2022年09月07日

ホールダウン金物

ホールダウン金物のアンカーボルトは、基礎に定着することを原則とする。
土台に取付けたい人が多く、メーカーにもそのような製品がある。木造の耐力壁の耐力を担保するものがホールダウン金物のアンカーボルトである。終局時の耐力を担保することを考えると、土台に取付けるホールダウン金物では終局時の耐力は土台に依存することになる。
木造の土台は腐ることがあることは、リフォーム工事の現場で見かけることがある。土台を取付けているM12のアンカーボルトは、入れ忘れた時にせん断力のみを負担するホールインアンカーを打つことがある。ホールインアンカーは引抜耐力が期待できない。
そのような理由から、ホールダウン金物を取付けるアンカーボルトは基礎梁に定着することを原則とする。
軽量鉄骨造の工業化住宅の評価が高いのは、アンカーボルトの設計がしっかりしていることも理由のひとつである。木造住宅の評価の低さの理由でもある。
ホールダウン金物を土台に取付けたいことは理解している。面倒だからやりたくない、という心理が働くことは分かるが、どうあるべきかを考えると異なる答えになる。
posted by TASS設計室 at 22:33| 木造の構造計算