ホールダウン金物のアンカーボルトは、基礎に定着することを原則とする。
土台に取付けたい人が多く、メーカーにもそのような製品がある。木造の耐力壁の耐力を担保するものがホールダウン金物のアンカーボルトである。終局時の耐力を担保することを考えると、土台に取付けるホールダウン金物では終局時の耐力は土台に依存することになる。
木造の土台は腐ることがあることは、リフォーム工事の現場で見かけることがある。土台を取付けているM12のアンカーボルトは、入れ忘れた時にせん断力のみを負担するホールインアンカーを打つことがある。ホールインアンカーは引抜耐力が期待できない。
そのような理由から、ホールダウン金物を取付けるアンカーボルトは基礎梁に定着することを原則とする。
軽量鉄骨造の工業化住宅の評価が高いのは、アンカーボルトの設計がしっかりしていることも理由のひとつである。木造住宅の評価の低さの理由でもある。
ホールダウン金物を土台に取付けたいことは理解している。面倒だからやりたくない、という心理が働くことは分かるが、どうあるべきかを考えると異なる答えになる。
山口県で建物の一部が倒壊
山口県で建物の一部が倒壊した。
この建物のオーバーハングした部分の架構の組み方を見てみたい。
構造力学上の欠点はなかっただろうか。
この時代の鉄骨造は溶接部が不完全なものがあり、耐震補強を行う際に溶接部のやり直しを行う設計を行ったことがある。ガウジングを行い欠陥部分を除去した上で、突合せ溶接のやり直しを行うのである。
それよりも優先することは、上部荷重を素直に下に流すことで、重力に逆らわないことである。1階に基礎を追加し、柱を入れることである。単純なことだが、それが最も安心できる。
この場所は支持層が深いと思われるので、杭が必要かもしれない。溶接で継ぎ足しながらスクリューパイル(鋼管杭)を打つ方法もある。小径に限るが軒下や建屋内でも杭を打つことができる。
オーバーハングした建物を恰好が良いと思う設計者や所有者がいるが、次の一手を考慮した設計にすることである。2m以上飛び出した部分は、鉛直方向の震度を1.0として、地震時の検討を行う基準が適用される。このくらいオーバーハングしていると、何らかの対策を施さないとクリアしないのではないか。マンションの耐震改修で、大きな庇の下に鉄骨の柱を追加したことがある。
この基準により、地震時ではなく常時荷重に対しても、強度が割り増されることになる。
庇の屋根について追記すると、積雪荷重に注意が必要である。
庇の上の壁面に吹き付けた雪が庇の上に落下する。積雪荷重に対する指針が改定されている。
この建物のオーバーハングした部分の架構の組み方を見てみたい。
構造力学上の欠点はなかっただろうか。
この時代の鉄骨造は溶接部が不完全なものがあり、耐震補強を行う際に溶接部のやり直しを行う設計を行ったことがある。ガウジングを行い欠陥部分を除去した上で、突合せ溶接のやり直しを行うのである。
それよりも優先することは、上部荷重を素直に下に流すことで、重力に逆らわないことである。1階に基礎を追加し、柱を入れることである。単純なことだが、それが最も安心できる。
この場所は支持層が深いと思われるので、杭が必要かもしれない。溶接で継ぎ足しながらスクリューパイル(鋼管杭)を打つ方法もある。小径に限るが軒下や建屋内でも杭を打つことができる。
オーバーハングした建物を恰好が良いと思う設計者や所有者がいるが、次の一手を考慮した設計にすることである。2m以上飛び出した部分は、鉛直方向の震度を1.0として、地震時の検討を行う基準が適用される。このくらいオーバーハングしていると、何らかの対策を施さないとクリアしないのではないか。マンションの耐震改修で、大きな庇の下に鉄骨の柱を追加したことがある。
この基準により、地震時ではなく常時荷重に対しても、強度が割り増されることになる。
庇の屋根について追記すると、積雪荷重に注意が必要である。
庇の上の壁面に吹き付けた雪が庇の上に落下する。積雪荷重に対する指針が改定されている。
posted by TASS設計室 at 19:17| 日記
ますます構造離れ
昔から傾向は変わらないが、構造離れが著しい。
建築学科に進むには数学と物理は出来て当たり前だが、出来ることは出来ても、それらは受験の手段であって好きではない人もいる。
構造設計に関して言えば、土木学科と建築学科を統合するほうが良いのではないかと思う。両方を学んだ上で、好きな道に進むのである。地盤や基礎、杭は土木と建築は共通だし、鋼構造やコンクリート構造も共通である。
僕は最初から建築学科を希望したが、土木出身の一級建築士もいる。たまたま海と陸の境界の構造物を設計することがあり、港湾基準による設計も行った。波力という建築では縁のないものもあるが、訳の分からない計算式て計算することに変わりない。建築構造では実験から求められた係数が使われるので、似たようなものである。
建築学科に進むには数学と物理は出来て当たり前だが、出来ることは出来ても、それらは受験の手段であって好きではない人もいる。
構造設計に関して言えば、土木学科と建築学科を統合するほうが良いのではないかと思う。両方を学んだ上で、好きな道に進むのである。地盤や基礎、杭は土木と建築は共通だし、鋼構造やコンクリート構造も共通である。
僕は最初から建築学科を希望したが、土木出身の一級建築士もいる。たまたま海と陸の境界の構造物を設計することがあり、港湾基準による設計も行った。波力という建築では縁のないものもあるが、訳の分からない計算式て計算することに変わりない。建築構造では実験から求められた係数が使われるので、似たようなものである。
posted by TASS設計室 at 00:25| 構造設計