2023年02月25日

混構造と木造4階は設計者の隙間

混構造と木造4階は、ビルの構造設計者と木造専業の構造設計者の隙間に位置する。
簡易な構造計算プログラムのオペレーションで計算している木造専業の構造設計者は手を出せない。ビルやマンション、工場や倉庫などの構造設計を行っている普通の構造設計者は、木造の業界とつき合いがない人が多い。彼らは混構造や木造4階やそれ以上の木造建築を設計できる技量はあるが、やらないだけである。

木造専業の構造設計者が、混構造や木造4階建ての構造設計に手を出すと、いきなり今まで聞かなかった言葉に出合い面食らう。その差を埋めるには、RC造とS造の構造設計を経験することだが、その差を木造側から攻める方法を考える。数冊の参考書にさらっと目を通し、必要なところだけを拾い読みする程度で効果がある。それで『木三郎4』と『2x4壁式3』の計算内容を理解することができる。
posted by TASS設計室 at 08:59| 構造設計

建設会社の社内の構造設計者

プレカット会社やコンポーネント会社で、社内に構造設計者がいる会社といない会社とでは、受注の範囲が大きく異なる。設計が決まったものを見積りするくらいなら誰でもできる。計画段階から提案できる体制を整えることが受注に有利だが、それには技術営業も必要になる。構造設計はできないまでも、客先と技術的な話しを行い、聞いてくることくらいは出来なくては受注につながらない。御用聞きの営業では役に立たない。
99%は普通の木造2階建てと3階建てだから、簡易な構造計算プログラムで計算できるので、難しい仕事は避ければ済むことだが、そのような案件は規模が大きく、魅力的に思うだろう。
意匠設計者の技量も必要になる。平面図と立面図しか作成せず、高さの関係に無頓着な意匠設計者には勉強してもらわなくてはならない。全体的に底上げが必要である。
構造設計事務所は意匠設計もできるので、矩計図や断面詳細図、各部のディテールの設計も可能である。もちろん鉄骨階段の設計も可能である。
posted by TASS設計室 at 08:27| 木造の構造計算