2022年08月03日

木造の構造計算プログラムは、どこまで進歩するか

木造の構造計算プログラムは、どこまで進歩するだろう。
高度な計算を行う人は、汎用の立体解析プログラムを使ったり、立体のFEM解析を行っている。解析は出来ても、最後は構造計算指針に基づいた保有耐力計算としてまとめなければならない。
任意の面で構成する建物の立体解析ができ、地震や風圧の方向を任意に与えることができるとシミュレーションしやすい。RC/SRC/Sの構造計算プログラムは、任意形状に対応し、地震力の方向も任意に設定することができることが普通である。
多剛床や独立水平変位にも対応してもらうと有難いが、木造でも荷重を調整してBUS-6などで応力を求め、断面検定を行う方法もある。現実に、そのような計算を行う人もいる。皆さん、変形した建物には苦労しているようだ。
BUS-6をデータ入力用として使って形状データを作成し、FAP-3に転送することもある。
「2x4壁式」は平面的な斜め軸の計算はできるものの、X方向で配置した耐力壁を斜め軸にするとX方向のみ評価し、Y方向に関しては耐力壁として評価されないことが、BUS-6などの立体解析プログラムと異なる点である。やりくりしてモデル化するか、手計算で補正することになる。途中からエクセルで計算することになるので、最初からエクセルで計算している人もいる。
建物が小さければ、そのような方法でもよい。

posted by TASS設計室 at 23:44| 閑話休題

なぜ2x4工法4階建ての数が増えないのか

なぜ2x4工法4階建ての数が増えないのか。
耐火構造になるので、コストが割高であることが大きな原因である。
鉄骨造の1.2倍という試算もある。
その他には、保有耐力計算が要求されるので、計算ができることと、構造設計一級建築士の資格が必要になることである。木造の業界には構造設計一級建築士が少ないことと、資格を持っていても保有耐力計算ができる人が少ないことである。
混構造や杭基礎の計算が必要になると手が出ない人も少なくない。
そこで提案である。
壁式鉄筋コンクリート造4階建てはルート1で計算できるのだから、2x4工法4階建てもルート1を認めたら良いのではないか。戸建て住宅なら、4階建て準耐火構造でもよいと思う。3階建てに小屋裏を加えても4層になるのだから、同じようなものだろう。
木造住宅の業界は大手ハウスメーカーが支配しているので、彼らの思うようにできるが、彼らの習性としては「何もやらない」ということが根強い。技術者が育っていない木造の業界に疑問をもつ役人や研究者もいることだろう。技術の底上げを行い、4階建てくらいは誰でも設計できるようにしたら良いと思う。
1987年に木造3階が解禁になってから35年も経っており、木造の構造計算プログラムが一般に使われ始めてから30年が経過した。ここらで全面的に見直す時期がきたのではないか。



posted by TASS設計室 at 08:41| 閑話休題

4階建ては無理だった

2x4工法4階建てに興味を示す人がいたが、結局無理だった。
意匠設計が先行したのでは成り立たない。最初に構造計算を行い、アタリをつけることから始めないと計画できないだろう。
狭小地に建つ小さい建物だから4階建てにしたいことは分かるが、そのような建物は鉄骨造にすることだ。
3,000uクラスになるとRC造かS造が適している。
準耐火構造でもよい建物なら、2x4工法が適している。
posted by TASS設計室 at 08:01| 日記