2015年04月13日

隣地の地盤の高さの誤り

 隣地の地盤の高さに誤りがあるため、検査済証が得られない建物があり、対応策の相談を受けた。
状況を聞くと、確認時に隣地の地盤の高さが、設計GLよりも低いことを意識していなかったようである。
しかも、段差部は高さ1.5m程度のコンクリートブロックの擁壁である。
現場を見ずに設計すると、こんなことになる。
 木造住宅、特に木造の4号建築の住宅のみを設計している人の中には、断面図の描き方に慣れていない人も少なくない。既存不適格の擁壁があると、基礎の設計が難しくなるので、敷地に高低差がないものとしてしまったのかもしれない。
そうなると建築士法違反で、処分の対象となる。
敷地境界に関しては、建築設計の場合は実測主義なので、施主から説明を受け、提出された測量図を元に設計することは差し支えない。しかし、敷地の安全性を見極めることは設計業務に含まれる。

 このような場合、いまさら深基礎にすることができないので、建物が既存擁壁に及ぼす土圧を求め、擁壁の安全性を確認するという方法をとるしかない。
擁壁の背面の土のサンプルを採取して物理試験を行い、内部摩擦角を求める。フリューリッヒの公式を使うと、地表面載荷の計算を正確に求めることができる。
こんな要領で検討するが、これで安全性が確認できるとは限らない。

 次の一手は、コンクリートブロックの擁壁の頭を建物で引張ることである。犬走りの部分に配筋し、建物の基礎と接続するのである。その際、あと施工アンカーを使うが、引抜力を期待せず、せん断力で応力を伝達できるディテールとする。

posted by TASS設計室 at 22:35| 木造住宅