2022年10月02日

小規模な建物のルート3の敷居を低くする

小規模な建物の保有水平耐力計算を行うことを推奨するため、ルート3の設計の敷居を低くしたらどうだろう。小規模な建物のルート2やルート3の設計を構造設計一級建築士に限定せず、講習を受けた一級建築士に開放するという考え方はないだろうか。少なくともルート2なら可能性がありそうだ。
審査機関でも、ルート2の審査ができるところがあるので、足並みをそろえるのである。構造設計一級建築士未満の構造設計を行っている一級建築士を対象とする。
構造設計一級建築士を持っていても、保有水平耐力計算を実務として行うことができない人も少なくない。資格を取っただけで、持っていても意味がない。

そこで、2x4工法の4階建てをルート2で設計できるようにすることも、4階建てを普及させるための助けになる。その際、反曲点高比を0.5から1.0に改めることが必要になる。

posted by TASS設計室 at 11:46| 構造設計

2022年10月01日

基本計画

基本計画を行う場合、現地の地形や周囲の環境を見て歩く。
施主の要望や構想を聞き図面化する。その際、重要なことはコスト感覚で、最後はソロバン勘定になるものである。夢をふくらませすぎて予算が合わないということにならないよう、歯止めをかけながら計画する。
本来その建物が必要か、本質的な議論がなされないまま話しが進み過ぎているものを見かける。「ダメだろうな」と思うと予感が的中する。
基本計画を行う設計者は、相手の事業計画を知った上で建築計画を行うことであり、見栄えのする建物を設計することだけが設計ではない。総合力が必要なのは、窓口となる意匠設計者である。
posted by TASS設計室 at 16:22| 閑話休題

1.5Gの水平力

防災倉庫を1Gの水平力で許容応力度設計を行ったことがあるが、今度は1.5Gの水平力に対して終局耐力以内となる設計を行った。剛体のような構造物である。
震度7は600gal以上だから、震度7で許容応力度以内に納まる設計である。地盤がどの程度移動するか分からないが、地割れが生じたらどうなるか分からない。
許容応力度計算と保有水平耐力計算を行い、結論を出した。

通常の設計でも、水平力を漸増させてゆき、どこで倒壊するか示すことも考えられる。保有水平耐力計算は1Gの水平力に対して、倒壊するかどうか判断するが、それを1.5Gとして計算することもできる。構造特性係数を0.5にしておけば無難な計算になる。
心配性の施主には、こんな方法で説明することもできる。
それにしても、自由落下より大きな加速度だけど、大きすぎると思う。今度は直下型地震の計算でも行ってみることにするか。鉛直方向の震度を1.0にするのである。
posted by TASS設計室 at 00:46| 構造設計