2022年06月26日

構造計画に関する相談

木造専業の設計者は、構造設計に関して相談する相手がいない。
プレカット業者やコンポーネント会社に問合わせる人が多いと聞く。
難しい計画は相談しても満足な答えが得られない。kizukuri あるいは kizukuri-2x4 のオペレーションで仕事をしている人が大半だからである。
木造3階建てなら、そのくらいのところに依頼するほうがよいだろう。

混構造や木造4階以上になると、極端に構造設計者が少なくなる。その理由は、構造設計者は木造住宅の設計を積極的に引き受けないからである。
その理由の1つは、木造専業の意匠設計者の技量の低さにある。断面図もロクに描けない意匠設計者も少なくない。平たい土地に建てるなら、断面図がなくても分かるが、敷地に高低差がある場合は、立体的に考え、それを図面化する必要がある。
総じて座標の概念が希薄で立体表現が下手である。立体幾何が苦手だったのだろう。
基本計画では、幾何学的直観力が試される。

客と一緒になってお絵描きしている設計者も少なくない。1階に大きなリビングがほしいと言って、柱のない大空間をつくり、無意識でその上に2階や屋根の荷重が集中する計画をする。それで梁成を小さくしたいと言う。
相談の相手をしていると、意匠設計者の技量が分かる。
posted by TASS設計室 at 13:27| 木造住宅