2023年02月18日

斜面地の利用は混構造

斜面地の利用は混構造で決める。
意匠が地下1階・地上2階の場合、構造は3階建てになる。こんな計画は良くあることで、欲を出してもう1階増やすと、地下1階・地上3階で、構造は4階建てになる。
偏心率を0.15以下にするのは難しいので、最初から保有水平耐力計算を行う予定で計画する。
地下部分は地下車庫として完結して、上部の地盤に2階建てを建てれば4号建築で済む。上部が3階でも、ルート1なので、簡易な構造計算プログラムで計算できる。
地下1階からエレベーターを付けると上下一体となり、混構造になる。
このくらいの範囲は、どれに決まっても構造設計が出来るようにしておこう。


posted by TASS設計室 at 23:12| 木造の構造計算

地耐力が50kN/uを超えると驚かれる

木造住宅の必要地耐力は20〜30kN/uが多いので、混構造で50kN/uを超えると驚かれる。
外壁率が高く、荷重が偏在していると、50kN/uを超え70kN/uくらいになることもある。
平均接地圧、図心と重心の差を求め、二方向の偏心を考慮した接地圧を計算すると、平均接地圧の1.5倍くらいになる。地震時の転倒の計算を行うと、短期で100kN/uくらいは当たり前である。
このような計算は、エクセルのシートを作成しておくと使いまわしができる。
支持杭の設計に慣れていない人がいるが、木造でも4階あるいは5階になると、地盤によっては総合的に判断して、スクリューパイルのほうが経済的なこともある。残土が出ないので、工程的にも有利である。
posted by TASS設計室 at 22:25| 木造の構造計算

好奇心と向学心

仕事に必要なことは好奇心と向学心である。
「分からない」と言って、そこで止まってしまい、独学できるレベルに達していない人が多い。
特に木造専業の構造設計者は、グレー本(軸組工法)と緑本(2x4工法)、技術基準解説書の細部まで目を通そう。普段は見ないページに新たな発見があるかもしれない。
軸組工法も2x4工法も木造で、両者は別物ではない。別物と思う人は、その段階で大きな思い違いをしている。どちらも木造、両者を俯瞰することが必要である。
posted by TASS設計室 at 15:22| 閑話休題

木造4階

審査機関からの情報では、木造軸組工法4階建ての構造計算に KIZUKURI が使われているという。塔屋を階として計算すれば、計算は可能である。だから壁倍率の上限を7倍として計算している。壁量が不足するからダブル壁にしている。
2x4工法の場合は4階建てになると、軸組工法に誘導する構造設計者がいると聞いている。保有水平耐力計算を行わなくてはならないからと思われる。
軸組工法は、3階でも4階でも、許容応力度計算を行うことに変わらないので、計算方法は同じで、ルート2になるだけである。
2x4工法は、3階建てまでの許容応力度計算と4階以上の計算は、保有水平耐力計算という余計な計算が加わるので、尻込みする人が増えるようだ。部材ランクも崩壊形も意識せず、反曲点高比1.0で計算しているだけなので、計算要領を理解すれば、許容応力度計算ができる人なら、計算が可能だろう。
それこそ、ツーバイフォー建築協会でサポートすればよいのではないか。その際に推奨する構造計算プログラムは必然的に、東京デンコーの『2x4壁式3』になるだろう。

軸組工法でも2x4工法でも、耐力壁の長さは1.5P 、1365mm を最小長さにすることを意匠設計者に理解していただく。少なくとも 1200mm は必要である。理想を言えば 1500mm を4階床まで通す。最上階は柱脚の金物がU35で間に合うので、壁の長さを短くすることができる。
金物の上下の連続性を考慮して決める。

壁式鉄筋コンクリート造でも、壁が短かったり、平気で上下階の壁の長さが異なる設計をする意匠設計者がいるが、無理な応力がかかる設計は避けるべきである。
上下階で開口位置が揃わず、結局、鉄骨造になった建物がある。タイルを貼って、見た目は鉄筋コンクリート造だが、竣工後何年経っても、雨漏りが解消しないということを聞いている。お絵描きだけの設計は卒業しよう。
posted by TASS設計室 at 11:06| 木造の構造計算