構造計算プログラムが異なると、かぶり厚さのとり方が異なる。
本来は かぶり厚さ と せん断補強筋の径を加えて、主筋の中心位置を求める。
かぶり70mm、せん断補強筋10mm、主筋16mmなら 70+10+16/2=88mmとなる。それと直交する主筋は70+10+16+16/2=104mmとなり、104mmで計算しておけば無難である。cm単位とすると11cmになる。
主筋径が異なれば dt も変化する。ところが直接dtを入力して計算するプログラムもある。
木造住宅の基礎は、基礎スラブをシングル配筋にすることが多いので、方向により、あるいは短辺と長辺でdtが異なる。基礎梁の主筋の上下関係も、RC造のように明快に決めても、現場では、そのような意識がない。
最初に並べたほうが下になり、後から並べたほうが上になる。
この条件を数値化して計算を行う。
スラブの短辺・長辺は、最も大きなスラブで決め、その他は、その方向に合わせる。
基礎梁のdtは、かぶりが大きくなる不利なほうで決める。基礎梁にヒンジができないことを原則にするので、dtが大きくなっても梁が強くなるだけなので、全体に影響はない。
連続梁であっても、単純梁としてモデル化している構造計算プログラムがあり、内端を C〜1.3C としても上下同じ配筋でMoで計算していれば安全側である。それが気に入らない時は手計算で補正する。
施工を考えてdtを決めなくてはならないが、その方針を構造計算方針に記述する。
そもそもコンクリートの断面を小さくしたがる人の考えを改めてもらうことが必要である。
どこかの橋梁で、断面を小さくしすぎて鉄筋が納まらなくなったというニュースを見かけた。