2022年09月22日

計画の初期段階の概算工事費

計画の初期段階の概算工事費を求めるには、相当な技術力が必要だ。
特に木造の会社が混構造を計画する場合、丸投げの下請けの躯体業者が入るので割高になる。
大手ハウスメーカーでも、混構造になると異常と言えるほどの費用になる。
さて、どうするか。設計も施工管理も、RC造と木造の両方が分かる意匠設計者と現場監督が必要になる。
混構造の下部構造だけ構造設計を依頼されたことがあるが、結局、上部構造まで設計することになった。
平たい敷地に建つ2階建て、3階建ての段階で止まっている木造専業の設計者が多いことが分かった。
その範囲の仕事が圧倒的多数なので、彼らにとって厄介な仕事は1〜2年に1つくらいのものである。
posted by TASS設計室 at 14:08| 混構造

木造住宅らしくない計画

木造住宅らしくない計画の相談を受ける。
これは、住み手が戸建て住宅に慣れていない、設計者も戸建住宅に住んでいない人かもしれない。
マンションのリフォームのように、スケルトンの大空間を望む人がいる。最初から大きな空間として計画し、間仕切り壁は任意に設ける設計がよい。間仕切り壁は有っても良し、無くても良しである。耐力壁線区画や、壁量は意識されていない。
平面的にL型のLDKを望む人がいるが、それなりに壁量が確保でき、偏心率が0.15以内に納まるなら、それも可能だ。
そういえば、壁式鉄筋コンクリート造の2世帯住宅で、上下のプランが異なり、耐力壁線が揃わないことがあった。どうにもまとまらないので、鉄骨造にしたことがある。外壁はALCにタイル貼りだった。外見はRC造に見える。
posted by TASS設計室 at 13:27| 閑話休題

複数の情報を頭の片隅に置く

1つの建物で、設計図書20枚や30枚で驚いていてはいけない。
全体に目を通して関連付け、どこに何が書かれているか、主要な寸法も記憶する。
身構えて記憶しなくても、図面に目を通していれば、記憶に残るものである。
posted by TASS設計室 at 00:27| 建築士

好奇心を持つことで、知識の絶対量を増やす

好奇心を持つことで、知識の絶対量を増やすことが必要だ。
特に分業化された仕事の一部を、人から指示されて作業している人は視野が狭い。
それでは現場に行って話しができないし、役所や審査機関に行っても、1人では話しができない。
だから何人も連れだって歩いているのである。
posted by TASS設計室 at 00:10| 閑話休題

2022年09月21日

EVの火災は、自動車だけのことではない

EVの火災は、自動車だけのことではない。
建物も同様の設備である。
https://bestcarweb.jp/feature/column/466193
posted by TASS設計室 at 22:00| 閑話休題

どこまで緩和されるか木造建築

どこまで緩和されるか木造建築
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00574/012300004/
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220517_18558
2〜3年待つと良いかもしれない。
posted by TASS設計室 at 21:54| 木造住宅

木造は3階建てに回帰する

2025年に木造3階の高さ制限が緩和されるので、時期を合わせて構造計算指針の改定があると予測する。
今頃は改定作業の準備が始まっているかもしれない。
軸組工法と枠組壁工法(2x4工法)で足並みが揃うか興味深い。どちらも木造なのだから、「木造軸組工法」と「木造壁式工法」の2つとして、建築基準法施行令に含めたらよいと思う。いつまで輸入住宅、告示1540号のままなのか。
posted by TASS設計室 at 21:02| 木造の構造計算

木造と鉄骨造

主に木造を設計している構造設計者が鉄骨造の設計を行うと、ルート1で計算することに執着する。だから鉄骨造はコストがかかると言われるようだ。木造でも鉄骨造でも4階建ての構造設計から逃げている。
鉄骨造に慣れていない意匠設計者は、軽量鉄骨造のほうが分かりやすい。
だから、鉄骨造というと、大手プレファブメーカーの鉄骨造を考えてしまう。普通に設計すれば良い。
床(QLデッキ)と壁(ALC)と階段のディテールを理解すれば、鉄骨造の設計ができる。鉄骨階段はデザインの幅が広い。
構造設計一級建築士の資格を持たなければ、誰かにハンコを押してもらえば済むことではありませんか。
posted by TASS設計室 at 11:59| 建築士

4〜5階建ては混構造ではなく鉄骨造

4〜5階建ては混構造ではなく鉄骨造が適している。木造の会社だからといって、何でも木造に結びつけないことである。必然性のない計画は没になる運命にある。
特に狭小地の建物は鉄骨造で、半地下や斜面を受ける場合は壁式鉄筋コンクリート造と木造の組合せでしょう。
posted by TASS設計室 at 02:19| 木造の構造計算

2022年09月20日

オンとオフがはっきりしている

このブログのアクセス数を見ると、皆様のオンとオフがはっきりしていることが分かる。
休日は平日の半分くらいになる。
ブログの90%くらいがスマホで閲覧されているらしい。僕は書きにくいのでスマホではブログを書かない。
LINEで連絡してくる人もいるが、LINEは家族との連絡に使うくらいで、仕事では使わない。
posted by TASS設計室 at 10:34| 日記

LINEは仕事で使わない

僕はLINEは仕事で使わない。スマホでは書きにくいからである。
ほとんど読むだけの人は、それでもよい。
添付ファイルを保存したり、印刷することを考えると、メールのほうが使いやすい。
posted by TASS設計室 at 10:15| 日記

2022年09月19日

基本計画は構造計画

基本計画は構造計画である。
最低限必要なのは、幾何学的直観力である。
意匠図を一瞥し、『これはすごい、やるね』と思うものもあれば、客と何を話してこんな計画になったか疑問に思うものもある。
難しい計画が持ってこられ悩むこともあるが、解決策を考えることが面白い。そのままでは難しいが、こうすれば出来るというものもある。
ビル・マンション・工場・倉庫で、RC / SRC / S / WRCなど、全ての構造形式に対応している。まだ手掛けていないものは CLT構造と壁式ラーメンである。CLTは、指針を見たらやる気がなくなった。
軽量鉄骨造は、柱通しで陸立ちの柱が少ないことを原則として計画すれば、無理のないものになる。
フラットスラブ構造は、建物の一部で使ったことがあるが、それだけで建物を設計したことがない。柱を任意の位置に配置することができるので、デザイン性のある建物に適用したいと考えている。
木造軸組工法4階の要望があり設計を始めた。これが好まれる理由が理解できる。2x4工法の4階建ては施工管理が難しいので、プレカットが可能な軸組工法が無難である。

posted by TASS設計室 at 22:08| 閑話休題

2022年09月18日

金属工事の設計

昔、僕が清掃工場の現場の設計室にいた時、施工図の調整作業を行っていた。
大学の同級生の実家が金属工事の会社であり、そこの設計担当が美濃紙に描いた製作図を持って打合せに来ていた。僕は構造的なチェックを行い、製図板に図面を貼り付け、赤鉛筆でディテールのチェックを行った。
構造設計の仕事は主要な骨組だけではなく、細かいディテールにも及ぶ。細かすぎると難しい。
posted by TASS設計室 at 22:27| 構造設計

必然性のある設計

必然性のある設計に心がけることである。見誤ると客に相手にされない。
基本設計を行う意匠設計者は、視野が広く、全体を見渡すことが出来なくてはならない。
どこかの馬鹿社長のように、高さ350mの木造超高層なんて言い出すことは、話題性はあっても現実的ではない。社長が交代すれば消えてしまう計画である。
木造を専業としていない設計者は計画に柔軟性があるが、木造専業の設計者は、何でも木造に結びつけたがる。木造にすることが最適解になる設計を行うことである。物事を考えるには語彙が必要である。
考えを文書にし、客観的に評価すること最適解がみつかる。
木造で混構造で計画する場合、1階は壁式鉄筋コンクリート造とするものとし、ルート1で成り立ち壁量を確保するものとする。全体が4層になり、ルート3で計算する場合にも、経済的な設計になる。
意匠設計者は、ルート判別の壁量を理解しよう。
posted by TASS設計室 at 14:48| 閑話休題

ショッピングセンターの改修工事

10月はショッピングセンターの改修工事の設計を予定している。
20,000uのうちの一部だが、足場が組まれ、鉄骨を見ることができる状態になったら建物を見て判断する。
考察を簡潔にまとめ、複数の方針を提案する。A案,B案,C案を提示すると、B'に決まったりするものである。
商業建築や工場は改修工事を重ねることが多く、そのまま使い続けることは少ない。
発注者が、構造設計者に直接問い合わせてきたことは正解である。
posted by TASS設計室 at 09:47| 構造設計

2022年09月17日

立体解析時の偏心による ねじれ補正

立体解析時の偏心による ねじれ補正 は必要か。
平面骨組解析と立体解析とでは、剛心の位置が異なる。
何気なく偏心率を求めて ねじれ補正 を行っているが、勉強不足だった。

昔ながらの平面骨組解析を行い、偏心率に応じて ねじれ補正 を行った場合と、立体解析を行った場合を比較してみると傾向が分かる。
仕事のついでに比較する。直交方向の応力を比較すると、何か分かりそうだ。

posted by TASS設計室 at 21:15| 構造設計

絵と図面の違い

図というものは、ある約束事で描くもので本質的に抽象的なものである。 一方、絵には、現実を写しているもので、読む人間の想像を引き出す。 従って、図の場合の解釈は、あるルールに従うので、一意的に決まる。(拾ってきた記述を引用)
意匠図は人間の創造を引き出す図面ということか。
「文・式」の違いも「図・絵」の違いのようなものだ。
意匠設計は「文」と「絵」で成り立ち、構造設計は「式」と「図」で成り立っている。
巨匠のスケッチは「絵」だけど、パースは「絵」ではなく「図」であると理解している。図面を見て分からない客は、パースが頼りである。アングルを変えて8枚描いてもらったことがある。
posted by TASS設計室 at 09:22| 閑話休題

立体解析と平面骨組解析

いつも通り立体解析していたら、X方向の偏心率が0.156 となってしまい、ルート2の条件を満たさない。平面骨組解析にしたところ、偏心率が0.103 になり、0.15以下になった。Y方向はルート1である。
改修工事の検証で、RC造4階建て、約1500uの建物の計算で、ひと晩寝たら思いついた。
1983年に設計された建物で、大手設計事務所が作成した計算書の末尾に付いていた電算データを見ながら計算した。この頃はデータ数が少なくシンプルだった。僕が使っていたものとは異なるプログラムでも、だいたい似たようなものであり、当時のNTTのDEMOSが基本になっている。この当時は立体解析ではなかった。
当時僕が使っていた BUS の入力データはテキスト形式である。データはエディタで作成した。小数点とカンマの入れ違いで、エラーが出ることがあった。そのうちカンマが緑色で表示されるようになり、見やすくなった。
posted by TASS設計室 at 08:42| 構造計算プログラム

2022年09月16日

改修工事の設計は構造設計の仕事

構造に関する改修工事の設計は構造設計事務所に任せていただくほうがよい。
構造に関する検討事項が少なければ、内外装工事と設備が主体なので、意匠設計者が適している。
斜面地の建物も、企画段階から構造設計の仕事である。
1990年代と比べて過度に分業化が進み、意匠設計者の総合力が落ちている。意匠設計者は広く浅く全てを見渡し、プロジェクトマネージャーとして振舞う必要がある。
総合力が落ちているということを具体的に言うと、使える語彙が少なく、構造や設備との打合せで、知らないことが多すぎるのである。大現場になると、サブコンを含み定例会議が行われるが、様々な話しを理解してコントロールする立場の人、仕切ることができる人は少ないものである。
posted by TASS設計室 at 17:06| 構造設計

鉄と木とコンクリートの料理人

建築設計者は「鉄と木とコンクリート」の料理人である。
構造設計は、主にそれらを扱うが、「鉄とコンクリートと土」というほうが適切かもしれない。大根や人参に近い「木」は農学部に任せる。

「土と木」で土木だが、土木とは何か調べたら次のことが分かった。
「土木とは」の概要
(1)中国では、「土木」はきわめて古い言葉であること
・BC5世紀《国語・晋語九》、“志有之曰:‘高山峻原,不生草木;松柏之
地,其土不肥。’今土木勝,臣惧其不安人也・・建築も「土木」に含まれる。
(2)土木「築土構木」由来説は明治以降日本でのことらしいこと。
・最も古いのは1903年(M36)の「漢和大字典」(重野安繹ほか)?
・専門家の発言では、近藤泰夫氏の論説(1975年)である。
(3)日本では795年「日本後紀」が最初。近代では明治初期1869年(M2)国の官職として「土木司」が始め。
(4)学問名では1874年(M7)の工部大学校で、講義名の「Civil Engineering」を「土木学」に変えたのが最初である。
(5)日本のみ「土木」から建築構造が除かれ、建築に対比される「土木」となっている。他方中国の「土木」は建築分野を含む。
https://committees.jsce.or.jp/publicity/system/files/02-20140910-JSCE-PR-Furuki.pdf

※ シビルエンジニア (Civil engineer)
語源としては、「エンジニア」の古義で軍事のそれを指す「工兵」に対し、非軍事(civilian sector)でそれと同様のインフラストラクチャー整備のような仕事をする者という意味である。ただし、英語圏においても今日において一般には単に、土木や大規模建築のエンジニアという意味で使われている(英語版記事en:Civil engineerやen:Civil engineeringを参照)。
土木技術者(土木技師)。なお、土木学会では、『構造工学委員会のシビルエンジニアによる構造計画の考え方に関する小委員会』で、<エンジニアリングを主としながらも各種技術を紡ぐ資質を有する「アーキテクト」としての技術者、特に構造的な側面に焦点を当てながら、シビルエンジニアリングによる構造計画の考え方を模索、整理しテキスト化するとともに、今後のあるべき構造計画の姿についての提案を発信することを目的として、研究調査活動を行うもの>をシビルエンジニアとして定義している。
建築構造設計技術者(en:Structural engineer) 構造エンジニア。なお、アメリカ合衆国でいうストラクチュラルエンジニアは、ある一定の建築構造の設計をする場合の資格名で使用されていて、一般に建築構造設計の従事者はシビルエンジニアとよばれる。

posted by TASS設計室 at 11:22| 閑話休題