終局耐力を確認せず、短期の耐力を求めている金物がある。金物だけではなく、簡易な杭の引抜および押込み試験でも、このような試験結果を見たことがある。
終局耐力を確認し、その3分の1を長期、長期の2倍を短期とするが、終局耐力を確認していないのでは、試験が不完全ではないか。木部が負けてしまい、終局時まで確認できなかった訳だが、その3分の2が短期の耐力ではないだろうか。簡易な杭でも同様に終局時の耐力を確認しない試験が行われていた材料メーカーがある。
釘打ちの耐力壁は終局時の耐力を実験で確認し、塑性率が求められ、計算式が出来ている。金物に関しても、他の材料と同様に終局時まで引っ張り、長期および短期の耐力を求めるべきではないか。
初めての鉄骨造
意匠設計者で最も技量の差が出るのは住宅系の鉄骨造である。RC造は設計できるがS造は設計できないという意匠設計者がいる。逆に構造設計は、S造はできるがRC造はできないと言い切っている構造設計者がいる。
一般的な鉄骨造は、柱をBCR295としたラーメン構造で、外壁はALC、床はQLデッキというものである。
お決まりのワンパターンである。外部廊下やバルコニーの床を下げるのは、梁成の差を利用して段差をつける。
鉄骨とALCの関係が理解できれば設計できる。
木造住宅の設計者が鉄骨造を設計すると、木造住宅的なものになる。この人、分かっていないな、と思うことも多々ある。断面をイメージしてプランニングすることが肝要である。
床の下には梁があることを分からせるために、意匠図の平面図に梁を点線で示すこともある。水回りやPSの計画に必要である。天井に梁形が出る場合は、天井が下がることを図面に示す。断面図を見れば分かることでも、気づかない人がいる。20枚程度の図面は、ひと通り目を通したら、どこに何が書かれているかくらいは記憶に残るものである。配管が通りそうもないPSもあれば、余裕のありすぎるPSもある。
一般的な鉄骨造は、柱をBCR295としたラーメン構造で、外壁はALC、床はQLデッキというものである。
お決まりのワンパターンである。外部廊下やバルコニーの床を下げるのは、梁成の差を利用して段差をつける。
鉄骨とALCの関係が理解できれば設計できる。
木造住宅の設計者が鉄骨造を設計すると、木造住宅的なものになる。この人、分かっていないな、と思うことも多々ある。断面をイメージしてプランニングすることが肝要である。
床の下には梁があることを分からせるために、意匠図の平面図に梁を点線で示すこともある。水回りやPSの計画に必要である。天井に梁形が出る場合は、天井が下がることを図面に示す。断面図を見れば分かることでも、気づかない人がいる。20枚程度の図面は、ひと通り目を通したら、どこに何が書かれているかくらいは記憶に残るものである。配管が通りそうもないPSもあれば、余裕のありすぎるPSもある。
posted by TASS設計室 at 09:50| 鉄骨造
理系であることを捨てた建築士
小規模な建物を設計している建築士は、大型物件並みに分業化することは適切ではない。小魚を頭から尻尾まで食べることと同様である。住宅なら、1人で設計できる。
設備にしても、ルートを確保し、貫通部の耐火処理を行えば済むことである。電気は受電容量を決めればよいので、手続きを行うことになるのだからサブコンに頼めば済む。
構造設計はルート1であれば構造設計一級建築士の資格は必要ない。許容応力度計算で済むので、応力計算と断面算定を理解すれば設計できる。構造図は計算結果を図面化するだけである。
矩計図が苦手な人がいるくらいだから、構造詳細図は難しいかもしれないが、過去の図面を見れば描けるだろう。
木造3階建てまでは、意匠設計者が構造計算を行っているのだから、RC造・S造・WRC造・混構造も、その延長線上で計算できるだろう。どれも応力計算と断面算定である。構造は建築士の試験範囲の知識で設計できる。
なぜ、やらなくなってしまったのだろう。建築は理系で、物理と数学で成り立っている。美術・造形から建築に入った人は、それを具現化することをサポートする人の協力を得ることである。
そういえば通常の意匠設計とは異なる、意匠設計課という名前だったか興味が無かったので詳しく覚えていないが、そのような人たちが集まっていた部署もある。インテリアデザインやパースを担当していた。
設備にしても、ルートを確保し、貫通部の耐火処理を行えば済むことである。電気は受電容量を決めればよいので、手続きを行うことになるのだからサブコンに頼めば済む。
構造設計はルート1であれば構造設計一級建築士の資格は必要ない。許容応力度計算で済むので、応力計算と断面算定を理解すれば設計できる。構造図は計算結果を図面化するだけである。
矩計図が苦手な人がいるくらいだから、構造詳細図は難しいかもしれないが、過去の図面を見れば描けるだろう。
木造3階建てまでは、意匠設計者が構造計算を行っているのだから、RC造・S造・WRC造・混構造も、その延長線上で計算できるだろう。どれも応力計算と断面算定である。構造は建築士の試験範囲の知識で設計できる。
なぜ、やらなくなってしまったのだろう。建築は理系で、物理と数学で成り立っている。美術・造形から建築に入った人は、それを具現化することをサポートする人の協力を得ることである。
そういえば通常の意匠設計とは異なる、意匠設計課という名前だったか興味が無かったので詳しく覚えていないが、そのような人たちが集まっていた部署もある。インテリアデザインやパースを担当していた。
posted by TASS設計室 at 08:56| 建築士
ホールダウン金物の耐力
ホールダウン金物の耐力は、木材との接合部で耐力が決まり、短期荷重時しか担保されない。木材が負けて最大耐力が決まる。したがって、終局時も短期の耐力で判定する。鉄筋は終局時は1.1倍、耐震診断では+49N/mm2 を加算する。
これで不足する場合はタイロッドを使うことになるが、最上部は座金で押さえるので、ナットの耐力で決まる。
各階毎に壁の上部を座金で押さえるディテールにする。
しかし、190kNの金物があるので、そこまではタイロッドを使わずに済む。その値を超えたらタイロッドにする。鉄筋(SD345)D25でも1.1x345x507/1000=192.4kNだから、PC鋼棒を使うことが一般的なことは理解できる。
建設会社がタイロッドを使うことを嫌うのは、コストが大幅に上がるからである。壁のバランスを考え、壁の長さをとる設計にするとよいが、耐力壁の長さが910mmあればよいと思っている木造の設計者の頭の切り替えが必要になる。何度となく壁長1365mm以上確保しろと言っても値切ってくる。
その内側にホールダウン金物が入り、端部のスタッドが6-206などということになることは、平面図を描いている段階でイメージできていなければならない。
これで不足する場合はタイロッドを使うことになるが、最上部は座金で押さえるので、ナットの耐力で決まる。
各階毎に壁の上部を座金で押さえるディテールにする。
しかし、190kNの金物があるので、そこまではタイロッドを使わずに済む。その値を超えたらタイロッドにする。鉄筋(SD345)D25でも1.1x345x507/1000=192.4kNだから、PC鋼棒を使うことが一般的なことは理解できる。
建設会社がタイロッドを使うことを嫌うのは、コストが大幅に上がるからである。壁のバランスを考え、壁の長さをとる設計にするとよいが、耐力壁の長さが910mmあればよいと思っている木造の設計者の頭の切り替えが必要になる。何度となく壁長1365mm以上確保しろと言っても値切ってくる。
その内側にホールダウン金物が入り、端部のスタッドが6-206などということになることは、平面図を描いている段階でイメージできていなければならない。
posted by TASS設計室 at 00:41| 2x4工法