2022年10月10日

鉄骨階段の設計

良くあることだが、鉄骨階段の設計を依頼されるが、基本設計で頭が当たる図面が送られてくる。
『鉄骨階段が付く』という程度の基本設計である。頭が当たるかどうかは、構造設計者が検討することなのだろうか。
意匠図でも断面図を作成しないのだろうか。

断面図を作成する場合、段鼻に着目して蹴上げ・踏面・蹴込を断面に示すだけで見えてくる。

posted by TASS設計室 at 22:07| 木造住宅

木造専業の構造設計者が苦手なこと

木造専業の構造設計者が苦手なこと
@外部鉄骨階段
A内部鉄骨階段
Bエレベーター鉄骨フレーム
C混構造全般
D標準の基礎以外の基礎
E地下室
F地下車庫(手計算が苦手)
G擁壁(標準図にない設計が苦手)
Hルート2の計算(構造設計一級建築士の資格が必要なので避けている)
I保有水平耐力計算(構造設計一級建築士の資格が有ってもできない)
J地耐力計算(業者任せ)
K液状化判定(業者任せ)
L杭基礎・支持杭(杭頭モーメントの曲げ戻しを理解していない)
M地盤改良・地盤改良杭(業者任せ)
N斜面地の建物の計画(斜面の安定に関する知識がない)
Oスキップフロア(マニュアル化できないから難しい)
平たい敷地に建つ3階建て、ルート1の計算から抜け出せないでいる。
抜け出すためには建築構造の基本中の基本である『構造力学・RC造・S造・基礎構造・土質力学』を学ぶことである。初歩的なところでよい。
木造から構造設計を始めた人によくあることである。二言目には木造は特殊だと言う人がいるが、木造専業の構造設計者が特殊な存在である。
posted by TASS設計室 at 14:13| 木造の構造計算

2022年10月09日

建築にも心理学

建築には心理学が必要である。相手の心理を見抜くことで、的確な建築計画を行うことができる。
僕は建築家気取りの意匠設計者が大嫌いだ。醒めた目で斜に構えて建築を見るくらいがちょうど良い。
渦の中にいると自分のことすら分からなくなるのではないか。自分自身を客観的に観るのである。
posted by TASS設計室 at 17:37| 閑話休題

基礎構造計算プログラム

汎用の杭基礎構造計算プログラムがあると便利だ。
【上部構造】
@ラーメン構造(RC,S)
A壁式構造(WRC)
B木造軸組工法
C2x4工法
【基礎構造】
D杭基礎
※ 地盤改良は直接基礎に含む
@とDの組合せは BUS-6とBUS基礎の組合せで計算できる。
AとCは、東京デンコーのプログラムで計算できるが、自分が思うように設定できないので不満がある。
昔ながらの計算方法で、杭頭モーメントの曲げ戻しを行い、基礎梁の計算が出来ると便利である。
BはCと似たようなものなので、A〜Cと組合わせる基礎構造計算プログラムを作ることができないだろうか。
BUS基礎で、汎用的に杭と基礎梁の計算が出来ないものか試してみる。
木造でもスクリューパイルを使いたい場合がある。杭頭をピンにして計算しても良いが、杭頭固定にして杭頭モーメントを基礎梁に曲げ戻す計算を行いたい。
手計算で行うこともよいが、上部構造の計算結果を読込、自動計算ができると便利になる。
木造4階でスクリューパイルを使うことを考えていた。とりあえずエクセルで計算する。
posted by TASS設計室 at 12:32| 構造計算プログラム

万能な木造の構造計算プログラム

軸組工法、2x4工法共に東京デンコーの構造計算プログラムは機能が豊富だ。
うちの事務所が依頼される木造の構造設計は、ルート2あるいはルート3で計算するもの、変形したもの、スキップフロア、混構造などである。

木造3階建てまでの構造計算を行っている人が上記の構造に手が出ないのは、次のような理由と思われるが、意匠設計者にはそれが理解できない。
@変則的な構造に対応するため、手計算で補足することができない
ARC造、WRC造の構造設計ができない
B構造設計一級建築士の資格は持っているが、保有水平耐力計算を理解していない
C構造設計一級建築士の資格を持っていない
D使用している構造計算プログラムに必要な機能が含まれていない
E豊富な機能を使いこなせない
F適判を避けている
G混構造になると、RC造やWRC造の保有水平耐力計算が必要になることが多い
Hルート3を避けて、ルート2に持ち込もうとする
I技量不足

構造計算プログラムを使いながら知識を深めることが必要だ。
分からないことがあったら、自分で学ぶか、出来る人に聞くことである。
posted by TASS設計室 at 10:02| 構造計算プログラム

2022年10月08日

1か月様子を見ていた

考え方を示して1か月間様子を見ることにした計画がある。何が良いか分からない意匠設計で、コストがかかりすぎて設計の見直しを行っている。
図面を描かない意匠設計者と仲介している設計事務所、その下請けの作図と申請を担当する事務所が関与しているが、そこが依頼した構造設計者は脱落した。
客は図面を描かない意匠設計者が気に入っているそうだが、僕はその設計者を外せと言った。
結論が出る頃だが、どんな計画が出てくるか楽しみだ。
posted by TASS設計室 at 11:48| 木造の構造計算

瞬時にダメと分かる計画

建物のボリュームを示す参考図が送られてきたが、一瞥してダメと分かる計画である。
実施設計では、そんな計画は見直される。これは別案を出させるために敢えて没になる計画を示したに違いない。
現地に行かなくても、航空写真とストリートビューで周囲の状況が分かる。
posted by TASS設計室 at 08:56| 閑話休題

2022年10月07日

手摺の設計

デザインに凝った手摺の設計は難しい。
廊下・バルコニーの手摺に作用する水平力の指針に基づく計算を行うと、細い部材では成り立たない。
戸建住宅の手摺は、寄りかかったら倒れるものもある。自宅は自己責任で、うちの家の手摺もヤバいところがある。
設計する際は建築学会の荷重指針(2015)に基づく設計とするが、階段の手摺は、強度に関する規定はあるが、たわみに関しては廊下・バルコニーとは異なるので規定に含まれていない。
しかし、廊下・バルコニーに準じたほうが良い。
posted by TASS設計室 at 20:37| 構造設計

杭基礎の基礎梁

上部構造の計算と分離して杭基礎と基礎梁の計算を行う。
杭の曲げ戻しを基礎梁だけで処理するなら、こんな方法があるので、エクセルのシートを作っている。
地盤改良にするか支持杭にするか決めかねているので、どちらになっても良いよう準備している。
混構造や木造にスクリューパイルを使うこともあり得るので、昔ながらの方法で対応する。
posted by TASS設計室 at 15:10| 構造設計

改修工事の設計

倉庫とスーパーマーケットの改修工事の設計を行っている。
どちらも部分改修で、倉庫は構造設計だけだが、スーパーマーケットは消防を含み法規に関することも調整する。10,000uとか20,000uという建物だが、その一部分の改修である。
これらの用途の建物や工場は、改造しながら使うものであり、途中経過を調べることから作業を始める。
施設の担当者は昔のことを知る人がいないので、山積みにされた資料が頼りである。構造計算は手計算であったり、応力解析だけコンピュータが使われている時代である。

posted by TASS設計室 at 08:27| 構造設計

ラーメン的壁式鉄筋コンクリート造

4階建て混構造の1階が壁式鉄筋コンクリート造でありながら、基準は満たすものの壁量が少ない通りがある。辛うじて偏心率は0.15以内になるものの保有水平耐力が僅かに不足した。
壁を厚くした上で曲げ補強筋を増やし、基礎梁を増強して壁の曲げ耐力を上げ、何とかクリアした。そのフレームはラーメンのようなものになるが、開口の大きい壁式鉄筋コンクリート造として設計できる。
昔ながらの平均せん断力法、節点振分け法で計算した。この計算は分かりやすいので捨て難い。
Dsは0.5でよいので、WRCの一部にラーメン構造を組合わせることができたらよいと思った。
壁配筋を柱のようにして、135°のフックを付けるスターラップのディテールにする。
posted by TASS設計室 at 07:31| 構造設計

2022年10月06日

5〜7階建て

5〜7階建ては最も多い階数で、当たり前すぎるが次の構造で計画する。
@RC造
AS造
下記は新築では珍しい。SRC造を設計することは希である。
BSRC造
C下部SRC造、上部S造
D下部SRC造、上部RC造
S造の地下1階の柱をSRCにすることはある。柱脚の納まりが簡素化される。
小規模なS造の基礎梁に鉄骨を入れることもある。基礎梁をSRCあるいはSCとすると基礎の納まりがよい。
posted by TASS設計室 at 21:07| 構造設計

人の目となる

意匠設計者経由で、工場の施設担当者から構造図の部材リストを借用したかったが、関係のない図面が送られてきていた。倉庫に保管してあるそうだが、施設担当者は見ても分からないようだ。
こんなことのために1日つぶすことはないので、見て分かる人に倉庫まで行ってもらうか、スマホのビデオ通話機能で、その人の目となることが必要である。
この方法で遠隔地の現場の状況を見たことがあるが、今後はこの方法で人を動かすことになる。
「見る」「聞く」「話す」という機能を補佐するようなものである。
posted by TASS設計室 at 18:36| 閑話休題

4階建てというと・・・・・

4階建てというと、次の構造で計画する。
計算ルートをR1,R2,R3で示す。
@木造軸組工法(R2,R3)
A2x4工法(R3)
BS造(R2,R3)R3が当たり前
CRC造(R1,R2,R3)R1かR3
DWRC造(R1)
E混構造(R3)
書き出してみると、2x4工法は選択肢がR3しかないが、RC造は高さ20mまでR1で設計が可能である。
S造をR1で設計して、無駄に鉄骨の断面が大きくなっていないだろうか。
posted by TASS設計室 at 14:37| 重要

RC造を避ける構造設計者を見かける

RC造を避ける構造設計者を見かける。
難しいところもあるが、RC造とS造しかないし、基礎屋地下室はRC造ではないか。
木造専業の人は、混構造でRC造とS造と組合わせるが、RC造とS造は出来なくてもよいのかな。
木造専業の意匠設計者は、普段からRC造やS造に接していないので、適判にまわる確認申請に縁が薄いので、手続きに関しても理解していない人がいる。

4階建てというと、次の構造で計画する。
計算ルートをR1,R2,R3で示す。
@木造軸組工法(R2,R3)
A2x4工法(R3)
BS造(R2,R3)R3が当たり前
CRC造(R1,R2,R3)R1かR3
DWRC造(R1)
書き出してみると、2x4工法は選択肢がR3しかないが、RC造は高さ20mまでR1で設計が可能である。
S造をR1で設計して、無駄に鉄骨の断面が大きくなっていないだろうか。

posted by TASS設計室 at 08:01| 構造設計

2022年10月05日

木造軸組工法4階建て

多くの木造軸組工法4階建てはルート2の計算で成り立つ。
どうしても偏心率が納まらず、ルート3になる場合もあるが、耐力壁の剛性を微調整して何とか偏心率を下げると、Qunの値が小さくなり有利になる。
スジカイを使わず、面材の耐力壁にすると構造特性係数が 0.3以下になり、β割増しもない。
2x4工法の4階建てと比較し、総合的に判断することをお勧めする。
軸組工法の利点は、一気に骨組が出来上がり、屋根を葺くことができることである。

posted by TASS設計室 at 08:59| 木造の構造計算

2022年10月04日

ルート2の審査ができない審査機関がある

ルート2の審査ができない審査機関があるので、申請前に問合わせることが必要だ。
使用する構造計算プログラムを聞かれ、審査できないと言われた審査機関もあるので、事前に構造審査係りに確認するとよいだろう。
担当者にとって見慣れた構造計算プログラムの代表格は、SS-3, SS-7, kizukuri, kizukuri-2x4 だろう。
BUS-6を見たことがないという人もいるくらいだから、東京デンコーのプログラムを見たことがない人は更に多い。マニュアルを印刷して渡したり、メールで送ったこともある。
確認申請の審査機関では構造設計の経験のない人が審査を行っていることが多いので、適判のほうが話しが通じる。


posted by TASS設計室 at 08:43| 構造設計

構造を理解するには計算すること

構造を理解するには計算することである。計算するには力学と数学の基礎の上に規準を理解する。
計算だけではなく現場を知ることも必要で、施工を理解しないと設計できない。
施工が苦手という人がいるが、現場を見る際は、計算と関連付けて物を見ると理解できる。
鉄筋、ボルト、溶接など、全てが計算と関連する。
幾何学的には立体幾何、図法幾何を自由に使いこなそう。
posted by TASS設計室 at 02:01| 構造設計

2022年10月03日

意匠設計者には起業家精神が必要

事業計画の一部として建築設計を行うのだから、意匠設計者には起業家精神が必要だ。
建築工事は経済行為であることを忘れ、見栄えのよい建物を設計することだけが仕事ではない。
構造設計の相談を受け、「この立地条件で、こんな計画はないだろう」という印象をもつものもある。
力任せで出来る面白い計画もある。

大きな組織で設計してきた意匠設計者は、起業家精神に乏しく、いつまでも大企業を引きずっている人がいる。それは人脈に現れる。その中でも個人として確立している技術者、研究者がいる。意匠設計は人が相手だが、構造設計は技術が相手だから、組織にいても群れをなさず、個人で動いている。
posted by TASS設計室 at 11:58| 閑話休題

2022年10月02日

枠付きブレース

RC造の耐震補強では枠付きブレースを採用するが、S造でも枠付きブレースを採用することがある。
S造の新築で枠付きブレースを採用することもできる。引張ブレースで、ブレース端部の変形能力を高めるため、枠の取り付けボルトを節点から離すことも考えられる。これで構造特性係数を 0.3程度にすることもできる。節点の変形を許容する設計に興味が出てきた。

木造軸組工法でも、β割増しを避けるために面材の耐力壁を採用し、スジカイは極力使わないようにする。
そこで、小規模な鉄骨造で、面材の耐力壁を使うことも考えられる。準耐火構造の鉄骨造では、CLTを耐力壁として使うことも出来るのではないだろうか。
posted by TASS設計室 at 16:33| 構造設計