木造専業の構造設計事務所があるが、軸組工法と2x4工法の両方を設計するところは少なく、どちらかに特化している。どちらも木造ではないか。
構造図だけを作成する事務所があり、そのような事務所が関与する場合は構造図を先に作成してもらうと計算しやすい。構造計算だけを依頼されることもあるが、構造図作成段階で質問が多く、対応が面倒なので、構造図を先に作成してもらうか引き受けないことにしている。
混構造になると、RC/WRC/S造が苦手な木造専業の構造設計者は手を出さない。あるいは下部構造だけを当方に依頼されることがあるが、結局全体の構造設計を行うことになる。荷重の受け渡しのデータで苦労するようで、こちらとしては丸ごと計算するほうが分かりやすい。
混構造の場合は、構造詳細図を先に作成して全体を見渡すことが必要だ。RC壁のフカシ寸法やアンカーボルトの納まりを先に決める。
複雑なデザインのプレカット図のチェックを依頼されることがあるが、墨出しができる大工に加工を依頼するようコメントを加えることがある。色鉛筆で色分けして表現すると分かりやすい。混乱している人は横着しないことである。
アンカーボルトをスラブに定着することがあるので、アンカーボルトを曲げてスラブ内に定着することを理解させるための図面も作成する。
アンカーボルトは曲げてはいけないと思っているのか、曲げるのが面倒なのか知らないが、鉄筋とアンカーボルトについて理解してもらうための図面が必要である。曲げを受ける場合は必要定着長さの2分の1は真っ直ぐ突っ込むほうがよいが、せん断力のみを受ける場合は、スラブ内定着で差し支えない。心配ならコーン破壊の検討を行う。
2022年08月23日
木造専業の構造設計事務所
posted by TASS設計室 at 23:54| 木造の構造計算
「2x4壁式3」を使いこなす
「2x4壁式3」を使いこなし、保有水平耐力計算と基礎の計算ができると設計の範囲が広がる。なぜ、4階建ての計算ができないか。
@耐力壁は倍率で計算するものと思っている
A保有水平耐力計算を理解していない
B構造設計一級建築士の資格を持っていない
C構造設計一級建築士の資格を取っただけ
D審査機関や適合性判定機関との質疑応答に自信がない
E「2x4壁式」を持っていない http://www.denco.co.jp/
F「2x4壁式」を持っているが使えない
F構造計算プログラムで計算できないところを手計算で補足することができない
G基礎や杭の計算ができない
H計算とディテールの関連付けができない
I計算式を理解していない
こんなところだろうか。いくつ該当しますか。・・・・・・・8つですか。
※ 木造以外で RC/SRC/S/WRCの設計および耐震診断を行っている人なら、保有水平耐力計算は当たり前のようにできる。
@耐力壁は倍率で計算するものと思っている
A保有水平耐力計算を理解していない
B構造設計一級建築士の資格を持っていない
C構造設計一級建築士の資格を取っただけ
D審査機関や適合性判定機関との質疑応答に自信がない
E「2x4壁式」を持っていない http://www.denco.co.jp/
F「2x4壁式」を持っているが使えない
F構造計算プログラムで計算できないところを手計算で補足することができない
G基礎や杭の計算ができない
H計算とディテールの関連付けができない
I計算式を理解していない
こんなところだろうか。いくつ該当しますか。・・・・・・・8つですか。
※ 木造以外で RC/SRC/S/WRCの設計および耐震診断を行っている人なら、保有水平耐力計算は当たり前のようにできる。
posted by TASS設計室 at 19:28| 2x4工法
現場の担当者にも分かる図面
大現場には構造設計者が常駐し、あるいは週に2日ほど現場の設計室で施工図のチェックや疑問質問に答えている。躯体工事の段階では、設備との調整が重要だ。
現場の担当者は知識の絶対量、読み取ることができる情報の絶対量が違うからやむを得ないことだが、現場の施工図担当は、構造図と構造計算書を見て判断できるくらいの技量が必要だ。
現場監督の机の横に建築学会の規準が並び、ジョブローテーションで構造設計課から現場に配属された人がいると安心だ。僕が駆け出しの頃は現場の設計室に通っていた。週に2〜3日現場の設計室に通い、調整作業を行っていたこともある。机上の設計だけではなく、構造設計と現場が一致する。
住宅産業の設計者から基礎の鉄筋について質問があり、電話で説明していたのだが、相手の反応がイマイチだった。『現場で鉄筋を組んだものを見たことがありますか』と聞いたところ、彼は『ありません』と正直に答えた。
そんなことがあったので、僕が講習会の講師をやっていた時、現場で鉄筋を組んだところを見せながら、基礎の設計の講習を行うことを提案したところ、『そんなことをやって、現場で怪我でもされたら誰が責任を取るのか』と言われ、此奴らと話しても無駄だと思った。住宅産業は、こんなものだと再認識した。
僕が学生の頃『ハウスメーカーは建築屋ではない』と言っていた。
現場の担当者は知識の絶対量、読み取ることができる情報の絶対量が違うからやむを得ないことだが、現場の施工図担当は、構造図と構造計算書を見て判断できるくらいの技量が必要だ。
現場監督の机の横に建築学会の規準が並び、ジョブローテーションで構造設計課から現場に配属された人がいると安心だ。僕が駆け出しの頃は現場の設計室に通っていた。週に2〜3日現場の設計室に通い、調整作業を行っていたこともある。机上の設計だけではなく、構造設計と現場が一致する。
住宅産業の設計者から基礎の鉄筋について質問があり、電話で説明していたのだが、相手の反応がイマイチだった。『現場で鉄筋を組んだものを見たことがありますか』と聞いたところ、彼は『ありません』と正直に答えた。
そんなことがあったので、僕が講習会の講師をやっていた時、現場で鉄筋を組んだところを見せながら、基礎の設計の講習を行うことを提案したところ、『そんなことをやって、現場で怪我でもされたら誰が責任を取るのか』と言われ、此奴らと話しても無駄だと思った。住宅産業は、こんなものだと再認識した。
僕が学生の頃『ハウスメーカーは建築屋ではない』と言っていた。
posted by TASS設計室 at 11:15| 構造設計
鉄骨造4F VS 2x4工法4F
鉄骨が高騰し、2x4工法4Fが注目されている。
鉄骨造はゼネコンが施工し、2x4工法は住宅の施工会社が施工する。
両者のコストは大きく異なり、木造住宅系の会社は割高になる傾向がある。
木造住宅系の会社は、基礎や杭、特に杭の施工に慣れていない。
10,000uクラスの建物に慣れているゼネコンと、100uの住宅を施工している木造住宅の会社が2,000uの建物を施工することを比較すると分かる。木造のコンポーネント会社がゼネコンの下に入ることで落ち着くものである。
3階建てなら軽量鉄骨も考えられるが、柱通しが原則で、陸立ちの柱は避けるほうがよい。
輸送や建て方の条件が良ければ、10m程度の柱は切らずに建てることができるので、柱通しが可能になる。
それなら、H形鋼の柱で、X方向ラーメン、Y方向ブレース構造という手もある。これなら4階でも5階でも可能である。柱は楽に現場接合が可能である。2x4工法と比較して、コスト的にいい勝負かもしれない。
鉄骨造はゼネコンが施工し、2x4工法は住宅の施工会社が施工する。
両者のコストは大きく異なり、木造住宅系の会社は割高になる傾向がある。
木造住宅系の会社は、基礎や杭、特に杭の施工に慣れていない。
10,000uクラスの建物に慣れているゼネコンと、100uの住宅を施工している木造住宅の会社が2,000uの建物を施工することを比較すると分かる。木造のコンポーネント会社がゼネコンの下に入ることで落ち着くものである。
3階建てなら軽量鉄骨も考えられるが、柱通しが原則で、陸立ちの柱は避けるほうがよい。
輸送や建て方の条件が良ければ、10m程度の柱は切らずに建てることができるので、柱通しが可能になる。
それなら、H形鋼の柱で、X方向ラーメン、Y方向ブレース構造という手もある。これなら4階でも5階でも可能である。柱は楽に現場接合が可能である。2x4工法と比較して、コスト的にいい勝負かもしれない。
posted by TASS設計室 at 04:04| 閑話休題