2022年11月05日

保有水平耐力計算は意味があるのか

木造軸組工法や2x4工法の構造設計で、保有水平耐力計算は意味があるのだろうか。
壁の耐力さえあれば保有水平耐力は満足する。RC造やS造を意識して、見栄を張って保有水平耐力計算をやることもない。やるなら、ちゃんとやれと言いたい。
保有水平耐力を出すには、基礎梁の耐力が効いてくる。基礎梁の付着割裂破壊やせん断破壊にも気を遣うとよいと思う。鉄骨造の基礎では付着割裂破壊が起きて梁幅を広げたり、せん断補強筋を増やしたりすることがあるが、木造の基礎では、そこまで検討しない。
技術基準解説書に、見当を除外できることが書いてあった。(以下は引用)

終局における付着割裂の検討は,本来全ての場合に行う必要がありますが,ルート1,2−1,2−2では検討を省略することができます。 (付着応力度が大きな部材では検討することが望ましいといえます。)引張り鉄筋が多い部材や、強度の高いコンクリートと鉄筋を用いている部材、鉄筋をカットオフしている部材では、特に検討が重要となります。
検討方法の例としては,p.630のd)に示される方法,鉄筋コンクリート構造計算規準・解説(1999)の16条(付着および継手),17条(定着)に示される方法(ただし,σtはσy(鉄筋の降伏強度)と置き換えるものとする)などが考えられます。
なお、付着割裂の検討とは別に、一次設計としての付着の許容応力度の検討は、令第82条第一号から第三号の計算の一環として、ルート1〜3のすべての場合に必要となります。この場合には、鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(1991)の方法によることができます。
posted by TASS設計室 at 23:47| 木造の構造計算

任意形状の床配置

変形した建物で、1か所だけ任意形状の床配置ができないところがあった。
スパンを挿入したら不具合が出て、何度試しても配置できないので、任意軸を入れ直したら配置で来た。
関連する部分の部材の配置が乱れてしまうので、やり直し、見直しに手間がかかった。
スパンの分割に絡むデータの配置で不具合が出たら、やり直すほうが良さそうだ。
posted by TASS設計室 at 12:24| 構造設計

聞きかじりでも良い

聞きかじりでも良いので、知識の絶対量を増やす。
そんなこともあるな、と思ったら調べればよい。
参考書はあるが、細部まで目を通していないものもある。必要な時に読めばよい。
言われたことを誰かに聞いて伝達したら仕事が終わりではなく、自分で納得するまで時間をかけるのである。
posted by TASS設計室 at 12:17| 日記

2x4工法4階建てのタテ枠

2x4工法4階建てのタテ枠に 204 を使いたいという人がいる。204 にする場合は、2-204 @455 が妥当と考えている。
3階・4階は可能なところがあるが、ホールダウン金物やタイロッドの納まりを考慮して決める。
2階の壁までタイロッドを使う場合、3階床に座金を付けるので、座金の断面で決まることがある。
高強度の金物を使う場合は、スタッドに条件が付けられ、606 の集成材が要求されるので、条件に合ったスタッドを用いる。
耐火構造の壁は、石膏ボードの厚さが厚いので、その分を考慮して壁芯を決める。上下階で壁厚が異なる場合は、互いに壁芯がズレるが、壁厚の範囲内であればよいものとする。
下階をWRCとする場合も同様で、最も面積が大きくなる壁芯を採用することにしている。
posted by TASS設計室 at 02:06| 2x4工法