大現場には構造設計者が常駐し、あるいは週に2日ほど現場の設計室で施工図のチェックや疑問質問に答えている。躯体工事の段階では、設備との調整が重要だ。
現場の担当者は知識の絶対量、読み取ることができる情報の絶対量が違うからやむを得ないことだが、現場の施工図担当は、構造図と構造計算書を見て判断できるくらいの技量が必要だ。
現場監督の机の横に建築学会の規準が並び、ジョブローテーションで構造設計課から現場に配属された人がいると安心だ。僕が駆け出しの頃は現場の設計室に通っていた。週に2〜3日現場の設計室に通い、調整作業を行っていたこともある。机上の設計だけではなく、構造設計と現場が一致する。
住宅産業の設計者から基礎の鉄筋について質問があり、電話で説明していたのだが、相手の反応がイマイチだった。『現場で鉄筋を組んだものを見たことがありますか』と聞いたところ、彼は『ありません』と正直に答えた。
そんなことがあったので、僕が講習会の講師をやっていた時、現場で鉄筋を組んだところを見せながら、基礎の設計の講習を行うことを提案したところ、『そんなことをやって、現場で怪我でもされたら誰が責任を取るのか』と言われ、此奴らと話しても無駄だと思った。住宅産業は、こんなものだと再認識した。
僕が学生の頃『ハウスメーカーは建築屋ではない』と言っていた。
2022年08月23日
現場の担当者にも分かる図面
posted by TASS設計室 at 11:15| 構造設計