基準は法律、規準はお手本である。
RC規準も参考書だが、それ以上のものがないので使用している。構造の規準や専門書は論文を集めたもので、法律ではないが規準である。内容は常に変化し、改定が行われることはご存知の通りである。
そこで、グレー本 P.210 に着目する。
(4) 参考:中大規模建築物への応用
本書は (中略) 参考として示すこととした。
ただし、本書の適用範囲は許容せん断耐力の上限は13.72kN/mであり、13.72kN/mを超えると本書の適用範囲外となる。そのため、下記の条件で設計した場合、設計者ならびに建築確認審査機関の判断により、耐力壁周辺部材及び接合部の検討を適切に行う必要がある。
この書き方、逃げていないで、何とかしませんか。緑本(2x4工法)のほうが正面から向き合って書いている。
『本書の適用範囲となる』を読んだだけで、思考停止状態になり、7倍を上限とすると解釈している人が圧倒的多数である。こんな状態だから木造の業界は進歩しない。
平均せん断力法で計算しているが、長さの短い耐力壁の場合、曲げ耐力のほうが小さくなり、曲げ耐力で終局耐力が決まる場合がある。RC造の耐震診断の計算に出てくるが、min(Qsu,Qmu)を求めたらどうだろう。
トラブルが起きそうな意匠設計
計画図で判断すると、トラブルが起きそうな意匠設計がある。
先ず第一は雨水の処理である。S造で外部廊下やバルコニーのスラブを下げず、建物内部のスラブの高さと同じにしている。防水は切れるもので、水は水平に広がるものである。
何でもFRPで防水すれば良いというものではない。2x4工法でよくやる跳ね出しバルコニーのように割り切った考え方もあるが、RC造の共同住宅のように下げるべきではないか。片持梁の下端を大梁の下端に合わせれば容易に実現できる。
2x4工法でもやりようがある。バルコニーの床の躯体を下げることができる。仕上げて部屋と同じ高さになる。
全般的に気づきが少ない設計は知的な設計とは言えない。防水は切れるもの、雨は漏るものという前提で設計する。表面的なことしか見ていない設計者がいるものだ。
僕が工場の設計が好きなのは、意匠設計者のレベルが高いことにある。住宅産業の設計者は工場の設計は行わない。
建築はビルものを通して学ぶことが多い。木造2階建ての住宅を設計するなら、大工の棟梁になったつもりで、釘1本に至るまで追求して設計することである。S造なら溶接、RC造なら鉄筋が肝である。
先ず第一は雨水の処理である。S造で外部廊下やバルコニーのスラブを下げず、建物内部のスラブの高さと同じにしている。防水は切れるもので、水は水平に広がるものである。
何でもFRPで防水すれば良いというものではない。2x4工法でよくやる跳ね出しバルコニーのように割り切った考え方もあるが、RC造の共同住宅のように下げるべきではないか。片持梁の下端を大梁の下端に合わせれば容易に実現できる。
2x4工法でもやりようがある。バルコニーの床の躯体を下げることができる。仕上げて部屋と同じ高さになる。
全般的に気づきが少ない設計は知的な設計とは言えない。防水は切れるもの、雨は漏るものという前提で設計する。表面的なことしか見ていない設計者がいるものだ。
僕が工場の設計が好きなのは、意匠設計者のレベルが高いことにある。住宅産業の設計者は工場の設計は行わない。
建築はビルものを通して学ぶことが多い。木造2階建ての住宅を設計するなら、大工の棟梁になったつもりで、釘1本に至るまで追求して設計することである。S造なら溶接、RC造なら鉄筋が肝である。
posted by TASS設計室 at 08:30| 閑話休題
木造の構造計算プログラム
木造の構造計算プログラムは東京デンコーの「木三郎」と「2x4壁式」しか使えない。
多少の不満はあるが、それ以上のプログラムは他社から出てこない。
大規模木造の設計者は、汎用の高度な解析プログラムを使っているものを見かけたことがあるが、FEMで解こうが、立体解析を行おうが、一般の構造設計者の手が出る計算は「グレー本」「緑本」の範囲である。
それらを知り尽くして開発されたのが上記2つのプログラムである。ユーザーが少ないから、木造4階が進まないのだろう。
多少の不満はあるが、それ以上のプログラムは他社から出てこない。
大規模木造の設計者は、汎用の高度な解析プログラムを使っているものを見かけたことがあるが、FEMで解こうが、立体解析を行おうが、一般の構造設計者の手が出る計算は「グレー本」「緑本」の範囲である。
それらを知り尽くして開発されたのが上記2つのプログラムである。ユーザーが少ないから、木造4階が進まないのだろう。
posted by TASS設計室 at 01:05| 木造の構造計算