2022年08月16日

コンピュータで計算できない構造計算

コンピュータで計算できない構造計算の依頼があった。
新耐震基準になってからの手計算だが、新耐震基準は手計算を前提とした基準である。
自作のプログラムや漢字が使えないプログラムで計算していた時代を思い出す。
FORTRANのマトリクス法の立体解析プログラムのソースコードを見ながらBASICで組んだが、どうにもバグが取れず、放り投げてしまった経験がある。N88-BASICの平面応力解析プログラムは動いた。

現在は立体解析が主流のため、偏心率や剛性率の計算や、偏心率や剛性率が規定値を超えた場合の割増しは、立体解析に合ったものに変えたらどうだろう。
二重に安全をみているのではないかと思う。
posted by TASS設計室 at 20:52| 構造設計

階段をデザインする

階段は構造体むき出しが多いので、階段をデザインするには構造を知る必要がある。
意匠設計者は力学的センスが必要になる。平気で不安定構造になる設計をしている人も過去にいた。
特に鉄骨階段は、製作や施工を理解しないと設計が難しい。

posted by TASS設計室 at 18:27| 閑話休題

杭長に対する認識

杭の長さは、ボーリングデータから求めているので正確だと思っている人が少なくない。
建物の配置で、どこの位置のボーリングデータか認識し、そこと異なる場所は支持層の深さが異なることがあることを理解していただく。
場所打ち杭の場合は、支持層を確認するまで掘り、指定の長さを支持層に貫入させる。予定より浅くなることもあれば、深くなることもある。
スクリューパイルの場合は、支持層に到達するとトルク値が変化することで支持層に到達したか分かる。そこから指定の長さを貫入させる。一般的には1mの余裕をみて材料を準備し、打ち終わったら余った部分を切断する。支持層が傾斜していると、余裕が1mでも足りないことがあり、2m継ぎ足すこともある。
設計図通りに施工すればよいというものではない。

支持層が傾斜し、中間層が有ったり無かったりということがあった。
規模の大きな工場だったが、支持杭では杭長が決まらないので、摩擦杭 ATTコラムを採用した。
地面の中は見えないので、入念に調査を行い、作戦を立てるのである。
posted by TASS設計室 at 16:52| 構造設計

構造設計事務所は意匠設計もできる

構造設計事務所は意匠設計もできるが、その逆は分からない。
建築計画は基本構想から始めるが、その際は総合力を駆使して判断するものである。
何人もの人に聞かなければ設計できないようでは役不足である。そのような人は組織で仕事をしてきた人に多いが、組織のトップではない。せいぜい中間管理職である。
プロとは「他流試合ができる人」である。僕が1986年に読んでいたコンピュータ関係の雑誌に書かれていたことである。
posted by TASS設計室 at 11:30| 閑話休題

意匠設計者は覚めた目で考える

意匠設計者は設計に夢中にならず、覚めた目で考えることだ。
自分の考えを第三者として観察するのである。
一生懸命図面を描くのもよいが、客の価値観を見抜くことが重要だ。
そこで、客の価値観を変えるほうが良いか、相手に合わせるほうが良いかは、話していて感じ取るのである。
設計には洞察力が必要である。
posted by TASS設計室 at 09:27| 閑話休題