計画図で判断すると、トラブルが起きそうな意匠設計がある。
先ず第一は雨水の処理である。S造で外部廊下やバルコニーのスラブを下げず、建物内部のスラブの高さと同じにしている。防水は切れるもので、水は水平に広がるものである。
何でもFRPで防水すれば良いというものではない。2x4工法でよくやる跳ね出しバルコニーのように割り切った考え方もあるが、RC造の共同住宅のように下げるべきではないか。片持梁の下端を大梁の下端に合わせれば容易に実現できる。
2x4工法でもやりようがある。バルコニーの床の躯体を下げることができる。仕上げて部屋と同じ高さになる。
全般的に気づきが少ない設計は知的な設計とは言えない。防水は切れるもの、雨は漏るものという前提で設計する。表面的なことしか見ていない設計者がいるものだ。
僕が工場の設計が好きなのは、意匠設計者のレベルが高いことにある。住宅産業の設計者は工場の設計は行わない。
建築はビルものを通して学ぶことが多い。木造2階建ての住宅を設計するなら、大工の棟梁になったつもりで、釘1本に至るまで追求して設計することである。S造なら溶接、RC造なら鉄筋が肝である。
2023年01月14日
トラブルが起きそうな意匠設計
posted by TASS設計室 at 08:30| 閑話休題