2022年08月23日

木造専業の構造設計事務所

木造専業の構造設計事務所があるが、軸組工法と2x4工法の両方を設計するところは少なく、どちらかに特化している。どちらも木造ではないか。
構造図だけを作成する事務所があり、そのような事務所が関与する場合は構造図を先に作成してもらうと計算しやすい。構造計算だけを依頼されることもあるが、構造図作成段階で質問が多く、対応が面倒なので、構造図を先に作成してもらうか引き受けないことにしている。

混構造になると、RC/WRC/S造が苦手な木造専業の構造設計者は手を出さない。あるいは下部構造だけを当方に依頼されることがあるが、結局全体の構造設計を行うことになる。荷重の受け渡しのデータで苦労するようで、こちらとしては丸ごと計算するほうが分かりやすい。
混構造の場合は、構造詳細図を先に作成して全体を見渡すことが必要だ。RC壁のフカシ寸法やアンカーボルトの納まりを先に決める。

複雑なデザインのプレカット図のチェックを依頼されることがあるが、墨出しができる大工に加工を依頼するようコメントを加えることがある。色鉛筆で色分けして表現すると分かりやすい。混乱している人は横着しないことである。

アンカーボルトをスラブに定着することがあるので、アンカーボルトを曲げてスラブ内に定着することを理解させるための図面も作成する。
アンカーボルトは曲げてはいけないと思っているのか、曲げるのが面倒なのか知らないが、鉄筋とアンカーボルトについて理解してもらうための図面が必要である。曲げを受ける場合は必要定着長さの2分の1は真っ直ぐ突っ込むほうがよいが、せん断力のみを受ける場合は、スラブ内定着で差し支えない。心配ならコーン破壊の検討を行う。


posted by TASS設計室 at 23:54| 木造の構造計算