2022年09月05日

反曲点高比0.5について考える

建物に生ずるの応力は、全ての部位で辻褄が合っていることが原則である。RC造、S造も同様で、2x4工法に最も近いWRC造も応力の均衡が保たれている。
ところが、2x4工法の壁は、反曲点高比0.5として応力計算が行われているが、マグサ(開口上部の梁)の短期荷重時の断面検定が行われておらず、単純梁として計算されているだけである。
僕が聞いた説明は、上部に床荷重が載っており、押さえ効果があるから、マグサ端部の短期荷重時のモーメントは釣り合っているとのことである。
それなら、そのような説明と、数値的な裏付けが必要である。四の五の言わず、反曲点高比を1.0として計算することにするが、一次設計の金物が大きくなる。
保有水平耐力計算では反曲点高比を1.0にするので、ルート3の計算が必要になる建物の場合は、保有耐力時の引抜金物で決定する。

ついでに言うと、基礎梁の計算では、壁の脚部のモーメントを基礎梁芯まで延長して計算するという、一般の建物では当たり前のことが、木造住宅では行われていない。
大勢に影響ないので、今のままで良いのかもしれないが、規模が大きくなったり、杭基礎を採用する場合は、一般の建物と同様の手順で設計したほうがよいだろう。


posted by TASS設計室 at 16:34| 2x4工法