠設計者は客や建設会社と話す代表となる設計者なので、説明する際の基礎的な知識は必要だ。
構造設計者としては施工会社が使い慣れたものを採用するほうが無難なので、知名度のあるものを選択する。
柱脚はベースパックが無難、スクリューパイルは株式会社東部の e-Pile next が旭化成の EAZET に迫っている。
唯一、最後の手段的な杭は旭化成の ATTコラム である。支持層が深く支持杭では不経済になるときに採用する。あるいは予定していた中間層が不ぞろいで、支持層として使い物にならない時に役に立つ杭である。
広島県尾道市、青森県八戸市の工場の設計で採用した。
柱状改良とスクリューパイルの組合せなので、スクリューパイルのメーカーなら施工可能と思うが、特許の関係で無理かもしれない。2番手はどの会社が名乗りをあげるか楽しみにしている。
鉄骨梁の開口補強のリング、RC造の梁の定着板、柱梁の高強度せん断補強筋、スリーブ補強は当たり前のようにメーカー製のものを使うようになった。特にメーカーはこだわらない。