2023年01月04日

軒高

2x4工法と軸組工法では、軒高のとり方が異なる。
・軸組工法:軒桁上端
・2x4工法:頭つなぎの上端
他の工法は
・S造:梁上端(スラブを考慮した合成梁の場合はコンクリート上端)
・RC造:梁上端(逆梁の場合は逆梁の上端)
ただし、Ai分布の計算を行う際の階高の押さえはスラブ上端。
これは層の質量の大半がスラブの高さに集中するからである。
・WRC造:スラブ上端

2x4工法で陸屋根にする場合、最上階も中間階と同様の床の納まりとなり、床の合板が有るが、それは勾配屋根の野地板と同様とみるのだろうか。
床の厚さが変化しても、壁の剛性は壁の高さで決まるので、計算には影響ない。
最上階の階高と壁高さを、階高2750壁高2500とするか、階高2500壁高2500にするかの違いである。
パラペットを除く外壁は、スラブ天端までである。外壁の荷重は階高で拾う。


posted by TASS設計室 at 09:04| 構造設計

2023年01月03日

明日まで休み

1月4日(水)まで休みにする。
休み中の予定が押してきて、時間が必要になった。
大阪の案件で、大きな建物の一部で、部分的な仮設の検討だから簡単に終わると思っていたものが、計算してみると更に詳細に計算したくなる。次のスパンまで考慮して計算する「2サイクル法」というやり方で計算する。昔のRC規準に載っていた方法である。
机の上が散らかってきたので整理する。
posted by TASS設計室 at 20:03| 日記

無駄な打合せが多い

考えを持ち寄らない打合せは時間の無駄である。
何も考えず、人の考えを聞くだけなら、家庭教師である。
各個人が意見や考えを持ち、それを交換することで進化する。
構造設計の同業との打合せは、メールで資料を送受信し、電話で少し話す程度で完了する。
施工会社との打合せも同様で、担当者が有能なら要領のよい打合せができる。それは、基礎となる共通認識の範囲がほぼ一致しているからである。
それで初めて分からないことを教え、教えられという関係が成立する。

posted by TASS設計室 at 18:46| 閑話休題

陸屋根の排水

陸屋根のドレンの位置を居室の上にもってきている図面が届いた。
構造設計とは関係ないが、バルコニーがあるのだから、バルコニーの上にもってくるほうがよい。
漏れてもバルコニーである。このくらいのことを考えられないのかな。
なるべく竪樋は外に出すものとし、排水を室内に呼び込むようなことは極力避けることである。
posted by TASS設計室 at 18:33| 木造の構造計算

鉄骨造の接合部の設計

鉄骨造は接合部の設計が要である。製作や施工を考慮した接合部の設計である。屋根・外壁・床・柱脚・基礎を見渡して決めるが、どこに重きを置くかで設計が異なる。
チマチマ設計するよりも、BCR295でラーメンにしてしまうほうがよい。業績が悪化した鉄骨工場を吸収してしまうという手もある。しかし、それをコントロールする技量が必要になる。
施工体制、現場監督や設計の技量、協力会社の体制、資材の調達を見据えて計画する。
部材断面を小さくすることで鉄骨の総重量は少なくなっても、加工手間がかかると何にもならない。

小規模な建物は、木造専業の設計者が設計することがあり、最初は木造で計画するが、無理だと分り、軽量鉄骨造にしたいという。それでも制約が多くて納まらず、鉄骨のラーメンに落ち着くことが多々ある。
そのような場合、最初に矩計図を作成して検討する。
矩計図は構造設計者が作成するものと思っていた意匠設計者がいた。ハウスメーカーでは、標準図的な矩計図があり、その図面を添付するだけの設計者もいる。
posted by TASS設計室 at 10:10| 構造設計

2023年01月02日

狭小地の建築

都市部の狭小地の建築の需要がある。
整形な敷地なら鉄骨系の大手ハウスメーカーが手を出すが、彼らは斜面や不整形な敷地には手を出さない。そのような敷地の建築は、大手と競合することなく受注できる中小企業にメリットがある。
設計と施工の両面で斜面に慣れる必要がある。平たい敷地での設計や施工しかできない会社には難しい。

木造専業の設計者が相談を受けると、2x4工法の耐火構造ができるからと言って、2x4工法で実現不可能な計画を提示する。安易に3階建て程度の壁量で計画しているものを見かける。
狭小地ではWRC造が無駄のない設計ができるが、WRC造にはWRC造の制限が有り、壁があればWRC造ではない。
posted by TASS設計室 at 18:53| 構造設計

躯体工事費を安くしたいなら

躯体工事費を安くしたいなら建物を軽くすることである。
鉄骨造なら外壁にイソバンドを使うとか、屋根を折版にするなどの軽量化を考える。
鉄骨系プレファブメーカーは床をALCにしているところが多い。
床面の水平ブレースが煩わしいので、QLデッキあるいはEデッキのほうが簡潔に納まる。

仮設や基礎に関しても工夫が必要である。小規模な建物の設計者は杭基礎(支持杭)を嫌い、地盤改良(改良杭)に固執する人が多いが、杭基礎のほうが経済的なこともある。
支持層が深い場合は ATTコラム も有効である。今まで2回しかATTコラムを使ったことがないが、広島県尾道市と青森県八戸市で使った。前者は支持層が深すぎたので支持杭をあきらめ、後者は手頃な中間層はあるものの、層厚が均一ではなく、中間層が無くなってしまうところがあった。
必要な支持力を摩擦で得られるか、何通りかのメーカーのものを比較して決める。
posted by TASS設計室 at 14:07| 構造設計

質問されることを恐れる

質問されることを恐れる人がいることを理解している。
電話で内容を伝えてくれても内容に欠落があることもあり、その質問を、そのまま転送してもらう。
大部屋で仕事をしている会社勤めの人は、仕事をやっているふりをするため、電話を多用する傾向がある。
電話は互いに同じ資料を見ながら話す時くらいでよい。
中途半端な理解では、審査機関や現場からの質問に答えられないだろう。やってみてダメなら、再び連絡がある。


posted by TASS設計室 at 12:05| 建築士

素人と変わらない意匠設計者

素人と変わらない意匠設計者が多い。
確認申請を含む法規的なことは代願事務所任せ、構造設計はもちろん外注である。
社内で法規と構造の面倒を見る人がいない会社もある。
木造2階建ては設計できるが、深基礎や高基礎、擁壁が絡むと設計できない。問題は高さ2m以下の擁壁である。確認申請時のチェックが入らないので、不安定なものをそのまま施工してしまった会社もある。
土圧のことが分からないのだろう。その程度の人が設計している。モーメント図を描くことが出来ない建築士は多い。
posted by TASS設計室 at 11:01| 建築士

2023年01月01日

好奇心

好奇心があると語彙が増え、相手が言ったことを理解できるようになる。
半信半疑で右から左に伝達するだけでは、仕事に興味がわかないだろう。判断の主導権を取ることである。
何か分からないことに出合ったら、それをトラブルと思うか、興味の対象と思うかで進歩が違う。
進歩しなくてもよいと思っている人も少なくない。会社から命令されて講習を受ける人もいる。

新商品の開発に参加することがある。部下はやりたくないのにトップの思いつきで、新しいアイディアにチャレンジする。思い付きはよいが、従来の方法と比較して工事費が安くなるかといえば、そうでもないこともある。
posted by TASS設計室 at 19:25| 建築士

1981年から2000年の木造住宅の耐震性

1981年から2000年の木造住宅の耐震性に疑義があると言われている。壁量は満たしているが柱脚あるいは壁の脚部の金物が規定のものが付いていないとのことである。
その年代の建物に対して補助金を付けて耐震性を強化するらしい。
壁の脚部が浮上ると、それ以上の地震力が建物に入らないので、建物の倒壊を免れることがある。
神戸のEディフェンスでの実大実験が、金物がしょぼい建物のほうが残った例がある。
基礎と杭の緊結は不要であるという論文もある。このように考えると、金物を付ければよいというものでもない。
電気のフューズのようなもので、フューズが飛ばないように針金を入れると、過電流で機器が壊れることと似ている。
https://www.sein21.jp/TechnicalContents/Ishiyama/Ishiyama0104.aspx
posted by TASS設計室 at 15:36| 木造の構造計算

4階建て、5階建て

都市部では小規模4階建て、5階建ての需要がある。
4階建てなら
@S造
AWRC造
B木造軸組工法
C2x4工法
D1階WRC造、上部2x4工法
と多様な選択肢がある。

5階建てはS造が最も適している。
支持杭を使うことが増える。

posted by TASS設計室 at 11:26| 構造設計