2022年06月22日

耐震改修は構造設計の仕事

耐震改修は構造設計の仕事である。
客と打合せを行う際、構造設計に関する基礎知識がないと初期段階でアタリをつけることができない。
多くの意匠設計者は持ち帰って構造設計者に相談していることと思う。
方針はこちらが誘導することになるが、安易に客に迎合すると良い結果が得られない。
10階建てのマンションの補強で、中間層に何か所かブレースを入れれば済むところを、外付けフレームで計画したことがある。杭を打ってCFTの柱を立てて鉛直ブレースを入れる。軸方向変形が大きいのでCFTにした。
5階の補強が必要なのに、1階から柱を立て、杭を打たなければならない。結局、工事費が嵩み、頓挫した。

別のマンションでは、意匠設計が関与せずに設計した。住民説明や理事会での調整作業も構造設計者である僕が行った。補強は外付けブレース3か所、耐震壁の増し打ち2か所で済んだが、壁の増し打ちに関連して2戸のリフォームを行っただけである。137戸のうちの2戸で済んだ。
posted by TASS設計室 at 09:33| 閑話休題