2023年01月15日

木造軸組工法4階 VS 2x4工法4階

どちらにするか、シミュレーションして決める。
軸組工法なら柱は 120x120 で、不足分は添え柱とする。
2x4工法は主要な壁は 2-206 @455とし、端部のタテ枠は6本とする。出隅は必然的に7本になる。
端部のタテ枠は、マグサ受けを含む合計の本数でよい。全てのスタッドが軸力を負担するものとし、マグサの上部も6本とする。
1階が木造で納まらない時は、1階をWRC、2〜4階を2x4工法とする。
構造計算ルートは、軸組工法はルート2またはルート3、2x4工法はルート3とする。
軸組工法は壁の剛性を調整し、偏心率を0.15以内に収めることが可能なのでルート2とする。やむを得ない場合を除き、ルート3を避ける。
構造計算プログラムは「木三郎4」「2x4壁式3」とする。
posted by TASS設計室 at 16:53| 木造の構造計算

ぶっつけ本番、瞬時に理解

3人で客先に説明に行く気配なので、要望に合った資料を作成した。
ぶっつけ本番、瞬時に理解することが出来ず、予習しなければならない人たちなので、図面と計算書に説明を加筆している。トラ巻と称する教科書ガイドがあったが、そんなつもりで加筆する。3人で顔を見合わせ、誰が口火を切るか、様子を伺うのだろう。
この段階の人は、会社勤めの人に見られることで、自分で決めることに慣れていない人たちなので、自分の言葉で返事することをためらうものである。今まで何度か打合せしていると思われるが、始末に困ったから、こちらに相談が来たのだろう。
「読む・書く・聞く・話す」という基本的な能力の強化の必要性を感じる。
posted by TASS設計室 at 09:24| 閑話休題

2023年01月14日

設計規準は参考書

基準は法律、規準はお手本である。
RC規準も参考書だが、それ以上のものがないので使用している。構造の規準や専門書は論文を集めたもので、法律ではないが規準である。内容は常に変化し、改定が行われることはご存知の通りである。

そこで、グレー本 P.210 に着目する。
(4) 参考:中大規模建築物への応用
 本書は (中略) 参考として示すこととした。
 ただし、本書の適用範囲は許容せん断耐力の上限は13.72kN/mであり、13.72kN/mを超えると本書の適用範囲外となる。そのため、下記の条件で設計した場合、設計者ならびに建築確認審査機関の判断により、耐力壁周辺部材及び接合部の検討を適切に行う必要がある。

この書き方、逃げていないで、何とかしませんか。緑本(2x4工法)のほうが正面から向き合って書いている。
『本書の適用範囲となる』を読んだだけで、思考停止状態になり、7倍を上限とすると解釈している人が圧倒的多数である。こんな状態だから木造の業界は進歩しない。
平均せん断力法で計算しているが、長さの短い耐力壁の場合、曲げ耐力のほうが小さくなり、曲げ耐力で終局耐力が決まる場合がある。RC造の耐震診断の計算に出てくるが、min(Qsu,Qmu)を求めたらどうだろう。
posted by TASS設計室 at 09:55| 構造設計

トラブルが起きそうな意匠設計

計画図で判断すると、トラブルが起きそうな意匠設計がある。
先ず第一は雨水の処理である。S造で外部廊下やバルコニーのスラブを下げず、建物内部のスラブの高さと同じにしている。防水は切れるもので、水は水平に広がるものである。
何でもFRPで防水すれば良いというものではない。2x4工法でよくやる跳ね出しバルコニーのように割り切った考え方もあるが、RC造の共同住宅のように下げるべきではないか。片持梁の下端を大梁の下端に合わせれば容易に実現できる。
2x4工法でもやりようがある。バルコニーの床の躯体を下げることができる。仕上げて部屋と同じ高さになる。
全般的に気づきが少ない設計は知的な設計とは言えない。防水は切れるもの、雨は漏るものという前提で設計する。表面的なことしか見ていない設計者がいるものだ。
僕が工場の設計が好きなのは、意匠設計者のレベルが高いことにある。住宅産業の設計者は工場の設計は行わない。
建築はビルものを通して学ぶことが多い。木造2階建ての住宅を設計するなら、大工の棟梁になったつもりで、釘1本に至るまで追求して設計することである。S造なら溶接、RC造なら鉄筋が肝である。

posted by TASS設計室 at 08:30| 閑話休題

木造の構造計算プログラム

木造の構造計算プログラムは東京デンコーの「木三郎」と「2x4壁式」しか使えない。
多少の不満はあるが、それ以上のプログラムは他社から出てこない。
大規模木造の設計者は、汎用の高度な解析プログラムを使っているものを見かけたことがあるが、FEMで解こうが、立体解析を行おうが、一般の構造設計者の手が出る計算は「グレー本」「緑本」の範囲である。
それらを知り尽くして開発されたのが上記2つのプログラムである。ユーザーが少ないから、木造4階が進まないのだろう。

posted by TASS設計室 at 01:05| 木造の構造計算

2023年01月13日

軸組工法の耐力壁

とうとう24mmの合板、CN-75 @75 の耐力壁を設計してしまった。
こんなことをやると癖になる。108kNの金物でもコーン破壊は納まる。
12mmの合板で CN-65 @50 の場合、フレーム材の縁あき寸法20mmというのは安心感がある。
壁倍率7を上限とする設計は行わず、取れる耐力は取る方針でいく。
posted by TASS設計室 at 15:25| 木造の構造計算

ワーニングメッセージが不足しているプログラム

構造計算プログラムで、ある開発元のプログラムはメッセージが出るが、別の開発元のプログラムではメッセージが出ないものがある。
1,000ページくらいの出力はよくあることなので、キーワードで検索することができたり、NGのところにページが飛ぶようにしてもらうと有難い。NGをモノクロで出されると、出力を丹念に見なければならない。
カラー出力に対応していないものもあるが、NGのところだけをまとめて出力することができるので助かる。
構造計画は素直なものがよい。力の流れが明快な意匠は整然としている。ひねくった計画が意匠的に優れていると勘違いしている人がいる。最後は躯体コストに跳ね返る。
意匠と構造の両方を設計する時は、設計の初期段階で大雑把に計算して見当をつける。エスキースと構造計算の同時進行である。

posted by TASS設計室 at 15:12| 日記

2023年01月12日

【ガンの正体〜ガンは「浄血装置」】(森下敬一氏著より一部抜粋)

【ガンの正体〜ガンは「浄血装置」】(森下敬一氏著より一部抜粋)
一般には、ガンというと、体のいろいろな部分にできるガン腫(オデキ)になったところだけがガンだと思われています。
しかし、これはまちがいです。このガン腫というオデキは、いわば結果としてできたものなのです。
ほんとうに「ガン」と呼ばなくてはならないのは、そのオデキをつくらせたものです。そのオデキをつくらせた蔭の悪魔は何でしょうか。
それは「血液の汚れ」なのです。さきに、血液が汚れると、それが体のなかのいろいろなところに炎症をおこさせることをお話ししましたが、その炎症の一つが、まさにこのガン腫です。
血液が汚れてくると、その人の体でいちばん敏感なウィークポイントにこのオデキがあらわれるのです。
ガンの正体が「血液の汚れ」だとしますと、このガン腫というオデキは、いったい何なのでしょうか。
ガン腫は、実は体がつくりだした「浄血装置」なのです。
つまり、血液が汚れに汚れてしまって、このままでは命もあぶなくなるというときに、このガン腫ができて血液をきれいにしてくれる働きをするのです。
最近、フランスの学者がガンのオデキのなかで抗毒素ができて、それが血液中に分泌されていることを発見しました。
いままでは、ガン腫は悪魔の創造物だから、切りとるとか、放射線で焼き殺すとかしてやっつけなければならないとばかり思っていたものが、抗毒素を血液中に送りこみ、病気の毒素を中和してくれていることがわかったのです。血液が汚れるというのは、こういった毒素が血液のなかに入りこむことです。
この毒素が腸のなかでつくられることは前にのべたとおりですが、その結果できるガン腫というオデキは、その血液をきれいにするための浄血装置です。
まったく体というものはうまくできているものと感心するばかりです。だから、ガンになった、ガン腫ができたということは、むしろ喜んでよいものです。ですから、ここのところをよく理解し、頭を切りかえて下さい。
もし、体のほうでガン腫をつくってくれなかったら、人間は汚れた血液のまま、急転直下、死んでしまわなければなりません。ガン腫ができるおかげで、生きのびることができるのです。
以前には、敗血症という病気で死ぬ人がたくさんいました。これはいわば血が腐る病気です。
この病気は、まず腸のなかで異常発酵がおこって、毒素や老廃物がたくさんでき、それが血液のなかに入ると、血液中に細菌が大繁殖して、血液はどんどん腐ってしまうのです。こんな状態になった人は、まず一週間とはもちません。たいてい二日か三日で死んでしまいます。
この病気が、ふしぎなことに、いまではバッタリ姿を消してしまったのです。なぜでしょうか。
それは、人間の体がガン腫という浄血装置をつくって、それに対処することをおぼえたからだと思うのです。
敗血症では二〜三日であの世行きとなる人が、ガンというオデキが体内にできたおかげで二〜三年は生きのびられるようになったわけですから、ガンにたいして感謝しなければバチがあたるというものでしょう。
たとえてみれば、いますぐ死刑になるところを、数年間の執行猶予が与えられたのです。この間に心を入れかえて、血の汚れを治すために積極的に努力し、生活改善をはかれば、死刑はもう執行されないのです。つまりガンが治ってしまうのです。
血液がすっかりきれいになれば、体がやむなくつくりだしたガン腫はお役御免になり、自然に消えていってしまいます。
ですから、ガン腫は「赤信号」であり「安全弁」であり「血液浄化装置」なのですから、本質的に「よいもの」なのです。
それなのに、いまの医学では、そのガン腫をしゃにむにたたきつぶせと、放射線を照射したり、抗ガン剤治療(!?)しかやっていないのですから、ガンがほんとうに治るわけがありません。
たとえ、左の乳房にできたガン腫を切りとっても、その人の血液が汚れているかぎり、必ずこんどは右の乳房やその他のところにこの浄血装置ができてきます。それを切りとれば、またべつのところにガン腫ができます。オデキを何度とったところで、原因である血液の汚れが消えないからです。ガンになっても、何もせずにほうっておけば二〜三年は生きられるのですが、ガン・センターなどに入ると、みんな申しあわせたように半年ぐらいでバタバタ死んでしまうのは、このためです。
ただもうガン腫をやっつけるために、大量の抗ガン剤を与えたり、放射線をかけたり、手術をしたりしているので、患者の体がもたないのです
おそろしいのはガンではなく、ガン化をやっつけさえすればそれで万事解決だと安易に考えている現代医学の愚かしさのほうではないでしょうか。
ガン腫瘍こそが、ガン患者にとって救いの女神、もしガン腫に溜まっている毒素が全身を巡っていたら…。
常に生体の細胞は毒素にさらされ全身はボロボロに…。
ガン腫ができないほうが良いという発想が間違いなのであります。
posted by TASS設計室 at 21:28| 閑話休題

基礎梁の鉄筋の位置(高さ方向)

木造住宅の場合、基礎梁の鉄筋の位置(高さ方向)は、成り行き任せなので、X方向が上になるか、Y方向が上になるか分からない。スラブ筋も同様である。
寸切りの主筋を並べて定着はL形の鉄筋を添わせることもあるので、同じ高さでも差し支えない。現場も意識しない、というか、そのようなことは考えていない。
基礎梁の計算では dt を大きめにしておくほうがよい。
スラブ筋も同様で、現場でどちらを先に並べるかで決まる。「犬が西向きゃ尾は東」だね。


posted by TASS設計室 at 21:08| 木造の構造計算

勉強は一話完結

実務では、一話完結的な勉強もよい。
何かのテーマについて、簡潔にまとめるのである。A4で数枚でまとめると分かりやすい。

何かの構造の構造計算をマスターする場合、20時間あればひと通り話すことができる。

posted by TASS設計室 at 20:08| 建築士

断面で考える

平面図を描きながらも断面で考える。平面図と立面図だけで仕事している人が多いようだ。
矩計図は立面図・平面図・断面図を同じ紙面に描くとディテールが理解できる。
構造図としてこんな図面を描くこともある。ここからスタートする。
そうしないと高さが決まらない。
posted by TASS設計室 at 19:27| 構造設計

壁倍率計算と詳細計算のミックスはダメ

耐力壁の倍率計算と詳細計算のミックスはダメでしょう。2x4工法では、そのような計算は行わないが、軸組工法では採用している。
剛性に基づく計算と倍率計算では剛性が異なるので混ぜたらダメではないか。
そのような計算が可能な構造計算プログラムがあり、ミックスして入力できる。試算している時は便利だが、そんな時は、計算終了メッセージにその旨を出力してもらうとありがたい。
一部の壁を剛性で計算し、それを倍率に換算して計算するには都合がよい。剛性に大差がないから、それでもよいと言われれば、ダメとは言えない。
しかし、倍率という考え方が気に入らない。
posted by TASS設計室 at 13:15| 木造の構造計算

2023年01月11日

新築に誘導することもない

新築に誘導していると思われる計画が2つある。1つは鉄骨造の減築、もう1つは木造の基礎の補強を伴うリフォームである。
意匠設計者と施工会社は当然のことながら新築に誘導しているが、状況を聞くと補強も可能である。
工場の改築設計の予定が入っているので、方法を考えていた。土間の補強はあと施工の杭とフラットスラブという方法がある。

posted by TASS設計室 at 16:11| 構造設計

木造軸組工法と枠組壁工法

木造軸組工法と枠組壁工法の面材耐力壁の計算方法を比較している。
軸組工法はCN釘と比べて軸部の径が細いN釘を使用するので、塑性率が大きくなる。耐力は落ちるが塑性率が大きくなり構造特性係数が小さくなる利点がある。
軸組工法でルート2で計算する場合は塑性率や構造特性係数は関係ないので、軸部の径が太いCN釘を使って耐力を上げたらどうだろう。ヘリあき寸法は、2x4工法より大きいので、問題なくCN釘を使うことができる。
強度に依存する設計なら、軸組工法のN釘をやめて、CN釘を使ったらよいと考えている。
posted by TASS設計室 at 08:41| 木造の構造計算

2023年01月10日

構造の特性に合わせた計画

意匠設計は構造の特性に合わせた計画にする。
RC造はRC造に合った計画、鉄骨造は鉄骨造に合った計画とし、力の流れを無理のないものにする。
WRC造でラーメンのような計画を行いたい場合は、壁式ラーメンという手もある。
ラーメンなら、X方向ルート3、Y方向ルート1という方法があるが、究極的には壁式ラーメンになる。
地下室のある建物の直接基礎の場合は、基礎をフラットスラブにすることを考える。掘削を浅くすることができる。
posted by TASS設計室 at 23:01| 構造設計

木造4階でも壁倍率計算

木造4階でも壁倍率計算で、7倍を上限として計算している人が圧倒的多数で、木造3階建てまでの構造計算は意匠設計者が行っているという話しを聞いた。
その世界の人とは縁が無いので、様子が分かった。

木造専業の構造設計事務所もある。どういうわけか、彼らは2x4工法と軸組工法の両方を設計する人は少ない。木造以外では、鉄骨造のみ引き受ける構造設計者もいる。RC造は難しいところもあるが、やらないというのは、構造設計者として如何なものか。
保有水平耐力計算を嫌い、何が何でもルート1あるいはルート2にしてしまう構造設計者もいる。
最近は、そのまま施工図として使える構造図を作成している。鉄骨製作図がファブから送られてくるが、構造図のCADデータを、そのまま引き延ばしたものも多々ある。RC造は躯体図的な構造図にしている。
その理由は、小規模な建設会社は施工図が描けない会社があるからである。
今後は、設計図がそのまま製作図や施工図として使える図面を作成するようになる。構造設計者が設計段階で設備のスリーブまで調整するようになる。
木造はプレカット図を先に作成していることは正解である。
posted by TASS設計室 at 19:05| 木造の構造計算

誤読が広がってしまった『学問のすすめ』

誤読が広がってしまった『学問のすすめ』
「言えり」は世間じゃ言われているねということ。
「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。また世の中にむずかしき仕事もあり、やすき仕事もあり。そのむずかしき仕事をする者を身分重き人と名づけ、やすき仕事をする者を身分軽き人という。
https://diamond.jp/articles/-/255356?page=2
posted by TASS設計室 at 18:47| 閑話休題

ペテン、イカサマ、インチキについて考える

ペテン、イカサマ、インチキについて考える。
ペテン:詐欺を意味する中国語「bengzi」が訛った語
イカサマ:「如何」と「様」が足された語と言われる
インチキ:福井県の方言「いんつく」がある。
方言について書いたら、松本清張の小説を思い出した。犯人の方言で出処をつきとめる。
新型コロナのワクチンは、まさにペテン、イカサマ、インチキである。
posted by TASS設計室 at 08:46| 閑話休題

2023年01月09日

意匠設計

昨年基本構想をまとめたので、土砂災害警戒区域の申請、開発申請準備を行っている。
提出図面の縮尺は1/500だが、建築の意匠図は1/200で作成するので、造成計画も1/200とする。1/200の図面で出力する場合は A0 になる。
昔、製図板で A0 の図面を描いたが、こんな時は平行定規を使った。敷地平面図にトレーシングペーパーを重ねて縦断図を作成したものである。CADでは広い空間に平面図や断面図を並べて描く。
CADで図面を串刺しにして作成する人がいるが、僕は並べるほうが好きだ。断面図の基準線は断面を切った向きに合わせて様々な方向になる。
posted by TASS設計室 at 19:51| 閑話休題

仕様規定と認定工法

住宅設計は仕様規定と認定材料、認定工法など、何でも「認定」が好まれる。
社内で狭い範囲の技術者を育て、外に行けないようにするという考えだろうか。
個別に設計するのではなく、認定であることで満足してしまう習性をうまく利用している。
認定工法は他社と差別化することに利用することもあるようだが、いつまでも「特許出願中」と書かれているものもある。
結局、木造2階建ての壁量計算のレベルを超えることができないのである。その延長線上で3階建て、4階建ても設計されている。型式認定の工業化住宅である。
その世界で何年設計しても、設計者個人のスキルは上がらない。ファミレスの厨房に何年勤めても、独立して飲食店を開くことができないことと同様である。そのような人が、フランチャイズに加盟する。
posted by TASS設計室 at 12:17| 木造の構造計算