施工管理技士の求人が目につくが、現場ではかなりの範囲が構造に関する管理になる。
仮設から構造が重要になる。
最初の相手は土である。
僕が設計に携わった建物で、死者が2人出ている。
@ 梁幅100mmの小梁の上を鉄骨鳶が歩いて落下し、RC階段の角に頭をぶつけた。
他の梁は、フランジ幅が175mmや200mmだった。幅100mmでは綱渡りに等しい。
落下防止のネットは、鉄骨が建ってから設けるので、その時はネットが無かった。
A 深基礎を施工するため、山留を行わずに間知積み擁壁の裏を掘削し、擁壁が倒れて作業員が圧死した。
これを間知罪という。
こんなもの、倒れることが予測できる、間知積み擁壁は、別名重力式擁壁と言い、内側に倒れることで土圧と均衡を保っている。そんなことを知らない現場監督の過失である。
この話は、時々現場で話すことがある。
若手構造設計者がジョブローテーションで現場管理を行うことがある。鉄筋と鉄骨の管理を行い、2〜3年で設計部に戻るが、そのまま現場に居つく人もいる。
僕が現場の設計室にいた時、施工図や製作図のチェックを行っていたが、鉄筋や鉄骨に関して打合せを行っていた。
『誰だ、こんな設計をしたのは、と言って、鉄筋屋の職長と現場監督が来たことがある』
さっそく白いヘルメットをかぶって現場に行き、足場の上で、鉄筋の納まりを説明した。最後には『あんた、分かってるね』と職長に言われた。鉄筋が込み入った仕口だった。
ここで、もう1つ思い出した。
走行クレーンのオーバーベッドが5センチ不足した。上部はSRCの梁で、既に鉄骨は建っている。鉄骨のかぶりは125mm、そこで、鉄筋を吊り上げ、下端のかぶりを5cmにすることでクリアした。
柱のウェブの鉄筋孔はガスで穴をあけた。ウェブだからよいものとした。
20代後半で、こんな経験をした。
2023年01月17日
施工管理技士の求人が目につく
posted by TASS設計室 at 17:06| 建築士